モモンガさんが大好きな小さな守護神   作:紀野感無

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パンドラ「アテナ様、何故に前回のアンケートで私を省かれたのですか?」
アテナ「前回やったからお休み」
パンドラ「ノォッ⁉︎」

感想をもらって、脊髄反射でこんな風景が浮かびました。



〜〜

「お待たせ致しましたアテナ様」
「うん、突然なのに、ありがとうデミウルゴス」

第七階層の灼熱神殿を訪れる。相変わらず、すごい風景だなぁ…。火山の噴火とかを意識したって言ってたっけ…。

「して、本日はどのようなご用件で…?」

「だいじょうぶ、何か悪いことがあったわけじゃないよ。ちょっとお話ししたいなって」

溶岩の川から出てきたアビサルスライムの『紅蓮』に、パンドラからおすすめされた燃料にもなる鉱石をあげながら、デミウルゴスが用意してくれた椅子に座る。

「それでね、まずはデミウルゴスにお礼を言いたくて来たんだ」

「私に…ですか?」

「うん。私がシャルティアたちと戦ってた時のこと、シグルドから聞いてね。死罪になってでも私達を助けようとしてくれたって」

またその場に跪こうとするので、無理やり椅子に座らせ、続けて言葉を発する。

「それを聞いた時、本当に嬉しかったんだ。あんな身勝手なことをして、みんなの気持ちも考えずに突っ走った私のことを、凄く大事に想ってくれてたって」

「とんでもございません!シモベならば皆、同じ気持ちになるかと!」

「それでも、嬉しかったんだ。だからね、デミウルゴス。私もその気持ちにもっともっと応えてあげたいの。アインズさんみたいに欲しい言葉やご褒美をあげれるわけじゃないけど……」

「何を仰いますか!アテナ様のその御気持ちだけでこの上ない喜びにございます!」

「う、うん。でね、もしよかったら、今後デミウルゴスが活躍した時とか、私の知ってるウルベルトさんの話とかしてあげ……って、どうしたの?」

「い゛、いえ゛っ、アテナ様!このデミウルゴス、今後とも更なる忠誠を!誓わせて頂きます!」

「えーと、うん、ありがとう?」


本日のお話

感極まったデミウルゴスが泣き崩れた為、中断


1話 裸の付き合い

「回覧板?」

「はい。男性のシモベと女性のシモベで分けて作ってみました」

 

仕事中にアインズさんが訪ねてきて、内心ヒャッホイとなってると一つのバインダーを渡される。アインズさん曰く「回覧板」らしいけど…。えーと……。

 

「これって、何をすれば、いいですか?」

 

「女性同士にしかわからない様な相談事を書いてもいいですし、他愛ないけど他の人に話したい様なことを書いてもいいです。よほど変なことじゃなければ自由に書いて次の人、アルベドに渡してください。安心してください、俺や他の男性守護者たちは見ませんから」

 

「でも、これなんのため、ですか?」

 

「えっ?」

 

「えっ?」

 

リアルでも特にみたことないものだったので尋ねただけなんだけど……。アインズさんにとっては知らない方が不自然だったりするのかな。

 

「アテナさんはリアルで使ったことや回ってきたことは?」

 

「こういうの、特になかったです。わたし、一人暮らしで、あんまり周りの人、関わってなかった、ですから」

 

「あー……そういえばそうでした。ごめんなさい、失念してました」

 

と、私のリアル事情を思い出したのか謝罪されるので慌てて止める。それから最初の1ページ目に大きく『4時間後にみんなお風呂に集合』と書き、後は自由に書いてくださいと教えてもらい、一旦解散となった。

 

 

 

 

「……ん?あれ、みんなでお風呂……混浴ってこと⁉︎え、ちょっと待って心の準備が…!」

 

「守護者のみんなとお風呂、楽しみだなぁ」

 

勿論、混浴なんて(そんな)ことは無いのである。

 

