モモンガさんが大好きな小さな守護神   作:紀野感無

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「…あ、デミウルゴスから、連絡来たよ。いこうエントマ」
「ハッ!」

エントマの頭を撫でながら、ついでに近くにいたメイド達も交えて色々と話を聞いている最中、作戦名『ゲヘナ』の最終段階に入った事を知らされる。

「それじゃあみんな。お仕事、がんばってくださいね」

転移門(ゲート)を潜り、デミウルゴスと合流する。作戦内容を念密に確認し、仮面をつける。

「じゃあ、頑張ろうみんな。デミウルゴスの作戦、無駄にしないようにね」

メイド悪魔という設定で出てきていたプレアデスのみんな(ナーベラルを除く)とともに、デミウルゴスの後ろについていく。

さて…がんばろう。
本当に、ヘマしないように。デミウルゴスの顔に泥を塗るわけにはいかない。


ゲヘナ後半 すれ違いの嵐

 

 

「さて…確認するがここは安全なのか?」

「勿論でございます。ニグレドの協力により情報対策は万全にしております。またアテナ様もお力添えをくださり、より強固な守りに仕上がったと自負しております。ここを盗み聞きできる存在はおりません」

 

現在、とある廃屋の中でアインズさん、デミウルゴス、マーレと一緒に合流する。テイとしては戦闘中のイザコザで私がここまで吹っ飛ばされ、それを追いかけた、みたいな感じらしいです。

 

いやぁアインズさん強くなってるね…。近接戦闘ですら私が負けるの時間の問題じゃないかな。

 

「アテナさんからデミウルゴスの計画については大まかに聞いてはいる。しかしお前の口から改めて聞かせてくれ。齟齬があってはならないからな。今回のアテナさん登場のように」

「あぅ…ごめん、なさい」

「お待ちくださいアインズ様!私の不甲斐なさのためにアテナ様へご協力をお願いしたのです!叱るのでしたら私を!」

「違う違う。怒っていないから安心しろ。単に驚いただけさ。それはそれとしてアテナさんにも戦闘を評価してもらう良い機会になった。感謝するぞデミウルゴス」

 

この辺りでまた感極まってたりしたけど、閑話休題といこう。なぜかと言うといつも通りだから。

 

「まず、今回の作戦についてですが、私『ヤルダバオト』はとあるアイテムを狙って王都を襲撃した、ということになっております。そして『ヤルダバオト』を魔皇の座に就かせたいと思っております。この事から発生する利点が5つほどございます」

 

え、そんなにあるの?

 

「ほう?2つ程度だと思っていたが」

 

「おお…!初めてアインズ様に知恵比べで勝てたように思えます!」

 

「そんな事はない。お前はいつだって私に勝っているさ。あの時にも言っただろう?お前は私よりも遥かに優れている頭脳を持っているんだ。もっと自信を持て」

 

そしてまたデミウルゴスが(以下略)

 

「で、では利点についてのすり合わせといこう。まず一つ目についてだが…」

 

「はい。まず第一にこの倉庫区にある全ての財を頂きます」

 

「(おお素晴らしい!これでシャルティアとブリュンヒルデに使った費用をいくらか取り戻せる!)」

 

「第二は、アインズ様がご指示なされた『八本指』の襲撃を誤魔化すためです」

 

「そういえば、アイテムを回収するのが目的と言っていたな」

 

ちなみに『八本指』というのは以前にセバスが保護していた人間に関わってきていまして、なぜ襲撃を命じたかと言うと、アインズさんが保護を約束した次の日にその人間を連れ去ったからです。

これにはアインズさんも激おこになって、ナザリックの顔に泥を塗りやがって奴ら絶対許すまじ、となった為に襲撃することになりました。

 

八本指の方々、ドンマイ。自業自得。

 

「こちらをご覧ください」

 

デミウルゴスが取り出したのは多くの腕を持つ悪魔の彫刻。その手には様々な色の宝玉が装飾されていた。

 

