ようやっと時間を確保できました、死にそう。受験勉強はぼちぼちです。まぁ推薦は落ちたけど(笑)。共通テストでどんくらい取れるかにかかってます。毎日補習だよ!毎週末模試だよ!11月のマーク模試は偏差値57だよ!やったね(血涙)!数学難しすぎだね!
「雪~の進軍 こ~おりを踏んで ど~こが河やら 道さえ知れず~。」
「馬~は斃れる 捨ててもおけず~ こ~こは何処ぞみ~な敵の国。」
海上に浮かぶ二つの人影のうち片方が、案外ノリノリで歌っている。しかも海上自衛隊で演奏されるような曲ではなく、旧陸軍の行進曲である。海の上で行進曲という状況に加えて旧陸軍の曲というもんだから、不可思議極まりない。
「あの、何で雪の進軍なんです?私達海上自衛隊所属なんですから軍艦行進曲歌って下さいよ。というかそもそも行進してないですけど。」
「ほら、軍艦行進曲よりこっちの方がちょっと柔らかい感じがするじゃん。気分がちょっと上がるでしょ?ガルパンで使われてたしさ?」
適当に笑って流そうとするかつらぎ。そんな二人の頭上では、SH60Kが飛行している。特に動作に問題は無かったらしい。こんな微笑ましい(?)やりとりが行われているが、その実、どうしようもない状況に置かれ頭が死にかけているだけである。割と偵察機を飛ばして時間が経っているが、まだ反応がない…はずだった。
タブレットが警告音を発する。分かりやすくそれっぽい音に設定してあるようだ。ほら、あのあれだよ、dead apaceのUSGイシムラで聞ける感じのやつだよ。
「きっきっ…きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ちょ…うるさいです!…正体が分からないんだから時期尚早ですよ、喜ぶのは。」グワシ
「島すら映らなかったんだから喜ぶのは当然でしょう?しかもこれ見なさいよ、ほらこれ!」
あきづきに手渡されたタブレットの画面の端っこには確かに赤い点で反応が示されている。なるほど、詳細によると6隻が単従陣を組んで北北西に進んでいる。これらの艦艇らしき影の動きは人為的なものだと分かるだろう。速度的にはこちら側がやや早く移動できると言ったところか。
「ふ〜ん、確かに艦隊のようですね。いったいどこの国のものなんですかね?ここが地球だとしたら、外洋を航行できる艦隊を持っている国はかなり絞り込めますが。」
唸り声を上げながらSH60K着艦させるあきづき。ヘリはそのまま格納庫へ運ばれていった。するとしばらく出番はないと言わんばかりにシャッターが下ろされていく。
「接触を図ってみようと思うのだけれど…護衛もつけた方が良いかしら?」
「護衛は派遣するとして、目視での確認を行った方がよろしいかと。気休めでしょうが、雲があればそれに隠れてましょう。」
「OK、ミサイル飛んできたら頼むわよ。」
「やりますよ、僚艦防空が仕事ですから。」
フライトデッキに4機のF-2がエレベータを使用して現れる。F-2の両翼が太陽の光を受けて煌めく。飛行日和といえるだろう快晴の元、カタパルトにセットされていく。甲板上には他の機体がいないため、カタパルト4本を順次使用して発艦させることにした。轟音と共にF-2が1機ずつ空へ飛んでいく。全機発艦し終えると、編隊を組みながらE-2Dのもとへ急行していった。
ゴォォォォォ…
「さてさて、どんな船かしらね。」
その言葉と同時に、遙か彼方を飛行するE-2Dが旋回を始め正体不明の艦隊へ向かう。なかなか大胆な飛行である。
「火器管制レーダー照射されないと良いですねぇ。付いてるか知りませんが。」
「正体不明の航空機にレーダー照射するのは当然でしょう、火器管制レーダーだったら容赦しないけどね。」
