ナザリック地下大墳墓の守護神を担う存在。
ナザリックを、その土地を、仲間を、ナザリックに所属する全てを害するものを忌み嫌う。
身内にはとても優しく甘いが外部の者となると話は別でナザリックにとって利益かどうかでしか見ない。
乱暴者で有名な戦の神アレスにすら「お前ヤベェな」と言われるほどの神アテネの血を引いており、こと戦となると人が変わる。
だが相手へもそれなりの敬意を持って戦うことを信条にしている。
その反面、仲間を大切にしない、覚悟を嘲笑うなどをした相手には容赦など微塵もなく徹底的に叩きつぶす。
「アルベド、お前は私の傍を離れるなよ」
「ハッ!」
「アテナさん、初動はいつも通りに」
「はい。まかせてください」
目の前の人間が持っていた魔封じの水晶から出てきたのは、確かに種族上は最高位天使とぎりぎり呼べる存在の天使。確かに熾天使級ではあるがその中でも最下位に位置する天使だ。
念のためレベルやHP、MPなどを見てみるも嘗てアテナさんの種族獲得のために皆で潜ったレイドダンジョンに死ぬほど湧いて出てきていた天使とトントン。つまりは雑魚敵の部類。レベルにしても75程度、と言ったところだろうか。
「では行きます」
「ええ。力の差を見せつけてやりましょう」
「やれっ!
隊長らしき人間の声で2体の天使が持っていた錫杖が砕ける。
「スキル・戦女神の威圧」
その瞬間にアテナさんがスキルを発動させた。すると2体の天使は矛先をアテナさんに変える。
「あるべど、多分大丈夫だと、思うけど、ちゃんとアインズさん、守ってね」
「勿論でございます」
「アインズさんも、私のことは気にせずに、いつものように、攻撃してください」
「はい。任せてください。それに俺がアテナさん含め仲間に誤射したことがあるとでも思いで?」
「いえ一度も、ない、ですね」
アテナさんとそんな軽口を言いあってる間に漸く魔法か何かの発動準備が整ったのか天使から一筋の、合計2本の光が上がる。
それを確認したアテナさんは俺たちよりさらに前へ出る。
「やれっ!
「スキル・シールド強化。ニケの防壁」
アテナさんが上に向かって盾を投げるとその盾が空中で止まる。それと同時にアテナさんへ向かって2対のまるで燃えているかのような光の柱が突き刺さったように見えた。
「アテナ様⁉︎」
「大丈夫だアルベド。よく見てみろ」
「…!流石でございます」
光の中をよく見てみると一片たりともアテナさんへ届いておらず、先ほど投げていたアテナさんの盾で防がれていた。
「アテナさんは完全耐性こそないがなほぼ全属性の耐性を底上げしているのだ。特に苦手な属性がない代わりに得意な属性も無いが相手によって装備を態々変える必要がないというのが最大の特徴だな。純近接戦特化の相手だとまた装備を変えるらしいが…詳しくは私も知らなくてな。すまないな」
「とんでもない!至高の御身のお話を聞けてこのアルベド、恐悦至極でございます!」
「…?ちょっと、記憶よりも火力、高い……けど、大丈夫、そう。じゃあ、つぎはこっちの、ばん」
光の柱が収まるとアテナさんは真上に跳躍をした。
「シールドバッシュ」
片方の天使を盾で殴りつけ、ノックバック効果で一気に突き放し更に追撃を始めていた。恐らくは俺がタイマンを張れるようにしてくれたのだろう(アルベドがいる時点でタイマンではないが)
複数相手なら不覚を取る可能性があったかもしれないがコレなら話は別だ。
「(まあこの程度ならアテナさん単騎でも倒せそうだけど。油断は禁物だ)まずは小手調べと行こうか。
第九位階・雷系魔法の最上位を撃ち込む。が、魔法は命中したが天使を殺すまでには至らなかった。
「ふむ。流石に一撃で仕留めるのは難しいか。では次だ」
『……!』
天使はマズイと感じたのか手に持っている錫杖を大きく振りかぶり勢いよく振り下ろしてくる。
しかし俺の前にいたアルベドがそれを片腕で防いだ。天使は何度も錫杖により攻撃を仕掛けてきたが悉くアルベドに弾かれる。
「(流石にレベル75程度の相手ならアルベドでも余裕か。…ん?距離をとってきたな)」
天使は距離をとったかと思うと再度錫杖が砕けていた。
先程アテナさんを襲った魔法なのだろうが、馬鹿正直に受ける義理はない。