「このアイテムに付与されている魔法は第十位階魔法『最終戦争・悪(アーマゲドン・イビル)』です」

 

「悪魔を大量召喚する魔法か。ウルベルトさんが好きな魔法だったな」

 

「このアイテムを狙って、ヤルダバオトは八本指の拠点及び王都を襲撃した、と言うことになります。ウルベルト様がお作りになられたアイテムですが……ここで使うべきでしょう」

 

「ふむ…」

 

デミウルゴスの顔にわずかながら葛藤が見えたのか、アインズさんは少し考えこみ、別の似たようなアイテムを取り出す。

 

「デミウルゴスよ。代わりにコレを使うといい。同じくウルベルトさんが作ったアイテムだ。試作品で廃棄する予定だったものを私が貰い受けたんだ」

 

「そんな…!アインズ様のお手持ちを使うなど!」

 

「そうか?ならばデミウルゴスにやろう。普段の忠義への礼とでも思え。しかし、ウルベルトさんも自分の失敗作がいつまでも残っているのは、恥ずかしいかもしれんぞ」

 

「……ッ!ありがとうございます!」

 

「よせ、そんな大層なものじゃない」

 

「いえ!我ら守護者は御方々に創られた存在。ならば消滅するその時まで御身のために忠義を尽くすのが当然です。にも関わらず!繰り返しお慈悲ある御言葉をかけてくださり、尚且つこれほどの褒美を頂けるとは!このデミウルゴス、より一層の忠節を、捧げさせていただきます!」

 

いつもの(以下略)

けど欲しい言葉を適切にかけてあげるアインズさんもアインズさんだよねこれ。やっぱり上に立つ人って何が欲しいのかを見極める力が凄いのかな。今度私も教わろうかな。

 

「デミウルゴスよ。言う事は別にあるだろう?」

 

「ハッ!失礼しました。これは八本指の拠点の倉庫から発見される手筈となっております」

 

「それで、三つ目の利点は?」

 

「はい。炎の内側にある人間の大半を連れ去りました。既にナザリックへ運び込み、様々な用途に使用できれば、と考えております」

 

えっ?そうなの?結構えげつないこと考えてたんだね。

 

 

けどまあ…どうでもいいか。

 

 

「それは老若男女関係なく、か?」

 

「はい」

 

「……。デミウルゴスよ。ナザリック地下大墳墓、及び私とアテナさんへ無礼を働いていない人間には、苦痛なき死を与えよ」

 

「なんと慈悲深い…!承知致しました」

 

「となると、四つ目の利点は…」

 

「これらの悪評を『ヤルダバオト』に受けていただきます」

 

「……なるほど。悪評を立てること自体が目的か。(モモンの名声を高めるのに使えるな)」

 

「はい。その通りでございます。そして最後に五つ目の利点についてですが、マーレのおかげで素晴らしい副産物を得ることができました。これにより今後、聖王国でとある実験をする際に、とても動きやすくなりました。また、アテナ様と冒険者『ミネルヴァ』を改めて切り離すという目的もございます」

 

「ほう?」

 

「実は、まだ作戦の打ち合わせが済んでいないのですが、アテナ様に聖王国へ赴いて頂きたいと考えているのです」

 

「えっ?そうなの?」

「……デミウルゴスよ」

 

「アテナ様の身に危険が及ばない為の策を幾重にも張り巡らせる予定でございます!勿論作戦が詳細に決まり次第、アインズ様とアテナ様へご報告を致します!ですが、現段階では不確定要素が多すぎる為、まだ報告すべきではないと考えていました。私の浅慮によりご不快を与えてしまい申し訳ありません!」

 

「ああ…いや、うん。そうだな。アテナさんを外へ出すと言うのは私もできればして欲しくない。だが……。……。

デミウルゴスよ。お前はその作戦が必要だと、そう考えたからこそ立案したんだな?」

 