 

 

 

〜4時間後〜

 

「えっ、混浴、違うですか⁉︎」

「当たり前でしょう⁉︎」

「そんなぁ…」

「俺の理性が持つわけないでしょうが⁉︎」

 

温泉の暖簾(のれん)前にアインズさんと一足早く集合し、私の盛大な勘違いを指摘される。

もう4時間ずっと悶々としてた私が余計に恥ずかしくなってしまう。

顔あっついよ……。

 

「アインズ様、アテナ様。お待たせ致しました」

 

最初に現れたのはアルベド。それに続くようにアウラ、マーレ、シグルド、ブリュンヒルデ、コキュートスetc……。いつもの階層守護者のみんな、それに加えてワルキューレ三姉妹、パンドラが集まった。

 

「よし、皆集まってくれたことだ。早速温泉に入ろう」

 

アインズさんの掛け声でほとんど綺麗に男女で分かれる。そしてアインズさん達とアルベドが共に……っておい。

 

「アルベド…?お前は女湯だろう?」

「そ、そんな殺生な!ここまできたのにでございますか⁉︎」

「あー……。アテナさんの機嫌が最高に悪くなる前に早く向こうへ行きなさい」

 

やだなぁアインズさん。私、そんな不機嫌になってないですよ。ほんとですよ。

 

 

え?いま手に出した槍ですか?アイテムボックスからタオルを取り出そうとしたら間違えて出してしまっただけですよ。

 

ほんとですよ わたし、うそつかない

 

 

「あ、あー。アウラよ。お前を女性陣の見張り役へ任命する。特にアルベドが暴走しないよう注意してくれ」

「わっかりました!お任せください!」

 

今度こそちゃんと男女に別れ、更衣室へ入っていく。

相変わらず凄い作りだなぁ……。

 

「マスター……失礼、します」

「うぇ?着替えくらい、できるから。大丈夫、だよ?」

「いえ…アインズ様からのご命令ですから…。お気になさらないでください」

 

と、ブリュンヒルデが着替えを手伝おうとしてくる。

何度か自分でやろうとしたけど、最終的に押し切られてしまい、そのまま流れに任せた。

 

「あーお姉様ずるい!私も!」

「わ、わたしにも…!」

「私も、な、なにか…」

 

ワルキューレ三姉妹もこちらに気づいたのか、ヒルドが大きく手を振りながら、オルトリンデとスルーズは少し恥ずかしそうにしながら近づいてくる。

その気持ちは嬉しいけど、もうタオル巻いて髪も纏めちゃってるからなぁ…。

 

「うん、また温泉の中でおねがい。それじゃあみんな、入ろう」

 

なんだかんだ私が先頭になり、9人という大所帯で進んでいく。

えーと、確か……

 

「みんな、ちゃんと体を洗ってからはいること、走り回らないこと、飛び込まないこと、泳がないこと、大騒ぎしないこと。この5つ、守ってね。でないと……大変なことに、本当に大変なことになるから」

 

他にも細かいルールが決められていたような気がするけど…多分、きっとおそらく、大丈夫、だと思う…。

アルベド達も最初こそは困惑していたけど無理やり納得してもらい、各自解散していく。

 

「あ、あのっ、アテナ様!妾にも何かお手伝いさせて頂けないでしょうか!」

「あーーっ!シャルティア様ずるいです!次は私たちなんですから!」

 

シャワーの前に座るといきなり話しかけられてしまい、思わず横を見るとシャルティアとヒルド達が騒がしくしていた。

 

「おち、ついて。わかった、わかったから。じゃあ、シャルティアとオルトリンデ、髪の毛洗ってもらえるかな?スルーズは、背中を。ヒルドは……」

「(わくわく)」

「……。お風呂から出た後の、着替え、おねがい」

「はーい!」

 

元気いいね。

 

