シャルティアたちに起こった真実とは如何に
それではどうぞ
P.S 帝国編と聖王国編を書くことになりました
〜更に3日後〜
「武蔵さんたちが?」
「はい。話をしたいから来て欲しいと」
「わかりました。すぐに向かいます」
冒険者組合へ顔を出し、依頼を受けようとすると受付員に2階の会議室へ向かうようお願いされる。
部屋に入る前にデミウルゴス、アルベド、アテナさんにメッセージを飛ばし、ニグレドには監視を命じる。
3人とも直ぐに駆けつけてくれ、念の為ギルドの指輪は信頼のおける部下へ預けてもらう。
「これからユグドラシルのプレイヤーである『宮本武蔵』という人物と話をする。その補佐をお前たちに命じる」
「「はっ!」」
「基本的に私が話すが、何か気になることがあれば挙手をしてくれ。それ以外で勝手な発言等しないのを約束してくれ」
「畏まりました」
「ですがアインズ様…私達をお呼びになるとは、ご対談の相手はそれほどの人物なのでしょうか?」
「その通りだアルベド。間違っても挑発するなよ?特に相手は、たっち・みーさんと同等の強さを持っている」
「至高の御身であるたっち・みー様と⁉︎」
「それが本当ならば我ら守護者が束でかからねばなりませんね…!」
「そうだ。たっちさんとも因縁が深いことから侮辱するかのように発言するかもしれないが、本当に、間違っても、こちらから戦いを仕掛ける真似はしないように」
2人に何度も、念には念を込めそう説明する。仮に襲ってきたとしたら生きて帰れる保証などないのだから。
「(たっち・みー様と因縁が深く、アインズ様がこれほど警戒する相手…。気を引き締めなくては)」
「(宮本武蔵…報告で軽く聞いてはいたけれど、いったい…)」
「アテナさんも、もし分からないことがあれば挙手をしてくださいね」
「はいっ。わかりました」
アイテム周りも念入りに確認し、ニグレドからも情報系魔法の展開ができたことを聞き、意を決して中に入る。
スパァン!
「「「⁉︎」」」
「……?」
中に入ると同時に派手な音が鳴り響く。
思わず警戒してしまい、デミウルゴスとアルベドも俺を守るように前に。
だが俺の目に映ってきたのは……
「あ、みなさま。少々ここでお待ちください。ええ、お待ちください。少々質屋に用事ができましたので」
酒やら剣やら、とにかく何でもかんでも詰めれるだけ詰めこまれた箱を持ちながら窓から出ようとしている段蔵さん。心無しかこめかみに青い筋が浮かび上がっている気がする。
そして…
「まって段蔵!本当に待って!ねえ待ってってば!そのお酒珍しいやつなの!滅多に手に入んないの!」
その段蔵さんに泣きついている武蔵さんだった。
「剣はいいんですか剣は」
「この2本あるならどうでもいい!」
「ではその2本も売ります」
「はっはっは!笑わせてくれるわね。売らせるとでも」
ガァン!
また豪快な音が鳴り響く。
段蔵さんの手にはいつのまにか鉄の棒が握られていて、床には武蔵さんの顔がめり込んでいた。
「いったい死ぬぅ……」
「この場の誰よりも頑丈な酒豪が何言ってんですか。弱体化デバフでも貰いました?それはそうと売りに行きますので。みなさん1時間ほどお待ちくださいね」
そう言いながら段蔵さんが窓から飛び降りた。
と思った次の瞬間には部屋の中に戻っていた。
「チッ。スキル妨害は効きませんでしたか」
「この程度で妨害されるわけないじゃん?」
「あのー…」
痺れを切らし声をかけると、2人はこっちを見ながら何かを考え、段蔵さんがアイテムをしまってから席に着く。
それを確認してから最初にアルベドが、次にデミウルゴス、俺、アテナさんの順にテーブルの周りに座っていく。
「大変お見苦しい所をお見せしてしまい申し訳ありません。モモンさんに……えーと、他の御三方の名前をお聞きしても?」
「はい。こちらの女性がアルベド。その隣がデミウルゴス。そしてアテナさんです。それで…改めてお話とは一体どのような内容でしょうか?」
恐らくシャルティアとブリュンヒルデのことだろう。
報告を聞く限り…というか赤い派手な着物と二本の刀を持った女剣士とまで言われてこの人以外に思いつかない。たっちさんと同格のこの人がブリュンヒルデに遅れをとるわけがないし。
「ええ。そうですね。まずは…」
段蔵さんが鋭くこちらを凝視し…
「この度はうちのバカがたいっっっっっへん、申し訳ありませんでした!」
ゴォン!「ヘヴッ⁉︎」
頭を思い切り下げ、同時に武蔵さんの後頭部を掴み机に叩きつけていた。
顔面から鳴ってはいけない音が鳴り響いていたような気がするが、うん気のせいだろう。
