あれは嘘だ
事務所から少しずつ人が減っていく。皆、自宅や実家へと帰っていくのだ。そういう私も、後数時間すれば今年の仕事が無事に終わりを迎えることだろう。多分、きっと、Maybe。
「それでは、良いお年を〜」
「はい!お疲れ様でした!」
年越しライブに参加するスタッフ以外は、殆どが既にこの事務所から去っている。私も当日は視聴者に戻るのだ。多分、見れないだろうけど。伯母に年越しにおいでってお呼ばれしちゃったし。
「……」
「友ちゃん…」
隣の席で気絶してるのは、この年末に増えたホロメンをさばき切れなかった友達ちゃんである。
「最近、すいちゃんの曲ばっかり聴いててさ~」
「へぇ、イイこと聴いちゃった★」
ってすいちゃんに詰め寄られたり、ししろんから貰ったイヤーカフを装備してたのでししろんのドッグタグを貸したらホロメンがざわざわしだしたり、
「さかまたヤバイとか言ってる友達ちゃんはラーメンの出汁にする」
とか
「全身白上装備だよ!」
とメガネ、イヤーカフ、ドッグタグの三種の神器を装備した鮮度のおちた魚の眼で友ちゃん本人が私に報告しにきたり色々あったなぁ…
「友達ちゃんは白上のものなんじゃい!」
「え〜?僕のものだよ〜?」
「今の推しは私!ねぇねぇ、友達ちゃん?すいちゃんはー?」
「……今日も、かわいい、です…」
「ほらー」
今尚、私達の席の後ろにあるソファーで論争を続けているようで、巻き込まれないように注意したい。え?嫉妬してるししろんですか?「もぐもぐライオン」って言ってましたよ?ししろんカワイイヤッター!
「あー!わための友ちゃんが捕食されとるー!!!」
ほら、また増えましたね。箱推し君は静かに離れましょう
「……ニガサナイヨ?」
えっと、友ちゃん?その手を離してもらえるかな?かな?
「道連れじゃーい!」
本番の時刻となり、ホロメンは皆スタジオや控室へと向かって行った。助かった…
「ほら、友達ちゃん?帰ろう?」
「ワタシ、オウチ、カエル」
残るのどか先輩とAちゃん先輩に挨拶をし、私達は事務所を出た。向かうのは最寄りの駅。今年はここまでだ。
「大丈夫そうだね、それじゃあ…」
「うん、アリガト…」
「「良いお年を!」」
それぞれの家へと帰宅するため、既に暗くなり始めた空の下、帰路に着く。
電車に揺られ、最寄り駅に辿り着いた。今年もこれで納となる。あ、忘れてることがあたったや。
「…」
君に、此等を預ける。新年になったら返してね。
「…」
ちょこんと座った白い狐の首に、私の社員証を掛ける。
「…」
そして、狐は何も言うことなく冬の風と共にいなくなった。ああ…寒っ
「さて、伯母様の家に行かなくちゃ」
来年もよろしくね?
箱推し君
インターンにして一般人を名乗るほぼスタッフの女の子。
友達ちゃん
年末にかけて、ホロメンの動画を多数視聴。無事に推しが増え、嫉妬したホロメンがヤキモチを焼くことに。餅が好物。
垂れ流しちゃん
足早に帰路に着き、ライブを視聴中。勿論、全部見ます!
それでは皆様、良いお年を!
今回登場した推しを教えてね!
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箱推し君
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友達ちゃん
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垂れ流しちゃん
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白上フブキ
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星街すいせい
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獅白ぼたん
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猫又おかゆ
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角巻わため
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友人A
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春先のどか