モモンガさんが大好きな小さな守護神   作:紀野感無

41 / 51
〜???〜

(ふざけっ、ふざけるな!お前が!お前達が!なんっ、なんで…)

(きゃはは!マジで受け取ったのかよコイツ!)
(だはは!はー、笑い死ぬわ!だははははは!)
(どーするこれ。分解しちゃう?)
(いやいや所有権奪おうぜ。そうすれば遊び放題じゃん)
(どうせすぐ壊す癖に。あ、じゃあ俺はコイツを--)





(…………。僕からの誘いとはいえ、本当に良かったのかい?彼らは君の--)

(ああ。お前達にとっても【コイツラ(カスども)】はいない方がいいんだろ?早く、疾く、殺し尽くそう)

(何があったかは聞かないでおくよ。それでアイツらのもつ『世界の守り』は……)

(この目で確認したから問題無いはずだ。それよりも"約束"を違えるなよ。その時は……)

(わかっているさ。では……往こう)





「ッ⁉︎〜〜……はぁ……」

「……?どう、したの…」

「なんでもない。ちょっと夢見が悪かっただけさ。ほら、明日も早いから寝直そう」

「うん……わか、た…」




5話 『エイ=ユー』

 

『ぬ、ぐゎぁぁ!』

『た、たすけっ!』

『こんなところで…うわぁっ⁉︎』

 

他のワーカーと別れてからしばらく経ったころ。盗聴アイテムを引っ付けた奴ら--今回は表に残った竜狩りの奴ら--の悲鳴が耳元でこだまする。引っ付けた相手の声しか聞こえないが、何かに襲われたのは確実だろう。

 

「段々と本性表してきてんね」

 

「ユーさん、どうしたの?」

 

「んぇ?あ、ああ。ちょっと……ね。それよりどうだい?何かあった?」

 

現在は近場にあった小部屋の中を探索中。

外の見張り役を買い、中で歴史が分かりそうなものがないか探索をお願いすることになった。

 

「色々と本はあったけど、読めないものばかり。帝国の魔法学院でも見たことない」

 

「へぇ?後でちょっと見てみようか」

 

流石に何十ヶ国語も習得してないから、物によっちゃ読めないけど。何語かさえ分かればこの墳墓を使ったやつの当たりはつけれそうだ。

 

「リーダー達は?」

 

「もう少し探索してみるって。だから私はユーさんと一緒に外の警戒をすることにした」

 

「そっか。ありがと」

 

本当なら1人で大丈夫と言って思う存分探索させてあげたかったけど、そうも言っていられなくなりそうだった。

他のワーカーと分かれた瞬間から誰かに見張られてたり、ここに来るまでに何回かピンポイントで私を襲ってきたりとか、ヘッケラン達を狙い撃ちしてたりとかあったから、この墳墓を根城にしてる奴らが私らを認知しているのは確実だろう。

 

「(魔法の武具を持ったスケルトンとかエルダーリッチとか。襲ってきてんのが私いなくてもギリ対処できそうなのばっかだし、やっぱり何か狙ってんのかね。あーやだやだ。私はともかくアルシェ達を生きて帰せるといいけど)……ん?」

「ッ!リーダー!敵襲!」

 

アルシェが迅速かつ簡素に状況を叫んでくれたことで、ヘッケラン達もすぐさま外に出て武器を構える。

私らがいつもの陣形(ヘッケランが先頭で私がカバーしやすい位置に、その更に後ろにイミーナ達)になっても尚、自由に動けるレベルの広さの廊下。

戦う前提の造りなのは確実だろう。

 

そして前から出てきたのは複数体のスケルトン。またもや魔法の武具を装備しており、私からしたら脅威でも何でもないけどフォーサイトの4人からしたらやばいだろう。

 

「ヘッケラン、まだいける?」

「おうよ」

 

イミーナからの問いへ快活な返事が返ってくるが、無理しているのは明らかだ。さっさと討伐してしばらく休憩挟んだ方が良さそうだね。

 

「んじゃ、やるぞ。援護は頼んだ」

「任せなさい」

「おまかせを」

「了解」

「オーケイ」

 

 

 

 

「はっはっ……」

「はーしんどい」

「気のせいでなければ、だんだん強くなってる気がする」

「確かに。ユーさんのマジックアイテムがなければ苦戦必死でしたね」

 