「…?なにか、わたしたちに、したですか?」
「そうですよ。突然謝られましても、私たちとしては何のことかさっぱりです」
「理解している上でのその反応なのですね。わかりました。順を追って説明します」
「まず。私たちはとある依頼で郊外の森の近くにいました。ギルドが通達を出しモモンさんが討伐に向かったというヴァンパイアのホニョペニョコとやらが現れた場所の近くです。率直に言いますと、私たちはそのヴァンパイアたちと遭遇しました。その時にこのバカはですね…
『ねえあれブリュンヒルデだ!絶対ブリュンヒルデだ!てことは私みたいなオタクプレイヤーが他にいるってことだ!ちょっとナンパしてくる!』
とかほざきながら鼻の下を伸ばして意気揚々と立ち向かったんですよ!しかも自分から『明らか強いやつ見えたら逃げるよ。アインズ・ウール・ゴウンとは面倒ごと抱えたくないし』とか言ってたくせに!」
ズガァン!「あだっ⁉︎」
「「「「は?」」」」
段蔵さんは怒りが限界突破したのか、拳を武蔵さんの頭に振り下ろしながらそう叫んでいた。あまりの気迫に俺たち全員、素っ頓狂な声を出してしまったが。
「ああすいません。つい…。話を戻しますと、私たちを襲ってきたのは2人。それぞれ『シャルティア』『ブリュンヒルデ』と呼び合っていました。シャルティアと呼ばれていたヤツメウナギ…ヴァンパイアの方は向こうから襲ってきた為、私たちと共に行動していた依頼人が対処をしました。結果としてはボロ負けでしたがね」
「ふむ…その依頼人についてお聞きしても?」
「当然の疑問だとは思いますが…申し訳ありません。契約上お話しすることはできかねます」
「わかりました。続きをお願いします」
当然だよな。アダマンタイト級になった後に軽く調査した時、エ・ランテルの冒険者組合は武蔵さんがここに居ないのを知らなかった。
つまりここ以外の場所に住んでいながら、直接この人たちに依頼ができるほど立場が上の存在、と言ったところだろうか。
「そのシャルティアとやらはこのバカ以外の全員でも対応できておらず、仲間が次々と殺されていき、依頼人の1人が奥の手を使ったのですが……残念ながら失敗に終わりました。それについてはモモンさんが一番よくわかっていると思います」
「ええ。精神支配され、簡単な命令さえも与えられないまま放置されていました。殺すことなく精神支配を解きたかったのですが残念ながら不可能でした。
それに隠す必要もないと思いますが、ホニョペニョコというのはナザリックとは無関係だと誤魔化すための咄嗟に思いついた偽名です。あなた方の察している通り、私たちが倒したのはシャルティアとブリュンヒルデです」
「ふむ。と言うことは、やはりあの2人はアインズ・ウール・ゴウンに属する者ということですね?」
「その通りです。この事は内密にお願いします。でなければ…私達も手を打たなければならなくなりますから」
肯定した瞬間、段蔵さんは項垂れながらどんどん生気が抜けてった。
「あぁー、終わった…」
「なーに心配してんのよ!私が守ってあげるじゃないのだーんぞっ!」
「モモンさん、このバカを差し上げますのでどうか私の命は見逃してくださいませんか」
「なんでよ⁉︎」
「今まで共に生きてきて200と余年。数多の無茶振りをなんとかこなしてきましたが、いくら何でももう無理です!実家に帰らせて頂きます!」
「やばい段蔵が壊れた!落ち着いて!実家は無いでしょ!死亡フラグにしか聞こえないわよ!」
「……あなたのせいでは?」
アルベドもデミウルゴスもポカーンとしながら2人を見つめていた。
かくいう俺も呆れすぎて何も言えなくなってしまったが。
「幾つか質問してもよろしいでしょうか?」
何とか思考を取り戻したであろうデミウルゴスが手を挙げ、全員が注目する。
「ええ、どうぞデミウルゴスさん」
「ありがとうございます。最初に確認をしておかなければならないのですが……
あなたがたの依頼主がシャルティア、ブリュンヒルデと戦ったのは偶然なのでしょうか?それとも最初から私達の誰かを標的にしていたのでしょうか?」
「その2択でしたら、おそらくは前者だと思われますが断言はできません。私達はとあるモンスターを討伐するから手を貸して欲しいと依頼を受けただけですので。ただ討伐しようとしていた相手があなた達の誰かの可能性はゼロではない、と言ったところでしょうか」
「では、依頼主は何処の国の人間でしょうか?」
「先ほども言いましたが、それには答えられません」
