魔法少女リリカルなのはFH   作:ワンダバ

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007 すれ違いと交錯する思い

 

 フェイトとの戦闘から数日、おれはより訓練にのめり込むようになった。

 ジュエルシード探しを続ける限り、金髪のあの子・・・フェイトとは必ずまたぶつかり合うことになる。

 話し合いでなんとかできるんじゃないか? そう漠然と考えていたが、それは敵わないことだと先日の戦闘で思い知った。

 フェイトはジュエルシードを集めるためならおれ達に危害を加えることを厭わない。こちらもユーノのためにジュエルシード集めを諦めるわけにはいかない、ならばもう戦うしかない。

 でも今のままじゃどうあってもこちらに勝ち目はない。そう思ったからおれは訓練をさらに激化させる。

 もう負けるわけにはいかない。だがこのままではいけないという思いもある。

 おれもなのはもフェイトと戦うことは本意じゃない。

 どうすればいいのか、その答えは未だ出ていない。

 

 

 007 すれ違いと交錯する思い

 

 眠い目をこすりながら廊下を歩く。最近少し寝不足気味だったが、訓練を激化させたおかげでより悪化してしまった。エリスやユーノには無茶しすぎだと言われているが、多少の無茶で止まっている場合じゃない。

 教室の扉の前で立ち止まり深呼吸をする。下手に落ち込んでいるようなところをアリサやすずかに見せるわけにはいかない。

 どうしたと問われても答えることなんてできないから、学校では常に平静を装っていた。

 扉を開け挨拶をしようとした時だ。

 

「いい加減にしなさいよ!」

 

 机を叩く音と一緒に怒鳴り声が聞こえる。そちらに顔を向けるとなのはとアリサ、それにすずかのいつもの3人。

 彼女たちが一緒なのは何も問題じゃないが、状況はいいとは言えない。

 

「お、おいおい。何事だ?」

「あ、雪道君……」

 

 すずかが困ったようにこちらへ顔を向ける。

 アリサは依然としてなのはを睨みつけたままだ。

 

「この間から何話してもうわの空でぼーっとして!」

「ご、ごめんねアリサちゃん」

「ごめんじゃない! あたし達と話してるのがそんなに退屈なら1人でいくらでもぼーっとしてなさいよ!」

 

 そういうことか。

 旅行から帰ってここ数日、なのははぼーっとしていることが多かった。おそらくフェイトとのことを考えていたのだろう。そうなるのは仕方がないのかもしれない。

 むしろなのはがそんな感じだから、おれはいつも通りを演じているわけなのだが。

 ともかくアリサを落ち着かせようと声をかける。

 

「お、落ち着けアリサ。な?」

「あんたもよ雪道!」

「え?」

「自分では普通を装ってるつもりだろうけど、お見通しなんだからね! そんな目の下にクマを作って隠せると思ってんの?」

「う……」

「いくよすずか!」

 

 そう言いながら去っていくアリサ。―――ばれていないと思っていた。アリサ達とは知り合ってそれほど経っていない。

 表情とかに努めて出さなければ大丈夫だと高を括っていた。

 そんな風に思っていたのだから、怒られても無理はない。友達失格ってやつかな……

 

「ア、アリサちゃん! あ、なのはちゃん……雪道君……」

「いいんだすずか」

「うん、今のはなのは達が悪かったから」

「そんなことないと思うけど、とりあえずアリサちゃんも言い過ぎだよ。少し話してくるね?」

「悪い」

「ごめんね」

 

 なのはと共にアリサを追いかけて行くすずかを見送る。

 

「怒らせちゃったね……」

「何やってるんだろうな、おれ達」

「うん……」

 

 2人で俯き、心の中でアリサとすずかに謝るのだった。

 

 

 

 

 アリサ・バニングス Side

 

 なのはと雪道に言いたいことだけ言って教室を飛び出してしまった。

 少し言い過ぎたかと思うが、そんなことはないと首を振る。

 後ろからすずかの声が聞こえてきた。追いかけて来たのだろう。

 

