モモンガさんが大好きな小さな守護神   作:紀野感無

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「ぱんどら、おまたせ」

「お待ちしておりましたっ!アテナ様ッ!」

宝物殿を訪れると、物凄く勢いの良い敬礼とハイテンションな声で出迎えてくれる。アインズさんからはやめるように言われていたらしいけど、私と会う時だけはパンドラの好きなようにやって良いと伝えてからというもの、始めてあった時の五割り増しくらいでハイテンションな気がする。


ただし声量だけはちょっと抑え気味にしてもらってます。


「本日はどのようなご用件で?」

「あ、えーと……あいんずさんの誕生日、数え間違いじゃなかったらもうすぐだから、プレゼントを用意したくて。それでパンドラに相談したいなって」

「なんと……!そのような名誉ある仕事を私に任せていただけるのですか!」

「パンドラなら、きっとあいんずさんも喜ぶもの、考えてくれそうだったから」

「おお……!Wenn es meines Gottes Wille(我が神の望みとあらば)!このパンドラ!全力を賭してアテナ様をお手伝い致します!」

「よろしくおねがい、します」

「それではアテナ様。いくつか質問をしてもよろしいでしょうか?」

「うん」

「では……Welches Geschenk möchten Sie machen(どのような物をプレゼントにと考えておられますか?)」

「うぇっ?え、えーと……」

突如飛んできたドイツ語を、何とか翻訳……できてるのかなこれ。
どんな物を考えてるか、みたいなことだよね、多分。

「えーと……Handgefertigte Artikel(手作りのもの),Hergestellt mit Data Crystal(データクリスタルを使った物)……って、かんがえて、ます」

「おや、データクリスタルだけ英語になりましたな」

ぎくっ。

「そ、そんなこと…ない、よ?」

「ダメですよアテナ様。私の耳は誤魔化せません。ですが…それ以外は完璧です。唐突な問いかけにも関わらず、簡素且つ分かりやすくお答えくださいました。

このパンドラッ!感ッ!激ッ!でッ!ございます!」

「うん、あ、ありがとう」

大仰なポーズと響く声で褒められ、なんというか、思わず尻込みしてしまう。嬉しいよ。嬉しいけどね。
アインズさんが恥ずかしがるのも何となくわかる気がしてきた。


ただしカッコいいから私的には問題ない


「それではアテナ様。早速アインズ様へのプレゼントの打ち合わせと参りましょう!」

「うん。よろしくね」


〜もうちょびっとだけ続きます〜


8話 死の王vs英雄の王

 

 

 

「さあ----存分に足掻くといい」

 

 

 

ユーと名乗る黄金の鎧を纏う女は、飛行の魔法か何かの効果で浮かび上がり、背面に100個はくだらないであろう黄金の波紋を生み出し、その全てから武器を覗かせていた。

 

道具上位鑑定(オール・アプレイザル・マジックアイテム)…………ん?」

 

見えてる武具を鑑定していくが、不可解な事実が浮かび上がった。

 

「(なんだ?全部の武器が最上級以下だ。遺産級(レガシー)ですらないって、舐めプすぎないか?)」

 

そう、見た目がド派手だが、頭を覗かせている武器全てがレベル100プレイヤーからしたら低ランクの武器だった。

 

「アルベド、アウラ達の元へ合流しろ」

「で、ですがアインズ様!」

「私の事なら心配ない。それよりもアウラ達を守ってあげてくれ。それとアテナさんに第六階層へ来るよう伝えておいてくれ」

「なりません!あのような規模の攻撃、もしアインズ様に何かあったら…」

「大丈夫だ。それとも私のことを信用してくれないのか?」

「ッ……ずるいです、アインズ様。……。承知しました。御武運をお祈りします」

 

きっとこの世界に来た直後ならこんな説得できなかっただろうけど、シャルティアの一件からNPCのみんなの考えが柔らかくなったなと、そう感じてしまう。

 

「(エ・ランテルに行く時みたいにならなくてよかった。さて…)」

 