「はい、その通りでございます」

 

「ナザリックの利益になると?」

 

「もし成功すれば、多大な利益が得られる、そう確信しております」

 

「……。わかった。では作戦が決まり次第私たちへ連絡をしてくれ。アテナさんと共に作戦会議としよう」

 

「畏まりました!」

 

「話が逸れてしまったな。デミウルゴスよ。この作戦中に私たちに手伝って欲しいことなどはあるか?」

 

「あとは私を撃退していただくだけで、問題ございません。またアテナ様の仮面は壊れやすいよう耐久値を限界まで落としております。それが割れたタイミングでアテナ様は動きを止めるよう、お願い致します」

 

「わかった、がんばる、ね」

「アテナさんを極力傷つけずに仮面だけを壊す…か。デミウルゴスもなかなか難しい注文をする」

「だいじょーぶ、です。アインズさんにはまだ難しいですかね?」

「言いましたね?後で泣きべそかかないでくださいよ?」

 

……善処します!

 

 

 

 

 

 

〜数日後〜

 

作戦『ゲヘナ』はデミウルゴス曰く、完璧に遂行できた、とのことです。今日はその報告会も兼ねてみんなに玉座の間に集まってもらってる

 

『アインズさん、本当に毎回思うんですけど……』

『言いたい事はわかります。でも彼らにとっての儀式みたいなものなので受け入れてあげてください』

 

アインズさんとこっそりメッセージでやり取りしながら目の前で行われている忠誠の儀を見る。何度も何度も見ているので流石に慣れはしたけども、でもやっぱり…ほら、なんというか。心苦しいというか…。

 

「皆、集まってくれて感謝する。まず初めに、何人か名前を呼ぶので私の前へ」

 

アインズさんが読み上げていくのはワルキューレ三姉妹のオルトリンデにヒルド。プレアデスからセバスとソリュシャン、エントマ。守護者からはデミウルゴスとシグルド、パンドラズ・アクターが。

 

「さて…まずはワルキューレから。オルトリンデよ。エ・ランテルにおけるお前の活躍は素晴らしいものだった。あらかじめ伝えておいた通り褒章を与える。ヒルドはシャルティア、ブリュンヒルデを精神操作したアイテム及び使用者を確保してくれた。

よってお前も褒章を与えるべきだと判断した。望むもの全て…は難しいが出来る限りのものを用意しよう」

 

「そんな…!シモベとして当然のことをしたまでです!」

「そ、そうです!それに私はお姉様とシャルティア様を危険だと知りながら……」

 

「これは決定事項だ。気にする必要はない。それと、配下の無欲は時に主人を不快にすると知れ」

 

2人はしばらく悩んだ末、オルトリンデは『ブリュンヒルデと共にマスター…アテナ様のお世話をしたい』と言い、ヒルドは『アインズ様とマスターに撫でて欲しいです!』と元気に言っていた。(アルベドの顔がすごいことになってたのは、多分きっとおそらく気のせいだろう)

 

「わかった。後ほど連絡をする。では次にセバスとソリュシャン。お前たちの働きにも褒賞を与える。何を望む?」

 

「わたくしは…ツアレの生活必需品を頂きたく存じます」

 

「ふむ…私の手持ちから出しても良いが?」

「それなら私も、何か出そうか?」

 

「いえ、そこまでの高望みはできません。王都で仕入れようと思いますので、その為の資金を頂けたら幸いです」

 

「わかった。必要とあらばツアレを連れて行っても良いぞ」

 

「よ、よろしいのでしょうか…⁉︎」

 

「構わん」

 

「ありがとうございます…!」

 

「(いくら独身の俺でもデートの邪魔はできないよなぁ)」

「(私もアインズさんとデートしたいなぁ)」

 

はっ。だめだめ。集中集中。

 

「ではソリュシャンは何を望む?」

 

「……。生きた人間を何人かいただけると幸いです。さらにそれが無垢な者であるなら、この上ない喜びにございます」

 

