「…どうやら、ステージは俺らの味方らしいな。」
MSよりも巨大な木の間を抜けながらリョウが呟く。
「でもこれじゃレーダーだけが頼りになるな…。キョウコ、索敵頼むぞ!」
トウマが指示を仰ぐ。流石のリョウでもノーマルストライクでは厳しい戦い、今はこの二人の連携が頼りだ。しかし今日はまだ運が良かった方だ。カンノスケは大火力な重MSを好んで使用する。広い荒野だったりしたら更に不利な状況になっていただろう。リョウはため息と共に呟いた。
「さぁ、どうくるか…?」
「どうするリョウ?探しに行くか?」
「いやまだ隠れてる方がいいな。」
そう呟いた瞬間、遠くから爆発音と共に怒号が聞こえてきた。どうやら邪魔な木に嫌気がさして力ずくで進んでいるようだった。
「そらきた、お山のゴリラが暴れてるぞw」
トウマが笑いながら言う。それが聞こえたみたいに怒号と爆発音が増した。
「ええぃ!邪魔過ぎる!」
カンノスケは自慢の重MS「スーパーカスタムドム」で無理やり道を作っている。もう弾薬の有無など眼中になかった。バズーカ、ミサイル、マシンガン、果てはレールガンも使いただあの憎いトウマに痛い目合わせたい為に弾を浪費する。すると目の前に一際強い光が射し込んだ。
「む?森を抜けたか…?」
しかしそこは巨大な吹き抜けだった。大きく落胆するカンノスケはまた道を作ろうと武器を構える。その時ーーー
「ぬおっ!!?」
四方からビームが飛んできたのだ。スーパーカスタムドムは避けきれず全弾を食らってしまった。幸い重装甲に阻まれ軽度のダメージで済んだ。しかし不意打ちを食らってはカンノスケも黙っていられなかった。
「ぬがあああああああッッ!」
ありったけの火力を四方八方にぶちかました。しかし森の奥からはリョウらの反応はなかった。カンノスケは更に頭に血がのぼる。
「おい!トウマ!リョウ!正々堂々、てでこんかクソッタレ!」
「あいよ!!」
刹那、リョウのストライクが上から飛びかかってきた。
「何ィ!?」
不意をつかれたカンノスケは暫く動けなかった。そしてリョウはアーマーシュナイダーを二本ともモノアイに突き刺した。スーパーカスタムドムは頭部を派手にスパークさせながらがむしゃらに打ち返す。もはやカンノスケは怒りと焦りで冷静さを失っていた------ように見えた。
「ふ、ぬははははははッ!リョウ!甘いッ甘いぞ!」
するとスーパーカスタムドムはどこからかアンカー付きチェーンを取り出し左肩のアーマーと接続させ即席でハンマーを作りだしたのだ。破壊したはずのモノアイも内部の三点カメラへと切り替えられてた。振り回されたハンマーは油断しきったリョウのストライクの腹部に直撃する。
「う、ウソだろッ!?」
隠れていたトウマは突然現れた武器に驚愕する。今まで猪突猛進を体現したような戦い方のカンノスケがここまで用意周到な行動をとることはトウマ・リョウはもちろん、騒ぎを聞きつけたギャラリーさえも開いた口が塞がらなかった。逆にいえば「あのカンノスケがすることのないはずの行動」を本人がとったことでこれまで見て、知ったことへの全否定そのものを表現しているかのようだった。
しかし一方でリョウは違和感を覚えていた。一つだけ引っかかることがあった。「三点カメラ」の存在だった。このカメラは「Zガンダム」のアッシマーの頭部に内蔵された予備カメラが代表的なものだ。ましてやファーストのドムなどには搭載されているわけがなかった。頭部が変わっているわけでもない。だとすれば答えはひとつ。
「カンノスケ!お前まさかプラモ部を脅したか!?」
「ンなわけあるか!俺が直々に頼んだんだ!お前らに一泡吹かせるためになァ!」
カンノスケはプラモ部に頼み込み、復讐の為に改造したのだ。それを上手く使いこなせている所をみると相当な練習を積み重ねたのだろう。カンノスケは息を吹き返したように重火器をぶっぱなす。
「どうするリョウ!?後はイーゲルシュテルンくらいしか残ってねぇぞ!?」
ーーーこのままじゃ...負ける!
その時だった。
???「いい加減にしなさああああああい!」
エピソード4,完
プラモ部の改造によりパワーアップしたスーパーカスタムドム。
俺たちは油断し絶体絶命!
そこに突然響く声。声の主は誰だ?
そして俺とトウマの運命は...!?
次回、エピソード5.参上!生徒会チーム!
トウマ「げっ!?この声は...。」