ユーは右腕を掲げ、俺を見下ろす。対して俺は(ステータス的な意味での)縛りプレイ用装備の首輪を取り去り、いつもの装備を身につける。

 

「開戦の合図だ。ド派手に征くとしよう」

 

「それには賛成だ。魔法最強化(マキシマイズ・マジック)重力渦(グラビティメイルシュトローム)!」

 

特殊技能(スキル)王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

 

小手調べに魔法を撃ち込むと同時、黄金の波紋全てから武器が降り注ぐ。だがその全てが俺へ向けて放たれた訳ではなく、表現するとしたらコロシアム全域に降り注ぐ武器の雨だった。

 

俺の魔法は触れた武器を弾いていき、ユーの肩へ命中する。対してユーの放った武器の大半は俺に当たることなく(ついでに地面に激突する直前に)霧散して消え、俺に当たったものはそのまま砕け散った。

 

「(なんだ?物理無効化か?てっきりダメ軽減系かと思ったけど。それなら……)」

「(やっぱりだよな。これレベルだと防ぐことすらしなくていい。となると、次は……)」

 

ユーが何かを思案する様子を見せ、もう一度指を鳴らすと黄金の波紋が7割ほどまで減る。そして再び武器が顔を覗かせる。

 

「(今度は……遺産級(レガシー)が中心ぽいな。聖遺物(レリック)もチラホラある。予想通りレアリティを上げてきたな。……てか、どんだけ武器あるんだよ)」

 

「(少しずつ武器の性能上げてくか。神器級は出来る限り使いたくないし…)では続きといこう」

 

「望むところだ」

 

再び、俺の魔法とユーの射出した武器がぶつかり合う。コロシアムのほぼ全域に降ってくるものだから回避などせず、その場に立ったまま魔法を打ち込み続ける。幸いなのは、守護者達は非難しているおかげで気にしなくていい、という事だった。

 

「ぐっ…」

「痛っ…」

 

遺産級(レガシー)武器のほとんどは先ほどと同じく砕け散っていくが、ごく僅かなレガシー武器と聖遺物(レリック)武器は防いでくれず、僅かながらダメージをもらってしまう。

 

「(レリックでようやくか。なら…上位物理無効化Ⅲあたりか?)驚いたよ。勿体無いけど、お前には上位の武具を使うしかないらしい」

 

「この程度で驚いてもらっては困る。魔法最強化(マキシマイズ・マジック)大顎の竜巻(シャークスサイクロン)!」

 

射出が緩んだ隙を狙い、巨大な竜巻を生み出す。それと同時に飛行(フライ)を発動させ、ユーと同じ高さまで浮上する。

 

一方で、同じように武器を飛ばしてくるものだと思っていたが、黄金の波紋を全て納め、竜巻から逃げていた。

 

魔法最強化(マキシマイズ・マジック)破裂(エクスプロード)

 

魔法三重化(トリプレット)魔法最強化(マキシマイズ・マジック)現断(リアリティ・スラッシュ)!」

 

竜巻は爆発でかき消されるが、爆炎に紛れるように、ユーの居場所を感知し最高火力の魔法を叩き込む。

 

だが、それは鈍い金属音へと変わり、何かしらによって防がれたのがわかる。

低位の風魔法で煙幕を晴らすと、ユーは大盾を持っており、そこには三筋の傷が走っていた。

 

「ふぃー。ギリギリセーフ」

神器級(ゴッズ)の盾か。魔法防御性能も高いみたいだな」

「出し惜しみしてられないんでね。で、追撃しないとか舐めプ?」

「お前にだけは言われたくないんだが」

「失礼な。ちゃんと力量を見極めつつ戦ってるだけだよ」

 

再び黄金の波紋がユーの背後に現れる。

 

1回目、2回目よりも数こそ少ないが(少なく見積もっても50個はあるけど)その全てから顔を覗かせた武器は、見た目だけでも明らかに質が跳ね上がった事が分かる。

 

道具上位鑑定(オール・アプレイザル・マジックアイテム)……なんだと⁉︎」

 