「ああ、あ、アテナ様。お目をおつぶりくださいなんし」

「はーい」

「マスター、お加減はどうでしょう?」

「だい、じょーぶ〜…。きもち、いーよ…」

 

それはそれとして極楽です。

 

 

 

 

 

「はー、気持ちいい…。疲れが体の芯から取れるようだわ…」

 

突如アインズ様やアテナ様からご提案された『裸の付き合い』なるもの。最初こそ何か深い意図があるのかと考えてしまったけれど、ブリュンヒルデやワルキューレ三姉妹からは、ただのコミュニケーションの一環だと教えてもらい、素直に応じたところ、本当にその通りだった。

 

それにしても…『裸の付き合い』なんて表現するから期待しちゃったじゃないの……!

 

最近はまたアテナ様に先を越されているように思えるし、私もここで挽回を…とか思ってたのに。

 

ああ、それはそれとして本当に気持ちいいわね…

 

「隣、いいかな?」

 

「ええもちろ…ってアテナ様⁉︎」

 

気が抜けた状態で誰かも確認せず返事してしまった後に、その声の主がアテナ様だと気づいてしまった。

思わず立ち上がって礼をしそうになるが、無理やり止められてしまった。

 

「……相変わらず、おむね、おおきい、ね」

 

「え?あ、は、はい。タブラ様がそのように創造してくださいましたから」

 

「いい、なぁ…。わたしも……」

 

アテナ様は私の胸を見て、ご自身の胸に手を当てながら顔を半分くらいまで沈められた。

あまりに唐突なことすぎて、どのようにすればいいのか分からない。

ええと、こういうときは…。

 

「ねえ、アルベド」

 

「は、はいっ!どうされましたか!」

 

おそらくシャルティア達が今の慌てる私を見れば珍しいと言っているかもしれない。でも仕方がないとおもってほしいわ。

 

だって、ただでさえ最近はアインズ様争奪戦が激化している中でのこの出来事だもの。(自業自得なのは自覚しているけれど)アテナ様が私を見る目が不機嫌そのものなのも、拍車をかけていた理由だった。

 

「正直に答えて欲しいんだけど…」

 

「何なりとお聞きくださいませ」

 

「そう?じゃあね…。いやでもなぁ…」

 

「?」

 

「……。誰かに聞かれたらまずいし、ひとまず…」

 

アテナ様はしばらく考え込んだ後に、決心なされたのか何かアイテムを使われた。

 

「10分間、盗聴系スキルが効かないようにしておいた。ここでの話はアルベドが話さない限り漏れないはず。だから…正直に答えて欲しいんだ。勿論、罰したりとかもないから」

 

「かしこまりました」

 

「それじゃあ聞きたいんだけど……。アルベドってさ……

 

()()()()()()()()()?」

 

 

 

えっ?

 

 

 

「アインズさんの横に立ってる私が、嫌いでしょ?」

 

「い、いえ。そのような…ことは……」

 

想像のはるか上をいく質問に、温泉に浸かってるはずなのに冷や汗が止まらない。一体いつから…。アインズ様やアテナ様の前ではそのような感情を表に出したことは無いはず…。

いえ、というより!そもそもアテナ様を嫌ったことなんて、一度も…。

 

「あはは…。ごめんね、私って嫌な女だよねほんと。アルベドにとって嫌ってる人から『私のこと嫌いだよね』なんて質問してるんだから」

 

苦笑しているけど、その目は哀しみに満ちていた。

早く反論しないと、そう思っていても喉に何かつっかえたみたいに何も喋れない。

 

「本当はわかってるんだ。私がアルベドに勝ててるのって1つも無いし。アインズさんの横には、私よりもアルベドの方がお似合いだと思うし…。それに、ほら。私って至高の御身って立場を利用して強引にアインズさんの横にいるだけの……頭も良く無いしそんなに強くも無い、ただの肩書きだけは凄い天使じゃん?」

 

嗚呼、そんなこと仰らないで…。

 