「アリサちゃん!」

「何よ?」

「なんで怒ってるのかなんとなくわかるけど……ダメだよ、あんまり怒っちゃ」

「だってムカつくわ! 悩んでるの見え見えじゃない。迷ってるの、困ってるの見え見えじゃない! なのに、何度聞いてもあたし達には教えてくれない。雪道に至ってはそんな素振りすら見せない! 悩んでも迷ってもいないって嘘じゃん!」

 

 そう、嘘だ。

 何でもないと繰り返すなのは。なんでもない風を装う雪道。見てれば嘘だということは丸分かりだった。

 しかし2人は相談しようともしてくれない。それが最高に気に入らない。

 2人にとって自分たちはその程度の存在だったのか?

 そう思うと怒鳴りつけないことには気が収まらなかった。

 

「どんなに仲良しの友達でも言えないことはあるよ。2人が秘密にしたい事だったら、私たちは待っててあげることしかできないんじゃないかな?」

「だからそれがムカつくの! 少しは役に立ってあげたいのよ!」

「………」

「どんなことだっていいんだから……何にもできないかもしれないけど、少なくとも一緒に悩んであげられるじゃない!」

 

 何も言いださないってことは、私たちがどうこうできることじゃないってことは分かってる。

 それでも……少しでいい、遠回しでもいいから話してほしかった。

 話すことで気が楽になることだってあるかもしれない。もしかしたら何かヒントになることを言ってあげられるかもしれない。

 ちょっとでもいいから頼ってほしかったのだ。

 

「やっぱりアリサちゃんも、2人のこと好きなんだね」

「そんなの当り前じゃない! ………あ、でも雪道は別にそういうのじゃないわよ!」

「ふふ……うん」

 

 

 

 

 昼休み、すずかと一緒に屋上に出る。思い出すのはなのは達とまだ友達じゃなかった頃のこと。

 

「あの子がいたから、私は一人ぼっちじゃなくなったんだ」

「そうだね、私もだよ?」

 

 あの学校の庭でのことを思い出す。

 あの事がなかったら、私たちは今の関係になっていなかった。雪道とも友達になんてなっていなかった。

 

「なのはちゃんがいたから私達、友達になれたんだもんね」

 

 なのはがいなかったら、私はきっと今頃……

 

 

 Side out...

 

 

 

 

 放課後になり皆思い思いに帰宅の準備を始める。

 おれもカバンに荷物をつめていると、扉のところからすずかが声をかけてくる。

 

「じゃあなのはちゃん、雪道君。ごめんね? 今日は私達お稽古の日だから」

「夜遅くまでなんだよね? 行ってらっしゃい」

「頑張ってな」

 

 2人で声をかけるがアリサは何も言わずに歩いて行ってしまう。

 まだ怒ってるのは当然……だよな………

 

「アリサちゃん……あ、大丈夫だからね? 2人とも」

「あ、うん。ありがとう、すずかちゃん」

「微妙な立場にしちまって悪いな」

「ううん。それじゃ」

 

 笑って立ち去って行くすずか。すずかがいてくれて本当に助かる。

 

「おれ達も帰ろうぜ」

「うん」

 

 なのはと一緒に学校を出て帰路につく。互いに会話はなく、非常に静かな時間が流れる。どうしてこんなに静かなんだろうと思い、すぐにその訳に気付く。

 いつも帰るときはアリサやすずかがいたから常に賑やかだった。

 皆と知り合う前はこんなのは当たり前だったのに、今はひどく寂しく感じる。

 

「ねぇ、少し寄り道して帰らない?」

「ん? まあいいけど」

 

 なのはに誘われいつもとは違う道を歩く。

 海の見える道に出て、近くのベンチに2人で腰かける。日が暮れかかっていて辺りはオレンジ色に染まっていた。

 

「アリサちゃんと喧嘩しちゃったの、久しぶりだな」

「前にもしたことあったのか?」

「うん。友達になる前に一度」

「へぇ……なあ、3人はどうやって友達になったんだ?」

 