「え?わかったの?……いやまてよ、そいや鑑定魔法は阻害してないんだっけ。……。ま、いいや。それで、これは防ぎ切れる自信はあるかな?」

 

ユーは余裕な態度を崩す事なく、右腕を上に掲げる。

 

「殺すつもりはないけれど…死なないでね?」

 

「ぬおっ⁉︎」

 

警戒をしていたが、予想外の力--突如強い重力に襲われ地面まで叩き落とされてしまった。飛行(フライ)の上から、しかも束縛系への耐性を付与しているにも関わらず、地面に縫い付けるほどの重力に思わず面食らってしまう。

 

「くっ…」

「ダメ押しといこうか」

 

ユーは右手を掲げたまま、左手をクイッと上へ動かす。その瞬間に俺の足元から黄金の鎖が飛び出し、足は巻きついてくる。

 

魔法最強化(マキシマイズ・マジック)…なんだと⁉︎」

 

「お、やっぱり君でも難しいか。これは良い情報だ」

 

拘束を取り払う魔法やスキルを使い脱出を試みるが、それらは霧散して消え、効果は発動されなかった。

 

「これは…ただの神器級アイテムじゃないのか」

 

「まね。天の鎖って言いまして。簡単に言えば拘束に特化したアーティファクトを複数素材に回して、更に拘束系特化のデータクリスタルをふんだんに使ったものさ。いやぁ、金かかったよこれ」

 

「……だろうな」

 

「しかも、モロパクリじゃねえかって運営に削除されかけた」

 

「大変だったんだな」

 

「いやほんとに。あのクソ運営、普段動かねえ癖にこういう時だけ積極的に動きやがってからに」

 

そう口にしたユーは、思わず口を塞いでわざとらしく咳払いをする。

 

「話が逸れちゃった。それじゃ三度目の正直だ。死ぬなよ?」

 

右手が振り下ろされる。

 

それを合図に発射されたのは、()()()()()()()()

 

一体どんだけの金を費やしたんだとか、神器級アイテムをそんな使い方するとかアホじゃないのかとか、そんな思いを一旦全て棚に上げる。

 

武器が発射される直前に、骸骨壁(ウォール・オブ・スケルトン)を三重で展開し、更に死の騎士(デス・ナイト)を複数創り出し盾にすることでなんとか逃れることができた。

 

「ほら、まだまだ行くよ」

 

俺の足元に槍が刺さったと思うと、そこを起点に爆炎が生じる。更に別の武器が刺さったと思うと、冷気や電撃、神聖属性の魔法など多種多様な魔法扱いであろう追撃効果が俺を襲う。

曲がりなりにもゴッズアイテムから生じているからか、ヒリつくような痛みを感じる……が、しかし俺とて負けるわけにはいかない。

 

武器の雨が僅かに緩んだ隙を見逃さず、魔法を唱える。

 

魔法三重(トリプレット)魔法最強化(マキシマイズ・マジック)万雷の撃滅(コール・グレーター・サンダー)!」

「っ……」

「まだまだ。魔法最強化(マキシマイズ・マジック)無闇(トゥルーダーク)!」

「ぐうっ……。こん…のっ!」

「ぐはっ⁉︎」

 

俺の魔法に呑まれながら手を動かしたと思うと、真後ろから鈍い衝撃が走った。前の方に吹き飛ばされるが、同時に黄金の鎖による拘束も解除されていた。

 

それを確認した瞬間に空中へ浮かび、再びユーの真正面へ陣取った。

 

「けほっけほっ…。あー、しんどっ。クソ真面目に戦うのとかいつ以来だよ……。ちょっとくらい手加減してくれないかなぁ?あーいってぇ……」

 

HPを確認する魔法を使用すると、最初と比べて大体4割は削れていた。やっぱりというか、本人も言っていたようにステータス自体はそれほど高くはないんだろう。

 

「それで、まだ続けるか?」

 

「勿論」

 