「みんなの地力が高いおかげだよ。私のアイテムは少し補助を付けただけに過ぎないから。それより一旦休憩した方がいいと思う。特にリーダー達がそろそろマズい」

 

肩で息をしているリーダーとイミーナは腕を上げることで同意を示す。

疲労軽減の効果があるポーションを2人にかけ、アルシェと共に辺りを警戒する。

 

「はぁー気が休まんないね。アルシェも休憩していいんだよ?」

「1人より2人の方が確実。それにユーさんも少なからず疲弊しているはず」

「ごもっともだね。それじゃご一緒どうかな?」

「喜んで」

 

実際は疲労無効だから疲れてないんだけど。ま、お言葉に甘えるとしましょう。アルシェ可愛いし。

 

 

 

 

「みんな、さっきの部屋見てきてもいいかな?すぐ戻るから」

「おう、気をつけろよ?」

「了解。そっちも何かあったらすぐ呼んでね」

「わぁーってる」

 

数十分経って、ヘッケランがある程度回復したのを見計らって部屋の中に入る。ロバーデイクに見張り役をお願いしたところ、快く受け入れてくれたので部屋の中に入る。

そこはどうも書庫みたいで、本棚が並べられていた。

 

「くっら。一旦明かりを……」

 

適当な石に光を灯す魔法をかけ、一冊を手に取る。

題名は……えーと何語だよこれ。日本語でも英語でもなくて?現地の言葉か?

 

無理、読めん。

 

他の本は……

 

「あー……?ドイツ語?いや英語ぽいものも混ざってるし、何だコレ」

 

複数言語の混合……?めんどくさいな。誰だよこんなの作った奴。

お、なんか固有名詞ぽい奴は読めそう。

 

 

N、……、N、Z、・、O、……、……、・、G、O、A、L

 

 

N○NZ・O○○・GOAL

なんとか・かんとか・ゴール?掠れ過ぎてて全くわからん。

 

中を開いてみるけど、案の定読めるレベルではなく。

 

「そもそも読み方合ってんのかすら怪しいねコレ。他の所にも何かないか探しに行くべきかな?」

 

行ってみたいけど、リーダー達の疲労具合からして引き上げた方が良さそうな気もするし。一旦相談しよう。

 

『くそっ!こんなところで…!』

『いやだ!ゴキブリなんかに…!』

 

『ふへは!ほほっへふ!』

 

と、そんな時にまた悲鳴が耳元で響く。この声は…

 

「ヘビーマッシャーのチームも死んだのかコレ」

 

てことは右の通路は罠確定と。真ん中進んだアレもそのうち死ぬかも。

 

にしても……

ヘッケラン達やけに静かになったような?

 

扉は半開きにしてあるにも関わらず、話し声とかその他雑音が何も聞こえない。そんなに疲れてたのかな。

 

「おーいみんな。そろそろ……い……け……」

 

 

扉を開けた瞬間、時間が止まった気がした。

 

さっきまで居たはずのヘッケラン達が誰1人としていなかった。

辺りを見渡すも、どこにも見えない。

 

 

「ッ⁉︎伝言(メッセージ)!」

 

咄嗟にアルシェへ連絡を試みるが、繋がる気配は全くせず、すぐにプツリと切れる。

ならばとヘッケラン達に預けたアイテムに対して探索魔法を発動させるも、こちらも何一つ反応が無い。

 

「クソッ!やられた!」

 

全員で部屋に入るべきだった。いや、本を取ってすぐに外に出てれば…。

 

「……いや、たらればを考えても仕方が無い。誰1人声を上げれなかったってことはイミーナじゃ感知不可能なレベルの気配遮断持ち…。外部からの転移阻害を施してんのに転移させられたってことは、少なくとも上位転移とかの部類が使える……」

 

表に残ってた竜狩りが死んだのを確認した時にすぐ撤退すべきだった。

(おそらく)上位転移が使えるってことは、最低第七位階は使える。下手をすりゃ第十位階は使える奴らがいると見るべきか?