「アルベドよ、あの天使を地に叩き落とせ」
「ハッ!」
「(最初見た感じからして…多分だけどあの魔法は……)」
俺の予想通り、アルベドが近づいていてもまだ魔法は発動されない。どうやら錫杖を砕き、その後一定時間が経たなければ発動できない類の魔法だろう。これもユグドラシルの時と同じだった。
このスキがあるからこそ、この天使が雑魚と呼べる所以だったわけだが。
そんな隙だらけな天使をアルベドが叩き落とせないわけがなく、頭上に跳躍したアルベドの斧による一撃で天使が地面へ叩きつけられていた。
「よくやったアルベド。とどめは私が刺す。離れていろ」
アルベドが離れたのを確認し今度は第十位階の魔法を叩き込む事にする。
「
天使の頭上から闇の柱が突き刺さる。耐えることはなく今度こそ天使は霧散していた。……やっぱり所詮雑魚だったか。
「もう少し骨のある個体だったらよかったんだが。さて、アテナさんは…ふふ、流石だな」
アテナさんの方を見ると向こうでも地面に叩き落としたのか地面にひれ伏していた天使の胸の辺りに槍を投擲し、深く突き刺さった事で天使はその場に固定されていた。
「アインズ様!お見事でした!」
「ありがとうアルベド。だがこれもアテナさんが片割れを引き離してくれたのとお前が私を守ってくれたからだ」
チラと人間たちを見てみると全員が唖然として固まっていた。
何人かは両手を合わせて祈っていたが。
「あいんずさ、おまた、せ、です」
「はいお疲れ様……あの?アテナさん?」
「はい?」
「
アテナさんが戻ってきたと思ったら片手で天使の顔面当たりを掴んで引きずっていた。所謂アイアンクローとかいうやつ。天使は精いっぱい抵抗しているが力が残ってないのか虚しくガチャガチャと音を立てているだけだった。
「……なんか、許してください、配下になります、命だけは、って、いわれたので、アインズさんにきいてみるって、ことになりました」
「は?」
「召喚者、すてるの?ってきいたら、そいつとは、契約を切る、これからは、私に仕えるって」
「えーと?もしかしてその天使…」
「?さっき戦ってた月天の熾天使、ですよ?」
「にしてはちっさくないですか?」
「大きすぎるから、小さくなれって言ったら、小さくなりました。で、あとは上なのをわからせるために顔面つかんで、引きずってきました。アインズさん、これ、どうすればいいですか?」
「…‥ちょっと考えさせてください。ソレに関しては保留で」
「わかりました」
「とりあえず離してあげては?」
「……」
そう提案するとめっちゃ
「あの、何かあったんですか?」
「アインズさんに、手を出したゴミに、身の程を分からせないと、気が済みません。それに信用できない、です。本当なら、このまま殺してやってもいいです」
「今すぐ離しましょう」
「……はい」
どこかヒートアップしているアテナさんの肩に手を置き言い聞かせると渋々、ほんっとうに渋々手を離した。
アイアンクローから解き放たれた天使は心なしが安堵しているような気がする。
「……アインズ様と私に、絶対の忠誠、ちかいます、って」
「言葉分かるんですか?」
「種族の、おかげなのか、わかります」
「なるほど」
「ところでアインズ様。アテナ様。あの人間どもはどうされますか?」
アルベドに言われ人間たちをみると戦意を失っているのか1人を除きその場にへたり込んでいた。
「お、おまえは…お前たちは何者なのだ!」
「アインズ・ウール・ゴウンだよ。この名は嘗て、知らぬ者がいない程には轟いていたのだがね」
人間の問いに答えてやると同時、空が割れた。
覗き魔か。小癪な。
「な、なにが」
「何らかの情報系魔法でお前を監視しようとした者が居たみたいだな。私たちの攻性防壁が起動していたから対して覗かれていないはずだが」
「本国が…俺を?」
国にすら信用されていないのか。それともコイツらすら国にとっては使い捨てのコマだったのか。真偽は不明だがやることは変わらない。
「では遊びはこれくらいにしよう」
「ま!まま、ま、待ってほしい!アインズ・ウール・ゴウン殿!いや、様!私たち!いえ私だけでも構いません!いっ、い、命を助けてくださるならば!の、のゾッ、望む額を、よ、よっ、用意、いたします!」
「アナタ間違って…」
ドォン!
