モモンガさんが大好きな小さな守護神   作:紀野感無

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お待たせしました…(待ってる人がいるかは置いといて





「あのーすいません。見てもらいたいものがありまして」

「はーい少しお待ちください」

エ・ランテルのある薬屋へ来た1人の冒険者がいた。赤髪短髪の女性冒険者でその手には赤いポーションを持っていた。とある冒険者から回復ポーションとして渡されたソレが本物なのかわからず鑑定に来た、と言ったところだろう。

「お待たせしました。それで見てもらいたいものとは?」

「あの、これなんですけど……」

薬師のンフィーレアへ手に持っていた赤いポーションを見せる。途端にンフィーレアの目つきと雰囲気が変わる。

「これ…あのすいません!少しお借りしても⁉︎」

「は、はい。どうぞ」

「……すごいポーションだ。どこでこれを⁉︎」

「え?えーと昨日組合で黒い全身鎧のカッパー冒険者に渡されて…」

簡単に事情を聞いたのちいくつかの鑑定魔法をかけて、それがどう言ったものなのかを客へ伝える前にンフィーレアは奥の部屋にいる祖母の元へ走った。

「なんなの、いったい」

赤髪の冒険者は、これが自分の運命を左右するなど、知る由もなかった。


13話 漆黒の剣

「あの、それでしたら私たちの仕事を手伝いませんか?」

「「?」」

 

声のした方向を見るとそこにいたのは4人組の人間がいた。首に掲げているプレートは銀級を示すモノで一応は冒険者としての先輩に当たるパーティ、ということはわかった。それ以外はモモンさんの後ろからチラ見している程度にはなるけれど最初の印象は『弱そうだな』だった。

 

昨日会った武蔵さんはたっちさんと似たような雰囲気で一歩間違えれば斬られそうな雰囲気だったけど。

 

リーダー格っぽい金髪碧眼の人間と少し痩せ気味に見える金髪で茶色の瞳の人間、杖を持っている魔法詠唱者のような格好をしている濃い茶色の髪と青い瞳の人間、ボサボサとしたヒゲが生えいてがっしりとした体格の人間の計4人の人間。

 

あんまり私から喋る気も起きず、モモンさんの後ろに隠れると()()誰かから見られる。この街に来てからというものの、ずっと誰かから見られていて正直、嫌だ。

 

だけどモモンガさんの横にいるためなら、このくらいはへっちゃらです。

 

「仕事…というのは、やりがいのあることですか?」

 

「はい。やりがいはあると思いますよ。どうですか?お話だけでも聞いていただけませんか?」

 

「そう…ですね」

 

モモンさんはチラと私の方を見てくる。何かを悩んでいるようだった。

 

「……だい、じょうぶ、ですよ」

 

あまり大きな声を出さないようにしてモモンさんへ伝えると、少し考えるそぶりをした後に4人組の方へ向いた。

 

「わかりました。まずは詳しいお話をお聞かせください」

 

そうして受付の人に会議室みたいな部屋を借り、そこへモモンさん達と入る。大きいテーブルを挟み、対面するように座った。

 

「それでは私たちの自己紹介からさせてください。まず私はリーダーで戦士のペテル・モークです。こちらがチームの目でレンジャー、ルクルット・ボルブ」

「はーい。宜しく〜」

「そしてこちらが森祭司(ドルイド)のダイン・ウッドワンダー」

「よろしくお願いする」

「最後がチームの要であり魔法詠唱者(マジックキャスター)、『術師(スペルキャスター)』のニニャです」

「よろしくお願いします。…しかしペテル。その、二つ名で紹介するの、やめません?」

「え?どうしてですか。かっこいいじゃないですか!」

 

術師(スペルキャスター)?」

「聞きなれない言葉ですね。どう言った二つ名なんですか?」

 

聞いたことない職業(クラス)にモモンさんも疑問を持ったようでその理由を聞いてくれた。

 

「あーね、こいつ生まれながらの異能(タレント)もちなんだよ」

「確か魔法適正、とか言って本来習得に一年かかるところを半年で、とかだっけ?」

 