 

「お一人でどうされたのですか?」

 

「あ?」

 

そこへ、優男ぽい声が響く。声が聞こえた方向を見ると、赤スーツと仮面を着用した人間ぽい……尻尾があるから人間じゃねえなこいつ。

 

「誰だお前」

 

「これは失礼しました。私の名前は『ヤルダバオト』と申します。以後お見知り置きを」

 

「ヤルダバオト…?」

 

どっかで聞いたような……

 

「(ステ鑑定しても何も見えんって事はレベル100相当って考えて良さげだな)で、何の用だ?ここの主人かお前」

「いいえ、違いますとも」

 

ヤルダバオトとやらは大袈裟ない身振り素振りで話し始める。

 

「実はわたくし、とあるアイテムが目的でリ・エスティーゼの王都を襲ったのですが、残念ながら未遂に終わってしまいましてね。その代替品となるものを探していた所、こちらの墳墓を発見致しました。ですが……残念なことにゴミムシ共が既に入り込んでいるではありませんか」

 

「あっそ。で、お前が私の前に姿を現したのと何の関係があるわけ?」

 

「外にいるゴミ共を片付けつつ、中へ侵入したはいいのですがあまりにも複雑な造りをしておりましてね。どうしたものかと思案していた所、貴女を見つけた次第でございます」

 

なるほど、つまりは私たちが見つけたであろうアイテムを横取りしようって腹か。

 

「さて、単刀直入に言いましょう。貴女の持つ全てのアイテムをお渡しください。そうすれば、命の保証はしましょう」

 

「悪いが、お前なんぞに渡すもんは無い」

 

 

 

 

〜第十階層 玉座の間〜

 

「な……」

「マジで何者なんだコイツ……」

 

ワーカーのフォーサイトとやらから『ユー』と呼ばれていた女を分断させた直後、デミウルゴスがそれらしい理由をつけユーに襲いかかった。

 

多少いい勝負をするがデミウルゴスが勝つと--そう思っていたが

 

『悪魔の諸相:鋭利な断爪!』

『チッ……』

 

デミウルゴスがスキルを発動させたと同時、ユーは手に持っていた木の棒をパキッと割り、その場に盾を召喚した。

的確にデミウルゴスの攻撃を防いでいき、強いノックバック効果のあるスキルで距離を取り続けていた。

 

ユーとやらの実力が高いのにも驚いたが、それ以上にあまりにも既視感のあるアイテム(ソレ)に、俺たちは(戦ってるデミウルゴスも含めて)驚きを隠さなかった。

 

完璧なる戦士(パーフェクト・ウォリアー)

 

ユーは続けて魔法を唱え、再び木の棒を折る。すると先ほどまでのシスター服が別の鎧になり、手には短剣を装備していた。

 

え、は?2つ以上の装備を呼び出したってことにならないか?あの課金アイテムそこまで便利じゃないはずだろ。

 

「……測定する限り、彼女のステータス自体はそれほど高くはない…いやそもそも本当にレベル90なのか?」

 

急ぎ呼んだ鑑定系に特化したシモベにステータス鑑定をさせると、レベルは90。職業系ばかり鑑定されたことから人間種であるだろうと仮定して観察していた。

だが偽装魔法などを使ってる可能性もあるし、もう少し様子見をするべきだろう。使っている武具に神器級や世界級のものが無いか最大限注意を払いながら--

 

『アインズ様。例の人間がもうすぐ闘技場の中へ辿り着くかと思われます』

「何、もう来たのか」

 

第六階層のコロシアムで待機していたアウラから連絡が来たことで、コイツの観察は一時中断となった。

やはりそれ相応のマジックアイテムを持っている相手に、レベル20台のアンデットでは厳しかったか。

 

『どうしましょう。アインズ様が忙しいようでしたら少し足止めをしましょうか?』

 

「いいや必要無い。すぐにそちらへ向かう。決して注意を怠らず、監視を続けてくれ」

 

『かしこまりました!』

 

メッセージが切れたのを確認し、アルベドにも指令を出す。

 

「アルベド、手筈通りにゆくぞ。あのユーとやらは暫く足止めしたのちに、敢えてフォーサイトと合流させろ」

 

「畏まりました。デミウルゴス達へ伝えておきます」

 

「アテナさんへの連絡も忘れるなよ。デミウルゴスだけでは万が一ということもある。私達は、皆が傷つくのを見たくない」

 

「承知しております。全て御心のままに」

 

 

 

 

 

 

 

「悪魔の諸相:おぞましき肉体強化、豪魔の巨腕!」

「(近接関係が多いな……物理特化と炎対策すれば撒くだけなら……)」

 

しかし辛い。アイテムでブースト及び対策してるとはいえ、元々私本体の強さなんてたかが知れてるし……。

 

「(盗賊ビルドに変えるか。ここでは【アレ】使えないし。それにやりあっても殺せる保証がない)完璧なる野伏(パーフェクト・レンジャー)