その瞬間に何かが響いた。
アルベドが喋ろうとしていた言葉を遮り、何かが破裂するような音が。
「……」
「ヒィッ⁉︎」
「……アインズさん、殺さなければ、それで、いいですか?」
「え、ええ。うん、はい。殺さなければ、問題、ありません、です」
音の発生源はアテナさんからだった。
槍を思い切り地面に突き刺し、地面が凹んでいた。
明らかにブチギレている。
「……おい、人間」
「ひゃいっ⁉︎」
「さっきから聞いていれば、都合の良いことをペラペラと。お前達はアインズさんへ刃を向けた。それだけでも万死に値するというのに。
挙句の果てに仲間を売って自分だけでも助かりたい?
巫山戯るのも大概にしろよゴミが」
「も、申し訳っ⁉︎」
隊長が何かを喋ろうとした瞬間にアテナさんが跳躍。そのまま顔面を掴んで地面に叩きつけていた。
もちろん耐えられるわけがなく頭が綺麗に潰れた。
…あれ、殺さないって言ったような。
「…
「ハッ⁉︎お、俺は…ヒィッ⁉︎」
「私は、お前のような仲間を見捨てるような、輩が、死ぬほど、嫌い、だ」
「も、申し訳、もうしわげぇっ⁉︎」
アテナさんは蘇生の魔法をかけてもう一度地面に叩きつけて殺した。
そしてまた蘇生の魔法を。
「それに、罪もない相手を蹂躙するのを神の為と曰い正当化するその行為も」
グシャ
「他人の覚悟を嘲笑うその行為も」
グシャ
「他人を殺す癖に自分は殺される覚悟がないのも、自分に危険が及ぶと分かった途端に周りを盾にしようとするのも」
グシャ
「ほんっとうに、大っ嫌いだ。次同じようなことをしてみろ。死なんぞ生ぬるい、地獄の業火を見せてやる」
その後も何度も何度も、執拗に、徹底的に
殺し、蘇生し、殺し、蘇生を続けていた。
同情などする余地もないが、そろそろ止めるべきだろうと思いアテナさんの肩に手を置く。
ようやく止まり、哀しみに満ちた笑顔で-----まるで死刑を待っているかのような顔で-----俺を見た。
「アテナさん、その辺で。情報を聞き出す前に壊れてしまいます。…いや、もう手遅れか…?」
「……ごめんなさい」
「いえ問題ありません。ですから、そんな哀しい顔をしないでください。俺まで哀しくなってしまいます」
「……だめだった、です。昔、思い出して、いてもたっても、いられなくなって、怒りが、私の中を渦巻いて。……八つ当たり、しちゃいました」
「深くはお聞きしません。今話さなくても大丈夫ですから。話したくなったらで大丈夫です。予め言っておきますね。俺はアテナさんを見捨てるなんてことはしませんから。絶対に。
…さて、残りの残党はどうするか」
アルベドにアテナさんを預け、残りの人間の方を向く。
するとものの見事に全員が土下座をし始めた。
だが許す気は毛頭ない。アテナさんにあのような顔をさせた罪は重い。
「確かこうだったな?無駄な足掻きをやめてその場で大人しく横になれ。せめてもの情けに、苦痛なく殺してやる」
〜???〜
「ん〜?」
「どったのですか」
「どった…?いやまあ、私があげた魔封じの水晶あるじゃん?」
「ええ」
「使ったぽいね。しかも熾天使2体を多分速殺ときた」
「なぜそんなことがお分かりに?」
「実はあれ私が制作依頼出した特別性魔封じの水晶で、普通のやつに比べて上位互換でね。いつ水晶を使われたのか、使ったあとどうなったのか断片的に分かるようになってんの。相手がどんなだとかは流石に無理だったけどね」
「で、使われたと思ったらすぐ存在が消えたと」
「イェース。ま、どーでもいいかな。それよりも!飯!」
「やっかましいですね」
「食わねば何とやらよ!」
「だから貰い手いないんですよ。はいどうぞ」
「うるせいやい!ありがとな!早く食べて出発するわよ!」
「どちらへ?」
「王国!のエリンテルだっけ?」
「エ・ランテルでは」
「そうそれ。商人から聞いた話だとなんかうんまい飯処が出来たらしいからね!食べに行くしかないでしょう!ついでに冒険者とかにでもなってみる?」
「謹んでお断りした上で塩を撒いておきますね」
「拒絶スゲェ。かなしぃ」
2人がナザリックに出会うまで、あと……
???の存在をどこで出すのか、悩みどころです。
ストーリーに深く関わらないようにしつつメインキャラ達と関わらせたい(矛盾
そういえばお気に入り登録者様が300人を超えていました。
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