「ほう。それは素晴らしいですね」

 

「はい…本当にこの力を持って生まれたのは幸運でした。夢を叶えるための一歩を踏み出せましたから。そのおかげで少し有名にもなれましたし。…でもまあ、私よりももっと有名なタレント持ちがいますけどね」

 

「ほう?そんな方が?」

 

タレントという能力に関しては以前捕えたスレイン法国のニグンとやらから聞き出せてはいるらしいけれど、詳しく集めないに越したことはない、というのが出発前に決めた方針。で、私たちは遠い国から来たから多少の無知もそれで押し通すというのも事前に決めたことだった。

 

「はい。ンフィーレアという薬師の方なんです。ここだとかなり有名で知らない人はいないほどなんですが。どんなマジックアイテムでも使うことができるという方なんです」

「モモンさん達はこの近辺の方では無いのですね。彼のことを知らないということは…あっ!すいません、余計な詮索を……」

 

「いえ、構いません。ペテルさんのご推察の通り、私たちはつい最近来たばかりなんですよ。

改めて自己紹介をさせて頂きます。私はモモン。一介のしがない戦士です。そしてこちらがナーベ。こちらの方がミアさんです。

 

それよりも仕事についてお聞きしても良いですか?」

 

「あ、はい!…えーと、正確に言うと依頼された仕事という訳ではないんです」

 

「というと?」

 

「この近くにトブの大森林というものがありまして、その近くへ行きモンスターを狩ろうと考えているんです。モンスターの部位を組合へ持って行き換金するんです」

 

「モンスター退治ですか。具体的には何を狩る予定で?」

 

「オークやゴブリン、場合によってはもう少し強いもの…と言いたいんですが」

 

「「?」」

 

急に言葉が止まる。何か不都合なことでもあるのかな。

 

「実はというと、私たちの実力はそこまで高くありません。精々オークとゴブリンの群れをなんとか相手できる、程度です。なので…正直にいいます、モモンさん達と共にできれば森の深い場所にいる少し強いモンスターを狩れるのではないか、と考えています。もしかしたらモモンさん達に必要以上の負担をかけてしまうことになるかもしれませんが、どうか一緒に行っていただけないでしょうか!」

 

「なるほど、事情はわかりました。私としては有難い申し出ですので是非ともお受けしたいのですが…ミアさんはどうですか?」

「わたしは大丈夫、ですよ。もも、さに任せます」

「ありがとうございます。それでは漆黒の剣の皆さん、この依頼喜んでお受けします」

 

「こちらこそありがとうございます!」

 

と、漆黒の剣の4人と共にトブの大森林という森の付近へモンスター狩りをすることに決まった。…流石にアインズさんを脅かすモンスターはいないとは思うけど、警戒するに越したことはない。

 

「それでは、出発するにあたって何か準備しておくものはありますか?」

「そうですね。食料を少し買えば十分です。皆さんはどうですか?」

「僕たちもすぐに出ることができます」

「わかりました。ではこの後すぐに出発するということで構いませんか?」

「はい。勿論です」

 

と、私の横でどんどん計画を立てていく。どんなルートを通ってどんな帰り道を使うか、どこで休憩するかなど。

 

「では最後に、何か質問な疑問などがあれば互いに…」

「はいはーい!俺から質問!」

 

ペテルが喋っている横から弓を持ったチャラそうな男……たしかルクルット?が勢いよく手を上げる。

 

「御三方はどんな関係ですか!特にモモンさんとミアちゃん!もしかして付き合ってたりするんですか!」

 

「ばっ!」

「っ⁉︎ケホッケホッ」

 

そしてまさかの特大爆弾を投げ込まれ、思わず咳き込んでしまう

 

「私達は仲間です」

 

モモンさんが淡々とそう返し、それに関して少し悲しくなったりしていたらルクルットさんが勢いよく席を立ちこちらへ向かって歩いてくる。

 

「惚れました!一目惚れです!付き合ってください!」

 