お互いに回復魔法を使い、俺はバフ魔法を、ユーは木の棒をペキっと折り武装を変えていた。さきほどまでは首から下全てを黄金鎧を装着していたが、今度は下半身及び右腕のみになり、左手には神器級の弓が装備されていた。

 

魔法最強化(マキシマイズ・マジック)…」

特殊技能(スキル)・弓神の導き」

 

互いに示し合わせた訳でもなく、同時に攻撃を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

〜数十分後〜

 

「はー、参った」

 

数十分に及ぶPVPの末、ユーは右腕を上に上げながらそう宣言する。

 

俺は途中回復を挟んでいたこともあって、7割程度HPを残せていた。それに対してユーはHPは半分を切り、左腕の欠損、全身様々な部位からの出血、本人曰く複数箇所の骨折を負っているらしい。

 

()()()()()()()。あと今更なんですけど、これどうやって締めます?」

 

「え?あー……どしよっか」

 

頭を掻きながら、めんどくさそうに辺りを見渡し、こちらを再度見つめてきた。

 

「とりあえず下で観戦してる子達に謝罪というか、()()()()()()()()()()()()()()()()?てかやんないと私がぶっ殺されかねない。特にほら、あの子」

「ん?」

 

ユーが苦笑しながら指差した方向--コロシアムの入り口辺りを見ると、アルベドたちに必死に止められているアテナさんがいた。

しかし止めていたアルベドたちもユーに対してものすごい殺意を抱いているように見えた。

 

「……すいません俺も忘れてました。そうですね。みんなに説明してきます。ユーさんはどうします?」

 

「武装解除して待機しとく。話は基本そっちに合わせるから、何かしら都合のいい感じに改変して伝えてくれて構わない」

 

「わかりました。それでは少し待っててください」

 

「あ、ちょっと待った」

 

降りようとした瞬間、待ったをかけられ、かけた本人は黄金の波紋の中に腕を突っ込んで何かを探っていた。

目当ての物があったらしく、一つのスクロールアイテムを俺に投げ渡してきた。

 

「これは?」

 

「アンデット用の治癒魔法入ってるスクロール。使えるだろ?」

 

「ああどうも。それじゃ改めて待っててください」

 

「オッケー」

 

 

 

 

 

下に降り立つとアテナさんが真っ先に駆けつけてくれ、今にも泣きそうな顔で俺を見上げる。アルベドは申し訳なさそうにしながらアテナさんの横に立つ。

 

「あいんずさん、大丈夫、ですか?怪我は……」

 

「問題ありませんよ。説明する暇がなかったもので、誤解を招いてしまって申し訳ないです。アルベドも、アテナさんを止めてくれて感謝する」

「そんな…もったいないお言葉です!しかしアインズ様、あの下賎な人間はどのように処分致しましょうか」

 

「あーうん。処分はしなくていい。アテナさん、これから説明しますのでしっかり聞いててくださいね」

 

「?」

 

「実は----」

 

 

 

 




小ネタ
エイ=ユー・オウについて

PN エイ=ユー・オウ 異形種
カルマ値 0(完全中立)

種族レベル
・半神(Lv5)
・神の使い(Lv5)
他20レベル 計30レベル

職業レベル
冠位(グランド)の称号を得た者(Lv5)
・弓兵(Lv15)
・英雄(Lv10)
・古代の王(Lv5)
他35レベル 計70レベル

「え?王の財宝について?運営お願いワールドアイテムで作ったよ。あんな量の神器級アイテムをどうしたかって言われても、引退者から引き取ったりが大半。RMTしたものもあれば、普通にもらったり、あとはフリーマーケットで買い漁ってた。クッソ金かかったけどね」


〜〜〜〜〜〜


次話、おそらく明日投稿 の予定 多分 きっと

ユーの見た目は、まあわかる人にはわかると思いますが英雄王(エイプリルフールネタの女傑の方)です。
なんか女傑さん、私の作品で使いまわしてんな…?

そこ、ネタ切れかよとか言うんじゃありません 泣くから


それでは、読んでくださりありがとうございました
感想や評価などしてくださると嬉しいです。
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