「でも、だからこそね。アルベドにならアインズさんの横は絶対に任せられるって信頼もあるんだ」

 

「え…?」

 

「私に何かあって皆の元に帰れなくなった時とか、きっとアインズさんは危険を顧みずに私を探そうとするでしょ?」

 

それは、確かにその通りかもしれませんが……。

 

「そんな時、ちゃんと場面を冷静に見ることができて、いざという時にはさ。ほら、私すら切り捨てれるのがアルベドかな、って」

 

「そ…んなこと!できるわけが……できるはずがありましょうか!」

 

思わず、そう叫んでしまった。無礼だとか、不敬なことをしてしまったという後悔よりも先に、アテナ様のお考えを否定したかったから。

アテナ様は目が点になりながらも哀しく笑っていた。

 

「わたしのこと、きらい、なのに?」

 

「いいえ、いいえ違いますアテナ様!私は、生まれてこの方アテナ様を一度たりとも嫌悪したことなどございません!独り寂しい思いをされていたアインズ様をずっと癒してくださった貴女様を何故、嫌うことができましょうか⁉︎」

 

「そう、なの?でもアルベド、わたし、アインズさんの横いるとき、嫌そうな顔するから…」

 

「そっ、それは……その……羨ましさからと言いますか……。確かにシモベにあるまじき感情を抱いていたことは事実でございます。ですが、それはアテナ様を嫌っているわけでは断じてありません!この命に誓って!」

 

力強くそう答える。私の答えを聞いてから、アテナ様は大きくため息をつきながらお顔を半分ほどまで湯船に沈めていた。

 

「(あーよかったぁぁ……)」

 

「?」

 

「ぷはっ!うん、ごめんねアルベド。せっかくのお風呂なのにこんな話をしちゃって」

 

「い、いえっ!私の方こそシモベにあるまじき態度をして勘違いさせてしまい、大変申し訳ございません!」

 

「うん、私もごめんね。でも……てことはさ、これからはアインズさんは…ね?」

 

そう仰るアテナ様は、今度は不敵な笑みになっていた。それをみて私も、不敬かもしれないけれど同じように笑う。

 

「ええ、どちらが早くアインズ様を惚れさせるか、勝負でございますね」

 

「正々堂々、ね。……こないだみたいな抜け駆けは無し、だよ?」

 

「アテナ様こそ、至高の御身であるからと油断なさらないでくださいね?」

 

 

ドボォォォォン!

 

 

「「?」」

 

互いにアインズ様争奪戦への宣戦布告を終わらせたと同時、何かが勢いよく湯船にダイブした。

音の出所を思わず向くとシャルティアが原因のようで、湯船の中で目を回している。

 

「まったく、お風呂くらい落ち着いて……アテナ様?」

「……」

 

アテナ様…あの、何故そんな『終わった』みたいな雰囲気を醸し出しておられるのでしょうか?

 

と、抱いた疑問は次の瞬間に理由がわかった。

 

 

『マナーの悪い客は誅殺だべぇ〜!』

 

 

水を口から出していたマー・ライオンが突如動き出し、シャルティアに殴りかかり始めた。

 

「スキル【戦女神の覇気】【イージス】!」

 

アテナ様はシャルティアの前に飛び出し、ゴーレムの一撃を受け止められた。

 

「痛っっっっっ。しゃる、てぃあ。だいじょ、ぶ?」

「は、はいっ!妾は大丈夫でありんす!で、ですがアテナ様が…」

「いい、から。あいんずさ、に、連絡して。それとみんな、私が抑える、から、完全武装して、きて」

「アテナ様、お供いたします」

「うんおねがい。シャルティア、早く、行って」

 

指示されているアテナ様にゴーレムが幾度も攻撃を仕掛けていく。しかも気づいたら5体以上のゴーレムが取り囲んでいた。一斉に攻撃を仕掛けられていたので、スキルを複数発動させアテナ様を守る。

 