「わかりました。では最後の質問になります。実はシャルティア達を精神支配した人間と装備は私達が回収しています。この人間は私達の好きにして構いませんね?」
デミウルゴスの言葉に思わず息を呑んでしまう。
あまりにも攻めた質問ではないのか?と。
遠回しに『もしもの時はわかってんだろうな?』と喧嘩を売っているようにしか聞こえなかった。
だけど…
「ええ勿論。お好きにどうぞ。私達は一夜限りの依頼主と護衛の関係でした。その後どうなろうが私たちの知ったことではありません。ですよね?バカ酒豪」
「いぇーーす、あい、どぅー」
「ふんっ」
「あだっ⁉︎」
だけど一切気にしてる素振りはなく、俺もデミウルゴスも驚いていた。
「これについては以前も申し上げたと思いますが、私たちはあくまでも中立。どこの組織にも属さない。身にかかる火の粉は払う、ただそれだけです。もしあなた達が、ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』が私たち『英雄の集い』へ、強引に言う事を聞かせたいなら、一つだけ方法があります」
「…と言いますと?」
この2人に喧嘩を売る気はないが、一応問いかけてみると段蔵さんは淡々と答える。
「簡単です。力づくでねじ伏せれば良いのです。ま…このバカに勝てるのなら、ですけどね」
「ねえ待って段蔵。それ私が戦ってる間にトンズラしようとしてない?」
「チッ」
「考えてたなお前⁉︎」
たっちさんと同格のこの人をねじ伏せる…どんな無理ゲーだよ。第八階層の『あれら』が必須レベルじゃないか。
「私からもいくつか宜しいかしら?」
頭の中で情報整理していると今度はアルベドが手を挙げる。
「はいどうぞ」
「以前、アインズ様とアテナ様が貴女達と出会った時のことは私達も情報共有しています。
だけれど、その時に貴女たちは私たちがどのような存在なのか興味がないと、そう言っていたのは間違いないわよね?」
「ええ」
「だとしたら少しおかしいわね。今までの話から推察すると、貴女達はナザリックを警戒して動いているのは間違いないわ。中立を貫くと言う割には、行動がチグハグじゃないかしら?」
「当たり前じゃん。あんなわっかりやすく悪を掲げてたギルド。面倒ごとが起きる未来しか見えないし。逆に警戒しない理由何よ」
「…ちょっと黙って酒飲んでてください」
「えー?でもどーせバレてるしいいじゃん」
「そう言う問題ではありません」
「悪魔…いや、夢魔?サキュバス?のおねーさん。その通り。私達はお前達『アインズ・ウール・ゴウン』には、ぶっちゃけ関わりたくないのよ。いつ後ろから刺されるか分かったもんじゃないし。そんくらい自覚してるでしょ?それが気に入らないなら……段蔵の言ったように力づくで私たちをねじ伏せてみたら?」
武蔵さんが急に殺気をだし、デミウルゴスとアルベドは戦闘態勢に。アテナさんも俺を守れるような立ち位置へ。
その3人をなんとかなだめ、座らせる。
「武蔵さん。むやみやたらに刺激するのはやめてください」
「じゃあちゃんと手綱を握っときなよ。
私たちは中立。何者にも属さない。言うことを聞かせたいなら力づくでやればいい。私たちの掟は『中立でいること』と『弱肉強食』。
こちらからケンカは売らないけど、相手から喧嘩を売ってくるなら全力で叩き潰す。それが私の、引いては『英雄の集い』のポリシーよ。…ま、それはそれとしてゲーム時代のあんたら評判クッッソ悪いんだから警戒されんのも当たり前でしょ」
「ですが前に話した時は私たちのことをあまり知らないような素振りではありませんでしたか?」
「……?……あ。やべ」
「はぁ…だから黙っててくださいと……」
その瞬間、武蔵さんの顔が『やらかした』みたいな顔になった。
「モモンさん。初めてお会いした時に話していた内容、覚えておられますか?」
「ええ。もちろん」
段蔵さんにそう言われ強く頷くが、別にあの時は変なことは何も言っていないような…。
「その時に私はこう言ったのも覚えていますか?『この通りアホなので、あまりこの人の言葉は鵜呑みにしないでください』と」
「……。まさかとは思いますが」
嘘だろ?ずっとホラ吹いてたってことかこの人。
「そのまさかです」
「いつから…」
「この阿呆があなた様を斬りつけたときからですね」
「あ、でもたっちに関しては全部本音。あんのクソカマキリリア充。こっちにいたら絶対に斬り刻んでやる!」
「「ッ!」」