「ふむ…よかろう。ただし無垢な者は却下だ。お前の望み全てを叶えることのできない私を許してくれ」

 

「滅相もございません!」

 

「さて…エントマよ」

 

「ハッ」

 

「未だ声が戻っていないようだな」

 

「オ耳障リデゴザイマショウカ」

 

「そんなことはない。お前もよく働いてくれた。何か望みはあるか?」

 

「デシタラ…アノ小娘ヲ殺ス機会ガ有レバ、是非トモ私ニ御命令ヲ。アノ者ノ声ヲ奪ッテヤロウト思イマス」

 

「ああ…あの仮面をつけた小娘か。わかった。時が来たらお前に必ず声をかけよう」

 

「アインズ様ノ御慈悲ニ、感謝致シマス」

 

これで残るは階層守護者のみんな。にしても私ほとんど喋ってないけどいいのかな。

 

「デミウルゴス。お前はこれまでも多大な働きでナザリックに貢献してくれた。特に、先の作戦では見事な活躍だった。よって見合った褒賞を与えたい。何を望む?」

 

「アインズ様、わたくしはあの時に十分な褒賞を頂けました。ですので…私の代わりにマーレへ褒賞を与えていただけないでしょうか?」

 

「ふむ?」

 

「作戦『ゲヘナ』では、マーレの働きによって想定以上の利益を得ることができました。ですので、是非とも褒賞を与えるのならばわたくしではなくマーレへお願い致します」

 

「……わかった。ということだマーレよ。こちらへ」

 

「は、はいっ!」

 

と、少し想定外のことが起こりはしたけども、全員から欲しいものを聞くことには成功していた。

 

マーレは『え、えーと、えーと…寵愛…じゃなくて、ボクもアインズ様とアテナ様に撫でて…欲しいです』と言い(最初のほうよく聞こえなかったけど)

シグルドは『ブリュンヒルデ及びシャルティアの減刑を望みます』と。

パンドラは『もっとアインズ様、アテナ様とお話をする機会をいただきたく存じます!』とめっちゃ元気よく言ってた。

 

 

……寵愛って、どゆことなんだろう。後で調べてみよう。

 

 

 

「皆の者。一度下がれ。そしてナザリック最高峰の智者であるデミウルゴス、並びに守護者統括アルベド、そしてパンドラズ・アクターよ」

 

「「「ハッ!」」」

 

「当初の計画の大半が終了したわけだが、今後ナザリックがどう動くべきかの方針を語れ。それと他に案がある者は手を挙げることを許す。そのためにもデミウルゴスよ。最終目標及び現在の状況を詳しく皆へ説明せよ。とりあえずナザリックが王国へ対して行ったことからだな」

 

「畏まりました」

 

『さてと。俺たちもちゃんと聞いておかないとですね』

『そうですね。他のギルドメンバーの人を集めるって話…でしたよね?』

『はい。安住の地さえ作ることができれば探し易くなりますし。王国へ行ったことも、俺は正直何のためにやったのかよく分かってませんから』

『大丈夫!私もです!』

 

いやだめじゃないですか、とツッコミをもらい、メッセージ内で笑いつつデミウルゴスの言葉はしっかりと耳を傾ける。

 

「諸君!マーレ達の働きにより『八本指』の長は全て服従した。これにより王国の裏社会は今後ナザリックが支配できるだろう!」

 

「「……ん?」」

 

「これによって、アインズ様、アテナ様の主なる目的である世界征服の足がかりが得られる!分からなかった愚か者はいないね?」

 

「「(えっ?)」」

 

 

 

 

えっ??




次回 波乱(笑)の会議

アテナ「どどどど、どうしましょう何でこんなことに」
アインズ「…………(諦めの顔)」


前日譚は次で終わりですかね。
頑張りますます

それでは読んでくださりありがとうございました
感想や評価などくださると嬉しいです
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