人には、仕事と向き合う為に準備をする者がいる。友達ちゃんから聞いた先輩の話によって、普段店の前を通るだけだった店へ向かう。その時の私は…追い詰められていたのだろう。普段なら何てない事が、私の心に残っちゃって、泣きたくても、吐き出したくても、出来ない状態になっちゃって…
「少しケータリング食べたから、私は少なめかな」
一緒に来た友達ちゃんの声で、券売機を見る。カレー専門店らしいシンプルなメニュー…正直、あんまり深く考えられなかった。直感で選択し購入した食券を店員に渡し席に付く…
「はは、今日はため息ばっかり吐いちゃうや…」
「どうしたの?」
カレーを待つ間、話を聞いてもらう。普段なら逆の立場。私が彼女の話を聞いて、必要があれば意見を投げる。普段の私って、どんなんだっけ?
仮面を被って偽って、そんなの続く訳ないのに…1日だって保ちそうにない今の私には、それに縋りたがった。他人に、そんな弱みを魅せられる人が殆ど居なかったからだろう…
目尻が熱くなる頃、カレーが運ばれてくる。もう少し遅かったら、私は泣いてただろう。ただ、止めることが出来ないそれに、困惑しながらも、スプーンを手に取っていただろう。そんなIFを考えられるくらいには戻りつつあった私に、カレーは安心感をくれた。
友達ちゃんいわく、先輩は仕事の大詰め、気合と腹を満たすためにこの店で食べていくらしい。おすすめのトッピングはヒレカツと角煮。私はそんな話を聞く前に角煮カレーを注文してたため、知らずしておすすめを選択していたらしい。
スプーンで、角煮を解す。柔らかく火の通った肉をスプーンで掬いつつ、ライスと共に頬張る…おいしい。カレーを食べていないのに、角煮を解しライスと食べることを数回繰り返す。カレーを絡めて、食べ進める。止まることなく、邪魔されることなく。
食べきって思ったのは、安定してこの味を提供してるんだなっていう不思議な意見だった。普段じゃあんまり考えない事の為、自分自身で混乱し始める。あぁ…ほんと今日ダメなんだなぁ…
「今日だったら食べられてもいいや…」
「え!?」
ふと溢した言葉に、ラムネを飲んでいた友達ちゃんが反応する。正直に今の気持ちを伝えつつ、外へ出る。
「ご馳走さまでした」
店内に私達だけだったのが幸いだった…ホント、他者の前で爆発したら…
「…暑い」
梅雨の終わりかけの、初夏の日差しに色々と考えをボヤかされつつも、事務所へと戻る。
給湯室で1人、声も出さずに泣いた。
箱推し君
小さなストレスを溜め込み、爆発するタイプ。適度な発散が大事だが、色々と重なり爆発してしまった。
友達ちゃん
時には吐き出すことも大事だよ。
垂れ流しちゃん
泣いているところを1人、人が近づかない様に見張っていた。
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