「あいんずさん。…はい、はい、そうです。るし☆ふぁーさんのです。さっき一撃受けた感じ、レベル100相当の物理特化ゴーレムです。私の左腕、一撃でへし折りました。……。はい、わかりました、できるだけ早く、お願い、します」

 

アテナ様が治癒をされている間、ゴーレムたちの猛攻をなんとか防ぎ切る。ただのゴーレムじゃないわねコイツ…!アテナ様が仰っていたけど、るし☆ふぁー様の造られたゴーレムってことかしら…?それならこの馬鹿げた強さも納得せざるを得ないけれど…。

 

「アルベド。アインズさんたちが援護に来てくれるから、それまで耐えよう。破壊できるならそれでよし。でも多分、無理だと思う。それと、あんまり裸のまま戦いたくないから、シャルティアたちが帰ってきたら、一旦この場を任せて私たちも完全武装しにいくよ」

 

「承知致しました」

 

「背中、任せたよ?」

 

「お任せくださいませ」

 

それからというもの、事態が収束したのは1時間以上経った後だった…。

 

 

 


 

 

「それじゃあ今日の会議について。実は帝国の貴族からこんな依頼を持ち込まれた」

 

金髪の男ヘッケランがみんなに見えるよう一枚の紙を机に置く。

 

「未踏破墳墓の調査…」

「あら、報酬すごいわね。随分と気前がいいみたい」

「まるで、そこに何かあるの知ってるみたい…」

 

「俺としては、そこまで悪くない依頼じゃないかと思っている。ただ気掛かりなのはアルシェも言った通り、まるでそこに何かあるのを知ってるかのような感じだってことだな。ユーはどう思う?」

 

ワーカーチーム【フォーサイト】に問いかけられた金髪の女性ユーは、深く考えながら顔を上げる。

 

「この墳墓、場所はわかってるぽいけど、どの辺なの?」

 

「トブの大森林近くみたいだ。ギリギリ帝国領土内だから国同士の小競り合いに発展する可能性は低いと思う」

 

「……」

 

「ユー?何か不安なの?」

 

「不安というかなんというか……。まあ……うん。逃げる時はどうにでもなるとは思うけど……」

 

「「「「?」」」」

 

ユーの言葉に4人は疑問を浮かべる。

だがそんな4人のことを気にせず、リーダーであるヘッケランに向き直る。

 

「正直に言うと、私は行きたくない。こんな得体の知れないモノに手を出して全滅しましたじゃ、目も当てられない」

 

「その気持ちもわかるが…前金だけで見てもかなり割りのいい仕事だとは思う。もしも地表時点でヤバそうだったら撤退とかじゃダメなのか?」

 

「うん、それでもあんまりいきたくないかな。多少強いヤツ……仮に200年前の魔神とやらが出て来ても逃げ切れるだけの備えはあるけど…」

 

その言葉に4人は水を噴き出す。出てきた比較対象が御伽話で語られる存在であり、ユーが言うにはその魔神程度なら逃げ切れると言い切ったのだから。

 

「今更ながらに聞くけど……ユー、あんた一体何者なのよ」

 

「ただの空腹による行き倒れ。あと気づいたら人身売買にかけられそうになってた女だよ。多少長生きはしてるけどね」

 

イミーナの質問に、涼しい顔をしながら答え、4人からの怪訝な目を流しながら続けて言う。

 

「それで本題に戻るけど、リーダー。私はこの墳墓調査を受けるのは反対だ」

 

「んー、そうかぁ。ユーがそんなに反対するってことは、かなり嫌な予感がするってことだろうけど。でも…」

 

ヘッケランは魔法詠唱者(マジック・キャスター)の少女アルシェを横目でチラ見ながら悩みに悩む。それに気づいたアルシェが声を上げる。

 

「待ってリーダー。私のためと考えているなら辞めてほしい。私のためにみんなを危険に晒すわけにはいかない」

 

