佐世保に帰ってきたかつらぎは提督のところへ報告に来ていた。
「で、連れて帰ってきたのか。」
「いいでしょ?」
「まぁうん…ちょうど良かったな。」
「ちょうど良かった?」
「ハワイへの輸送要請がアメリカから来たんだ。道案内にいいだろ?」
「いやそれもう間に合わないでしょ。」
「ハワイはまだ通信が繋がる状態で包囲している深海棲艦とにらめっこしてるんだとさ。」
「意外と頑張ってるのね。」
「ハワイの人達は太平洋戦争の日本軍ばりに奮闘してやると意気込んでるらしい。」
「硫黄島みたいな?どっちにせよ地獄…。」
想像するだけでも恐ろしい。
「出発は今週中だから頼んだぞ。」
「はいはい。」バタン
扉を閉める。
「いたぁぁぁぁい!」
廊下に出るやいなやコロラドの悲鳴が聞こえる。
「コロラドさん静かにお願いします。」
「歩くの速いよぉ!バケツ使わしてよぉ!(泣)」
「間違って中身を飲む人がいますか!遠征部隊が帰投するまで我慢してください。」
朝潮に支えられて歩くコロラドがいた。
おまけにバケツの中身を飲むとかいうとんでもない話も聞こえる。
「あんた変な事するのね…。」
「あ、かつらぎさんお疲れ様です。」
「聞いてよ!朝潮がいじめるの!」ビエーン
「えぇ…。」
「コロラドさーん!バケツですー!」ドドド
そこへ遠征から帰投した親潮がバケツを持って走ってくる。
次から次へと人が現れてせわしないことこの上ない。
「あっ!」ガッ
「あ」
親潮が思いっきりこける。
その勢いでバケツが一直線に飛ぶ。
「グハッ」バシャァァァァァ
そしてコロラドに直撃した。
いつの間にか朝潮は退避している。
「…。」ビッショリ
「…大丈夫?」
「…おうち帰る…。」
「え…ああうん…。」
片付けは3人でした。
その頃南太平洋には相も変わらず晴れ渡った空に光を反射して美しく輝く海がある。
そこに佇む人影が一つ。
「…。」
呆然としながら呟く。
「海で一人、おまけに人型…。」
「ここどこぉぉぉぉぉ!?meはどうすればいいのぉぉぉぉ!?」
「Hoooooooly shiiiiiiiiiiit!!!!!!!」
力の限り叫んでみるがもちろん返事はない。
「…。」
「…そうだわ!きっと世界に危機が訪れたから私が呼ばれたのね!」
「危険思想の南下に違いないわ!このアイオワに任せなさい!」ザザザ
アイオワは自分を無理矢理納得させると適当な方向へ全速力で航行を始めた。
あまりの錯乱ぶりに魚も近寄らない。
自分が正義の味方だと信じてやまないあたりさすがアメリカといったところである。