ムスッとした顔で対応する。案外あの事件を根に持っているらしい。結局生むやむにされているのがそうさせているのだろうか。当時、某半島の南側国家の大統領があれだったからというのもあるに違いない。
ゴォォォォォ…
護衛のF-2が追いつく少し前に、E-2Dが艦隊を目視できる距離に近づいた。季節が夏であるため雲が多く、案外綺麗に隠れることが出来ている。海上ではレーダーにあった反応と同じように、6隻が単従陣で航行している。
「…この世界には船が人になる呪いでもあるのかしら?」
あって欲しくないと願っていた事実を突きつけられ、口の端をヒクつかせている。
「…そういうことですか?ソレ…。」
「ええ。」
「…それ以外には何か分かります?」
一瞬諦めたように白目を剝いていたが、すぐに戻って質問をしてきた。いや、諦めたからこそこれほど早く対応したのか。もうどっちでもええわ。そう思ってE-2Dを操縦する。一時的に雲を出て詳しく観察をする。自分たちと同じように艤装をつけている。見た感じ、大型が1、中型1、小型4といったところか。空母と思しき大型(?)はもちろん飛行甲板を装備しているが、色がおかしい。茶色、木材なのか?この時代に?おまけに艦の番号ではなく、カタカナで「ズ」とある。
「ねぇ、今の時代に木製の甲板を持った空母っている?」
「はい?何ですか?急に。」
「いいから。」
「えぇ~っと…アメリカ海軍のミッドウェイ、イントレピッド、ホーネットとか保存されてますが、いずれも木製の甲板ではないですね。はい。」
「…OK。」
分かってはいたが、やはりそうであった。しかしそうなると、一体何がモデルなのかという疑問が発生する。と同時に意識をE-2Dに戻すとその空母から艦載機が発艦している。しかもこっちに旋回する機体がある。雲から出ている時間が長すぎて見つかったらしい。海上自衛隊にあるまじき気の緩みである。
「やっば見つかった!」
「え!?何してるんですか!?はやく逃げてくださいよ!撃ち落とされたら目も当てられませんよ!?」
「全速力で雲の中に逃げたわよ!…でも追いつかれるかもしんない。」
「F-2は?」
「…あと5分。」
顔を手で覆って絶句している。情報収集のために飛行速度を抑えていたのが仇になってしまった。
その頃、雲の中に逃げたE-2Dは乱気流に見舞われていた。隣にあった雲は積乱雲だったようだ。機体が激しく揺れ軋んでいる。雷が直撃でもすれば、いくら対策されていても計器その他が死ぬかも知れない。
「逃げた雲は乱気流だったわ…しょうが無い。雲の外に出て逃げ切るしかないわね…。」
「…頼みますよ。」ジトッ
「ま、任せなさい。」
機体を右に傾け雲を抜ける。幸い大きな被害は無かったらしい。と同時に本機の6時方向、6機の機影が見える。雲の中で引っかき回されている間に距離が縮んだようである。
「数6、結構近いわね。」
「速度差はどうなんですかね。」
「分かんない。距離保って追ってくる。」
間隔を開けて追尾される時間が少々続いたが、追っ手のうち3機が軌道を変える。あ、これは狙い定めてるやつですわ。そう思うと同時に向こうは撃ってきた。無駄と分かっていても右に旋回し、急降下する。
「うぉぉぉぉぉ撃ってきたぁぁぁぁ!」
「F-2は!?」
「もう追い付く!」
E-2Dが降下していくと轟音と共に高速ですれ違う機体あり。それらはすれ違いざまに追っ手の3機へ機銃を浴びせ撃墜する。F-2がギリギリ間に合った。黒煙とともに墜落する追っ手の機体。はっはっは、どうよこの早業…そういえばなんかレシプロ機っぽい気がしたな。遠ざかる敵機の翼にはキラリと輝く日の丸が塗装されていた…日の丸?今なんて言った?