「ちげーよ。そんなこと考えてねえ。元々は未発見の墳墓、お宝以上に何があるのかワクワクしてたからな。それをユーに言われて考え直してたんだよ」

 

ヘッケランが考えていたのは未知への好奇心とチームの安全の天秤。

しかし、見栄を張ったがアルシェが(正確にはその両親が)抱えている大量の借金のことを心配しているのもまた事実だった。

本来なら依頼成功報酬の半分以上は、アルシェに渡す予定でもあったから。

 

「…………。はぁ、リーダー。その墳墓について、依頼主からもう少し詳しく知ることはできるかい?」

 

「え?ああ、出来るとは思うが」

 

「その依頼の返事の期限は?」

 

「3日後までには返事をくれってさ」

 

「わかった。それじゃあリーダーはその依頼主に出来る限り詳細を聞き出してもらえないかな。それをみて改めて判断する、というのはどうだろう」

 

ユーの提案に、ヘッケランは再度頭を悩ませる。しばらく経った頃、顔をあげる。

 

「わかった。それで行こう。じゃあ俺は貴族から情報を聞き出してみる。他のみんなも各自、出来る範囲でいいから情報収集をしてくれ」

 

「「「「了解」」」」

 

 

 

 

「ユーさん」

「ん?どうしたのアルシェ」

 

部屋で外出の準備をしてると、アルシェが申し訳なさそうに入ってくる。

はて、私何かしたっけか。

 

「その…ありがとう」

 

「なにがー?」

 

「さっきの仕事の話。私の家の事情を汲んでくれたから」

 

どうやらさっきのやり取りで気づかれたらしい。

そりゃ、あんなゴミ親のせいで背負った借金で死ぬのは…ねえ。流石に見捨てられないし。けど私のお金でどうにかしてあげようと言った時、即座に断るような子だからこそ、助けてあげたいと思ってるだけなんだよねぇ。

 

「まだ受けるって決めたわけじゃないし、お礼を言うのはまだ早いよ」

 

「それでも、ありがとう」

 

真っ直ぐこちらを見つめる瞳は、奇しくも私が嘗て惚れていた人間にそっくりだった。

眩しく、仲間を心の底から信じている瞳。

 

なんだか妙に小っ恥ずかしくなり、なんとか話題を変えようと思うも何も思いつかず静かになってしまう。

 

「そ、それじゃあ私は一度家に帰る。また後で…」

 

「待った。それなら私も行く」

 

まさかのトンデモ爆弾を落としたアルシェの腕を掴み、引き留める。

一人では行かせられない。行くなら私もついていくと何度も説明したが、アルシェは首を横に振り続ける。

 

「ダメ。いくらなんでも私の家の事情にユーさんを巻き込むわけにはいかない」

 

「いいから。私がしたいからするの」

 

「私の両親が、ユーさんに何もしないとは思えない。きっと不快になる。だから…」

 

「いいから。私がしたいからするの。どうしても後ろめたいなら…そうだね、私に妹を紹介してくれない?私、こう見えて子供大好きなんだよね」

 

ようやく明るい笑顔を見せるアルシェと、なし崩しにとはいえ共に実家とやらに向かうことになった。

二人の妹のことを語るアルシェは、年相応の少女らしいもので、なんともまあ愛くるしかった。

 

 




パンドラ「アテナ様、一回お休みしたので勿論…」
アテナ「次もお休みだよ」
パンドラ「何故ですか⁉︎」
アテナ「だってパンドラ人気すぎるもん」








ひとまずプロット制作者の要望により アルシェ生存ルートは作れと言われたので
だがプロット主よ。生存ルートにしろとは言ったが精神を殺すなとは言ってないな?(ゲス

はっはっは、楽しみだ

それでは、読んでくださりありがとうございました
感想や評価など頂けると嬉しいです

P.S みんなパンドラ好きすぎるだろ
  わかる 私も好き
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