と、私にではなくナーベラルに向かって手を伸ばした。

 

「黙れナメクジ。身の程を弁えてから声をかけなさい。舌を引き抜きますよ?」

「あ…いや…」

 

「厳しいお断りの言葉ありがとうございました!では、お友達から始めてください」

 

「ウジ虫が……目玉をスプーンでくり抜かれたいの?」

 

「クゥー!その冷たい眼差しがまた…ガッ」

「仲間がご迷惑を…」

 

「い、いえ…」

 

暴走しかけていたであろうルクルットさんをペテルさんが殴って強引に止めることでなんとか場は収まった。……いきなり告白するって、すごい人だなぁ。

 

その勇気を少しでいいから私に分けて欲しいな。

 

 

『アテナさん。そのンフィーレアという人間、かなり危険な存在になる可能性があります。今後そのンフィーレアとやらと会うこともあると思いますが、警戒を怠らないようお願いします』

『わかりました。つかまえたりは、しないんですか?』

『できるなら連れ帰ってしまいたいですが、悪評が立つのは避けたいのでそれは最後の手段でお願いします』

『わかりました』

 

 

 

 

「それでは準備が出来次第出発しましょう」

「ええ」

 

「あ、モモンさん!」

 

「ん?」

「?」

 

ようやく出発かとなったタイミングで受付を担当していた人に呼び止められる。

 

「ご指名の依頼が入っております」

 

「どなたからで?」

 

「ンフィーレア・バレアレさんです」

 

その名前が出た途端、建物の中にいる人間全員が驚く。かくいう私も思わずモモンさんの前に出てしまった。条件反射なのか、さっき危険人物になる可能性があるって言われてたからか、モモンさんを守らなきゃと思ってしまった。

 

そして私以上に前へ、しかも敵意剥き出しにしていたナーベラルはというとモモンさんにチョップされていた。

 

「考え無しに行動するな」

「も、申し訳ございません……」

「お前が私達の身を案じてくれているのはわかるが、もう少し考えてから行動しろ」

 

「初めまして。僕が依頼させていただいたンフィーレア・バレアレと言います。今回…」

 

「申し訳ありません。大変ありがたいお話ですが私達は既に別の契約を交わした身。光栄なお話だとは思いますが」

 

てっきり受けるのかと思うとモモンさんは断っていた。てっきり良い話だから受けると思ってた分意外だった。

 

「モモンさん!名指しの依頼ですよ⁉︎」

 

「そうかもしれませんが、それでも先に依頼を受けた方を優先するのは当然でしょう」

 

「しかし、せっかくの指名を…」

 

「であればバレアレさんのお話を聞いてから考えるということでどうでしょう?」

 

モモンさんの案に一同了承し、先ほどまでいた部屋へ逆戻りすることになった。

 

 

 

 

「改めまして、僕はンフィーレア・バレアレ。この町で薬師をしています。今回、薬草採集のためにカルネ村付近の森まで行くつもりです。それで、そこまでの警護と薬草採集の手伝いを依頼したいのです」

 

「警護…ですか」

 

カルネ村?カルネ村っていうと……私たちが助けた村?

 

『アテナさん、どうしましょうか。受けるメリットは十分にあると思いますし、カルネ村の様子を観に行くこともできますが』

『受ける分は大丈夫だと思います。一応、これでもタンクですから、人1人守るくらいはなんとかなりますよ』

『わかりました。では受ける方向で話を進めます。ですが念のため漆黒の剣もお誘いするつもりなのですが、宜しいですか?』

『はい、勿論です』

 

人との交流をほぼ全部任せているからその辺の文句は言わないです、はい。

 

 

まあモモンさんと2人きりで冒険したかったとか、おもってはいましたけども。

アルベドから抜け駆けしようとか思ってましたけど、何か?




とりあえずプロットでは「漆黒の剣と冒険 4人の生存はお任せ」となっていたので…さてはてどうしましょうかねぇ(ゲス

なお冒険者として出る前にアルベドは嫉妬で燃えそうだったとか(



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