1時間程前
「天気晴朗なれども波高し。」
「私の目には穏やかな海が見えるんだけど?」
「そうか、瑞鶴には私と違うものが見えるんだろうな。」
「磯風、今なら爆撃と雷撃、除隊のうちどれか一つただで貰えるわよ。」
「はっはっは、出血大サービスだな。」
成り立っているけれど返事になってない返事を脳死状態で貫く磯風。諦めて前を向き直す瑞鶴と若干引いている4人。あれ?うちの磯風はこんな性格だったっけ?と思わずにはいられないだろう。
「あのう磯風さん、その様子が今後も続くと思うと不安で仕方ないんですけど…。」
「阿武隈よ、こう代わり映えのない索敵任務を初めて3週間目だぞ。どうして狂わずにいられようか、いやいられない。」
「漢文の日本語訳みたいに言わないで下さい…。」
これはどうしようもないと同じく諦める阿武隈。そんな彼女をそらそうだと同情の目で見る天霧。そう思うと未だに自我を保っている自分と他のメンツが凄い気もしてくる。いや、全然嬉しくない。もっと他の戦果とかで喜びたい。とかなんとか思っていると正面左の雲に黒い点が見える。先程まではなかった気がする。レーダーにも異常は無いし、眼鏡に付いたゴミだと思った。しかしレンズを吹いても確認できるため、ようやくあれが違う何かだと気が付いた。
「10時の方向、黒い点がある。ありゃなんだか分かる奴はいるか?」
「え?何処よ?」
「初風、もっと雲の下部ギリギリだ。」
「ん~…航空機!1機しか居ないところを見ると偵察機かな?」
海上で双眼鏡は視界が揺れて使いにくいことこの上ない。だが翼が生えていることくらいは分かる。
「瑞鶴、追っ払った方がいいんじゃないか。」
「旗艦はあたしなんだけど、指図しないでよね。まぁ確認の意味も込めて追い払うわ。」
逃げられると面倒なので、首尾よく艦載機を出す。3機上げ終わると同時に正体不明の機体が雲の中へ消える。
「逃げたぞ!左に旋回して雲の中へいった!」
「む、勘が鋭いのか手練れなのか…。」
達観した口調で呟く磯風、お前何もしとらんやろがい、というツッコミはしないでおく。6機の零戦が続いて雲の側面へ消える。雲から出てきた瞬間を押さえるつもりである。まさか逃げられることは無いだろう。雲は思ったより小さく、すぐに後ろへ流れていった。そこにあるは先ほどの機体と思われる航空機。遠目でもなんか大きいし円盤状の物体が付随していることが分かる。何だあれ、フリスビーかぁ?
「円盤状のパーツがあるなんて妙な航空機ね。」
「冗談はよした方がいいぞ、幻覚でも見たか?」
「見るわけ無いでしょ、あんたじゃあるまいし。取り敢えず所属やらを言うよう呼びかけるけど、返事がなかったらやるわ。見たところ深海棲艦ではないようだけど。」
「そうか…なにやら面倒なことに巻き込まれたかも知れんな。」
取り敢えず追いかけながら交信を試みる、が一向に速度を落とす気配も返信する様子もみせない。ひたすら東に飛び続けている。
「…うんともすんとも言わないから、撃墜するわよ。」
「報告した方がいいんじゃないですかぁ…新型の偵察機なだけかも知れませんよう…。」
「返事しない方が悪いのよ(圧)。」
「もう…。」
半数に当たる3機が攻撃態勢に移る。鬼ごっこは終わりだと言わんばかりに銃撃を始める。と、偵察機は図体に似合わない急旋回と急降下を繰り出す。意表を突く飛行であったため反応が一瞬遅れたが、すぐさま同じように急降下する。雲の下へ抜けると同時になにやら轟音が近づいてくる。零戦のソレとは比較にならない轟音である。視界の彼方に見つけた点は急速に接近すると、すれ違いざまに銃撃を浴びせてきた。もちろん対応する暇も無くほとんどの攻撃を浴びる。え?なに今の?
「は!?何今の!?」
「おい静かにしないか。」
「いやいや、攻撃に出した3機が一瞬でやられたんですけど何アレ!?早すぎでしょ!」
「何?…よく分からんがそれが本当なら逃げた方がいいんじゃないか?引き際を間違えるなよ。」
「瑞鶴さんの艦載機が瞬殺…不味いんじゃ?」
「リヒトホーフェンでも乗ってるのか?」
「天霧さん性能の話だと思います…。」
「おっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
「相変わらずですが、間に合って何よりです。」
「え…。」スンッ
急に黙りこくってしまった。そら敵の機体に日の丸があったんだから当然だろう。味方であったかも知れないのだから。もっと詳しく観察した方が良かったのかも知れない。
「ちょっと、なんで急に黙るんですか。」
「…翼に日の丸があった。」
「…まだ間に合うかも知れません、通信を全部の周波数に片っ端からかけて下さい。」
「マジで?」
「ええ。」
「あんたの冷静さ、尊敬するわ。」ゴソゴソ
そう言いながらスマホとタブレットをいじり始めた。単純明快、呼びかけながら周波数を変え続ける。仮にあの日の丸が本物で同じ日本機であるとすれば、このよくわからん世界にも懐かしの日本が存在するかも知れない。そう思うとやる気が満ちてきた。
大学の二次試験は2月の後半です。それが終わったらかなり余裕が出来るので執筆頑張ります。