 

予めセットしておいた装備を、とあるアイテム(見た目は単なる木の棒)を半分に折り、スピード及び気配遮断などに特化した装備を身につける。

 

つか、これ使うたびに驚くのなんなん。

 

「いやはや……何とも強いお方だ。まるで冒険者モモンと対峙した時のようです」

 

「あっそ。今すぐ退いてくれるなら私はお前の目的の邪魔しないようにするけど、どうする?」

 

「御冗談を。アイテムも確かに重要な目的ではありますが、それ以上に貴女を手中に収める方が多くのメリットが得られそうです」

 

だろうね。さて、ここからどうやって……

 

 

「騒がしいですね。勝手に侵入しておいて勝手に喧嘩しないでくれませんか?」

 

 

めんどくせぇ。新手かよ。

……今すぐ酒カス召喚してやろうかな。

 

新たな声の主を見ると、まるで聖騎士のような鎧と槍に円盾を装備している少女(アルシェと同年代ぽいやつ?)がいた。

 

「次から次へと…誰だお前」

「おや、新たなお客様ですか」

 

「いやいや、客は貴方達でしょう?さて、時間もありませんし簡潔に述べます。今すぐこの墳墓から出ていくか、それとも殺されるか。好きな方をお選びください」

 

「それは困りますね。わざわざリスクを冒してここに侵入させて頂いたんです。目的の一つも果たさずおめおめと撤退する訳にはいきません」

「……1つ聞くけど、アンタはこの墳墓の主ってことでオーケー?」

 

「主ではありませんが…強いていうなら住人兼番人、といったところでしょうか」

 

この悪魔、マジでここの主じゃねえのかよ。

それで推定100レベルの強さとか。マジでふざけろっての。

 

「それで?貴女はどうしますか?私としては2人同時に来てくださっても構いませんが」

 

「まさか御冗談を。そちらこそお二人同時でも宜しいんですよ?」

「やなこった。勝てもしない勝負をやる気はない。出ていけるならすぐにでも出ていくさ。何か詫びが要るってならそれ相応のアイテムでも渡す」

 

「ふむ……」

 

さーて逃げ切らんのかねこれ。

この少女は何かを思案しながら手をポンと叩きながら喋り始めた。

 

「では、そうですね。貴女がここで得たものを含む、所持するアイテム全て、でどうでしょう?」

 

「無理な相談だね。……って、言いたいが私の仲間を無事に返してくれるならやぶさかじゃない」

 

まあ嘘だけど。

 

「仲間、とは?」

 

「私以外に戦士と神官の男2人、野伏(レンジャー)魔法詠唱者(マジック・キャスター)の女2人がどっかにいるはずだ。それを無事に返すならお前の要求に応じる」

 

「はあ……盗人猛々しいですね。いいですか?貴女は侵入者です。私がそのような不躾な輩の要求を飲むと思いますか?逃がしてあげるだけでも相当譲歩しているんですよ?」

 

「知ってた。じゃあいいよ勝手に助けに行くから」

 

「「⁉︎」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃー、流石にいけたか」

 

神器級に近いアーティファクト型アイテムを起動させることで、何とか転移することに成功する。

 

んで……ここどこだ。

 

「ここがギルド拠点の類いなのはほぼ確実。墳墓……ギルド……」

 

そういえば、つい最近なんかそれ関係の話を聞いたような。

なんだっけ……。

 

「…………。いいや。とにかく先に進もう」

 

別の木の棒を折り、探知系とスピードに特化させた装備に変える。

あーくそ。こんなん来るって分かってりゃもうちょい準備してたっての。

 

 

「生きててくれよ。みんな」

 

 




アインズ「あれ?」
パンドラ「私たちのほのぼの話はどこへ⁉︎」

アテナ「"しばらくの間、ちょっと諸事情により休憩"……らしい、です。アンケートはそのまま、だから。みなさん奮って投票してくださいって」

アインズ「いやそもそも俺とパンドラしかいないアンケなのに」

アテナ「代わりに幕間で一話丸々使うらしい、ですよ?」



〜あとがき〜

こんな連続で投稿されると思わなかっただろう?
いやぁ筆が進むとはまさにこのこと。

タノシィタノシィ

いやマジで久しぶりにこんな筆が進んでる気がします
もそっとがんばるぞい

それでは読んでくださりありがとうございました
感想や評価などしてくださると嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。