 気になって聞いてみると、ポツリポツリとなのはは話してくれた。

 入学してすぐの頃、つまり2年前だ。

 すずかがいつもつけている髪飾りをアリサが奪いからかって遊んでいた。アリサはからかっているだけだったのだろうが、すずかは今にも泣きだしそうだったらしい。

 それをたまたま見かけたなのはが間に割って入り、アリサに平手打ちをしてアリサに言葉を投げかける。

『痛い? でも大事なものを取られちゃった人の心は、もっともっと痛いんだよ?』と。

 なんともなのはらしい言葉だと思った。

 しかしあの仲良し3人組にそんなことがあったなんて驚きだった。3人は自然と友達になったとばかり思っていたから。

 

「全然その時のこと、想像できないな」

「あはは、そうかもね」

 

 その後アリサとは掴み合いの大喧嘩になる。だが以外にもそれを止めたのはすずかだった。事の発端で、ひどくおとなしかったすずかが声を上げたことで2人は喧嘩をやめる。

 それから3人で少しずつ話をするようになっていって、今の親友という形になったそうだ。

 

「こいつは、知られざる過去を知ってしまったな」

「そんな大層なものじゃないよ」

 

 そう言って微笑むなのは。そんなことがあったのならきっと、3人の絆はそう簡単に切れたりはしないだろう。

 今月に入って友達になったばかりのおれには無いもの。それがひどく眩しく思えた。

 

「少し、羨ましいかな」

「え?」

「3人はそういうことがあって、今の形に落ち着いたんだろ? ならちょっとやそっとで崩れやしないさ。おれは途中で降って湧いたように出てきた奴だしさ、その関係が羨ましい」

「雪道君……」

「今回の事でおれは愛想尽かされちまっても文句……言えないよな」

「そんなことないよ。アリサちゃんもすずかちゃんも、雪道君に愛想尽かすなんてしないよ」

「そうかな?」

「そうだよ。じゃなかったらあの時、アリサちゃんは雪道君に怒ってないもん」

「そう……だな。そうだと、いいな」

 

 なのはと知り合うまでは1人で気ままにやってきた。友達の必要性なんてこれっぽちも考えなかった。しかし今はどうだろう。なのはがいて、アリサがいて、すずかがいて……それが当たり前になっている。

 3人のおかげで学校がより楽しくなったと、そう断言できる。

 エリスにも最近よく笑うようになったと言われた。そこまで渇いてるつもりはなかったのだが、エリスが言うならおそらくそうなんだろう。

 多分おれは、嫌われるのをひどく恐れている。この気持ちいい関係を崩したくないと、手放したくないと……そう思っている。

 別に1人でいいと学校に入学してから2年ちょっとは1人でいた。なのに1ヶ月足らずでこれだ。本当にちょろいというかなんというか。

 

「早いとこ、解決しないとな」

「うん。そうだね」

 

 海に沈んでいく夕陽を見ながら、改めてそう思った。

 おれ自身の、なのはの、アリサ達の、もっと言うならば……フェイトのためにも。

 

 

 

 

 夕方、一度家に帰って町へ出る。夕飯などの買い出しもかねてジュエルシード探しを行う。

 なのはも今は探しに出ているだろうけど、念話で別行動をしようと話をつけた。少しでも捜索範囲は広いほうがいい。

 今日はあまり来ていなかった繁華街の方へ来て探しては見るが、見つからない。あれだけ小さいものだ、そう簡単に見つからないとは分かってはいるが。

 お店のモニターの時刻を見ればもう19時を回っている。なのははそろそろ帰宅しなければいけない時間だろう。

 そう思っていると、ちょうどよくなのはから念話が入る。

 

《うーん、もうタイムアウトかも。そろそろ帰らないと》

《そうだな。なかなか思うようにいかないなぁ》

《大丈夫だよ。僕が残ってもう少し探していくから》

《なら、おれももう少し探してくよ》

《いいの? 遅くなっちゃうと思うけど》

《心配すんな。こういう時に1人暮らしってのは融通が利くんだ》

《えと、じゃあ2人ともお願いね》

《おう(うん)》

 