武蔵さんの言葉にアルベドとデミウルゴスの雰囲気が変わる。それを宥めてる間に武蔵さんの顔を見てみるが、気づいていないのか、はたまた気づいた上で流しているのか涼しい顔で酒を飲んでいた。
「さて…これで大方、聞きたいことは終わりでしょうか?」
「最後に一つ…いえ2つほどよろしいですか?」
「はい。どうぞ」
「貴女たちは他のプレイヤーについて何か情報は持っていますか?」
「いいえ。残念ながら現存するプレイヤーに関しては殆ど持っておりません。ですが…【八欲王】という名前を聞いたことはありますか?」
「いえ。俺はそこまで把握していません。2人はどうだ?」
「セバスからの報告で目にしたことがあります。確か500年前に突如現れ、六大神とやらをほとんど殺した、だったかしら?」
「私もアルベドとほぼ同じ情報を持っております」
「ふむ…。ではモモンさん。ユグドラシルの時に空中庭園を拠点にしたギルドに心当たりは?」
「っ⁉︎」
段蔵さんの口から出てきたのは予想外すぎる情報だった。
まさか…
「どうやらあるようですね。ご察しの通り、八欲王とは空中庭園を拠点にしたギルドです。とある情報筋からのものなので、確実です」
「その空中庭園は、今どこに?」
「わかりかねます。私たちがこちらの世界に来た時に、奴等は既に滅んでいましたから」
「そう…ですか」
これはかなり有益な情報だった。下手すればナザリックを総動員してでも対抗しなければならない相手だった。
「二つ目の質問はなんでしょう?」
「単刀直入にお伺いしますが、『英雄の集い』の他のメンバーの方はいるのでしょうか?」
「何故そのようなことを?」
「私達としても貴女達…特に武蔵さんと事を構える気は全くありません。その為、こちらに転移した『英雄の集い』のメンバーをこちらのシモベにも周知させておきたいのです。現に今回の事件はシャルティアたちに貴女たち……特に武蔵さんのことを周知させていなかったのも原因の一つですから」
「ふむ…。どうします?」
「別にいいんじゃない?私としても個人的喧嘩ならいざ知らず、ギルド単位で歯向かってくんの面倒だし」
「わかりました。では…正直なところ、わかりません」
「え?」
え?同じクランメンバーなのにわからないってどういうことだ?
「貴女たち以外のメンバーは転移しているんですか?」
「ええ。私たちと共に転移したのは他に3名ほど。他は分かりません。転移した3人についても、200年前に方向性の違いから解散して以降、会っていませんので。生きてるのか死んでるのか」
「…方向性の違い?」
「はい。考えても見てください。いきなり見知らぬ土地に放り出されて冷静でいられると思います?」
「無理ですね」
「でしょう?だから元の場所に戻る術を探そうとしていたのが他三名。遊び倒そうぜって方針にしたのがこのバカ1人。ならば…どうなるかは自明の理でしょう?特にクランのリーダーが
「段蔵からの扱いが酷い件について」
少なくとも3人はプレイヤーが現存している可能性がある。それがわかれば十分だ。
もしかしたら…他のみんなもこっちに転移している可能性もゼロじゃない。
「では、最後に改めてお聞きします【英雄の集い】のお二方。私たちと協力関係を結びませんか?」
「やだ」
「だそうです」
「お前っ…!至高の御身であるアインズ様の…」
「アルベド!勝手な発言をするな!」
「ッ、申し訳ありません」
「わかりました。ですが、時々でいいので情報交換をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「……まあ、それくらいなら」
「酒と美少年美少女連れてきてくれるならいくらでもいいよん」
「わかりました。私たちからの提案は以上になります。改めて様々な情報を提供してくださりありがとうございました」
「いえこちらこそ。この度はこのバカがほんっっっっっとうに、大変申し訳ありませんでした」
ズガン!「あぎょっ⁉︎」
最後にまた盛大な音を武蔵さんの頭から鳴り響き、対談は終わりを告げた。
おい誰やオバマスでアルシェ来たら救済ルート書くとか言った奴
それでものの見事に出してしまった作者は誰だ
はい私です(リア友に引かせたはずなのになんで…
てことで帝国編を書くことになりました
あとはプロット主から聖王国編を書けと言われましたので……はい、書きます。
が、頑張る(小声
アルシェおよびカルカ聖王女様の救済ルート 頑張ろうね!(他人事
それでは読んでくださりありがとうございました
感想や評価など書いてくれると嬉しいです
特に書くことない人は…救済ルート書いてほしい人の名前でも投げてください(