出来てなくても、大事な場面で決断できるってことは凄いことなんだよ。
…この作品を読んでくれてありがとう。
「あ、友ちゃん。ごちそうさま〜」
「え」
そんなやり取りが友達と一部ライバーの間で行われたらしい。事務所に入ってすぐの挨拶らしいのだが、ごちそうさまって、間違えたとしても何かあると申告しているようなものである。
友達とカフェへと向かい、彼女の目的を達成するまで外で待つ。既に時刻は19時を過ぎており、配信が始まりつつあった。ホロジュールを開き、配信予定時刻の確認と感覚を研ぎ澄ます。違和感を感じ、そちらを向けばとあるビルが視界に収まった。うん、鈍るどころか強くなりつつある。仕事の後に神田明神を参拝した際に観た白い狐の様なナニカ。疲れていたからこそ、何かを見てしまったのか。それから手に入れた感覚。近くに配信者が居れば違和感を感じられるようになったのだ。最初の方は、元配信者の私や、時々スタッフとして配信の裏方で動いていた友達にも反応していたためか違和感を感じ続けていたのが懐かしい。今日はマリン船長の3Dライブの日だからこそ、事務所の方角から少量の違和感を得ていた。説明が難しい、言葉にできない感覚なのだ。量という言葉で表現できているのかどうか。私しかわからないのに、何を思い悩んでいるのやら。
「おまたせ〜」
「ん、買えたね。次はどこ?」
どこまでいっても私は私なのだ。彼女達に憧れを持つのはいいが、私も配信者の端くれ。憧れが理解から一番遠い感情だと改めて理解させられる。友達の腕を掴み、彼女を抱き締める。
「ちょっと!?どうしたのっ!?」
「ごめん、急にこうしたくなって…」
…ごちそうさまの意味って、まさか…ね?
友達は料理ができて、少し働き過ぎな愛され体質な私より年上の女性だ。
こんな優良物件、少し前まで彼氏が居なかったことが不思議なくらいなのだ。
「えと、ごちそうさま?」
「え、今日なんで皆そう言うの?」
確信は持てないが、もしや想像したのか?
そうだとしたら、一体誰が…
「ねぇ、皆って誰?」
興味と要求が高まり、彼女の両肩を掴みながら詰め寄ってしまう。私よりも細い手足、私よりある胸部装甲。かわいいのはもはや考える必要すらない。時々闇に触れすぎて病んじゃうとこは私と彼氏さんで支えれば問題はないよね?
「えっと…」
彼女の幸せのためなら、私は動き続ける。友人として、推している人として、関係を知ってしまった私なりの償いというか、ただの欲望。
とりあえずは彼女にしばらくプライベートを優先するように勧めた。さぁ、彼氏さんにあとはお任せだ。
今日も彼女を駅まで護衛する。私の正体を知るものは3人しか存在しない。ましてや、配信者だった事実などもはやこの世界には残ってないだろう。
夕日がビルの間で反射して、まるでスポットライトの様にある場所を照らしている。そこは私の場所ではないよ。それは推し達の場所なのだから、1ファンの私はその周りに入れればいいのさ。裏方万歳。だからこそ、
『ごちそうさまでした!』
私は推仕事を行う。全ては推しのため、自己満足のため。
「すみませんね、この先に行かせる訳には行かないんですよ…」
壁として、ホロメンから彼女を護る。せめて、仕事以外では私達が平和でいられるように。
羽ばたいた蝶は静かに夜の闇に消えていった
箱推し君
ただのファン。とある推しのためホロメンを敵に回す。最終回じゃないからね?まだ続くよ?
友達
私の推し。護るから、私が動ける限り。
宝鐘マリン
私の推しに手を出さない船長には私も何もしないよ?安心してね?
蝶
『修正液を乱雑に垂らした跡がある』
ごちそうさま
妄想だけにしてね。現実になったら私、何するかわからないよ?
推仕事、したことある?
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勿論!
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時々かな
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視聴者でイタイ
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ガチ恋勢ナリ!
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Ahoy!(誤魔化すしかない)