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色々あって突然外に取材へと向かうことになっていた。
「...」
ミンミンと自身の意識を強制的に覚醒させてくる音に少々困らせられながらも彼女の後をついていく。唯一の救いはこの森は電波が届くということくらいだろうか。照りつけてくる太陽に嫌気がさして、より一層帽子を深く被る。
「どこに居るかな~?」
先程から目の前で虫網片手に走り回っているのは、カブト虫大好きな桃鈴さんだ。木から木へと走り回る姿に彼女のマネージャーさんから言われた言葉が脳裏に浮かぶ。
「疲れるかもしれませんが、眼を放さないようにだけお願いします。風真さんのような迷子にはならないかもしれませんが、置いて行かれるのが一番マズイです」
きっと、カブトムシしか彼女の頭にはないのだろう。後ろを振り返ることなくドンドン森の中へと進んでいく。こんな所で置いて行かれたらマズイ。いくら電波が届くとはいえ、はぐれれば合流するのは難しいだろう。いくら日の入りが遅い夏でも、暗くなってしまえば終わりだ。厄介なことにスマホのバッテリーは持ちそうにない。使用するタイミングを間違えないようにしなくては。
「あ~!!!!いたぁ~~~!!!!」
被っていた麦わら帽子を少しはじいて顔を出した、白いワンピースに身を包んだ彼女はとても絵になる。そんな彼女の口からはよくギリギリな言葉が出てくることで有名だ。
「ほらほら見てみて箱推し君~!!!」
「こんな御時世でも生息しているものなんですね...」
捕まえたのは雌のカブトムシ。角がないことで判別は簡単だった。流石に詳しい種類まではわからないので、持ってきていた虫かごへと収容する。
「今日は何匹捕まえられるかな~」
夏が似合う。ホント、夏色さんより似合う気がする。冬色さんもいるしそろそろ四季で分身するんじゃないだろうか?
「おりゃおりゃおりゃ~!!!」
「おぉ...」
凄い網捌きだ。先日用意しておいた罠に集まった虫を次から次へと捕獲していく。
「ん?」
ふと、顔の傍を飛行する昆虫と目が合った。そっか、もうそんな時期なのか
「やぁ、お相手を探すなら奥の川まで行くといいよ」
空中で静止してこちらをじっと見ていたその子は、速度を上げてこの場を去っていた。きっと、番を持つ事が出来るだろう。息を吐き出して一息入れる。この動作をするだけでもこの場に来たことの後悔を上回る幸福感を得られた気がした。
「って、桃鈴さん!待ってください~!!!」
置いていかれないように、根っこに足を取られないようにしっかりと大地を踏みしめて彼女の後を追う。
彼らには夕陽が似合う。改めてそう思いながら。
「このセミ、どうするんです?」
「ん~、誰かにあげようかなって」
後日事務所内に解き放たれた。
箱推し君
事務所に居ない日で良かったです。
『 』
空飛ぶ秋を知らせてくれる昆虫。夕日が似合う色。
桃鈴ねね
カブトムシ好きな女の子。声優もできるよ~!
今回登場した推しを教えてね!
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箱推し君
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桃鈴ねね
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カブトムシ
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