 なのはとの念話を切り、ユーノと合流場所を決めて歩き出す。

 もちろんその間もジュエルシードを探すのは怠らないが……まったくそれらしきものを見かけない。

 そうして歩いていくと、ユーノを発見する。

 

「おーい、ユーノ!」

 

 声をかけるとこちらに来ておれの肩に乗ってくる。

 無事合流できたことだし、続きを―――

 と思ったその時、大きな魔力を感じる。

 

「これは、ジュエルシードじゃないな」

「うん。この感じは多分あの子使い魔の魔力だ」

「確かアルフだっけ? なんでまたこんな無駄な魔力の垂れ流しを?」

「まさかこんな町中で強制発動!? 封時結界……間に合え!」

 

 おれの肩から飛び降り、魔方陣が展開される。

 とりあえず、ただ事じゃなさそうだ。

 

「エリス、スタートアップ」

「Start up」

 

 バリアジャケットを展開し、武器も取り出す。

 

「ユーノさん、結界は?」

「ギリギリ間に合ったよ。でもこんな危険なことをするなんて」

「サンキュ、ユーノ。しかしジュエルシードの強制発動か……なら」

 

 少し離れた場所で別の魔力反応、先ほど感じた場所とは別のところだ。

 

「あそこにジュエルシードがありそうですね」

「ああ。くそっ、ちょっと遠いな。ユーノ、乗れ! エリス、翼を頼む!」

 

 ユーノを肩に再び乗せ、クワイエットウィングを広げてジュエルシードの場所へ飛ぶ。

 あれからみっちり訓練を積んだので、ふらふらするようなこともない。

 

《なのは、発動したジュエルシードが見える?》

《うん、すぐ近くだよ》

《あの子たちが近くにいるんだ……あの子たちより先に封印して!》

《悪い、おれ達は少し離れた場所でな。頼む》

《分かった!》

 

 遠目から見ていると、ほぼ同時に金色と桜色の光が放たれる。

 どうやら同時に当たったらしく、ジュエルシードは少し浮いた状態で停止している。

 

「どっちだ!?」

「分からない……ともかく行ってみよう」

 

 なのはのシーリングが先だと信じて、その場所へと急いだ。

 

 

 

 

 高町 なのは Side

 

「Device mode」

 

 レイジングハートから煙が噴き出されて、デバイスモードに戻る。それを確認してからゆっくり歩いてジュエルシードに近づく。

 今、どうしてかアリサちゃんとすずかちゃんと初めて会った時のことを思い出していた。2人とも最初は友達じゃなかった。話をできなかったから、分かりあえなかったから。

 アリサちゃんを怒らせちゃったのも、私が本当の気持ちを……思っていることを言えなかったから。

 そう思い見上げていると、雪道君たちがやってくる。

 

「上手くいったみたいだな」

「なのは! 早く確保を!」

「そうはさせるかい!」

 

 上空からあの子の使い魔、アルフさんがこちらへ向かってくる。

 思わず目を閉じる……が衝撃はやってこない。目を開くと緑色のバリアが張られていて、彼女の進行を妨げていた。

 アルフを弾くようにしてバリアが崩れると、その先にはあの子が……フェイトちゃんが立っている。そのままにらみ合うようにする私達。

 

「また会ったな……なんて言う必要はないか?」

「…………」

 

 雪道君の言葉に何も返さず、ただこちらを見てくる。

 目的がある同士だから、ぶつかり合うのは仕方ないのかもしれない。

 だけど、知りたいと、そう心から思う。どうしてそんな悲しい目をしているのか。

 

「この間は自己紹介できなかったけど、私なのは! 高町なのは! 私立聖祥大付属小学校3年生」

「一方的に名乗られてるのはフェアじゃないからな。雪道だ。咲良雪道」

 

 隣に並んでくる雪道君。少し笑って、彼女の方を向く。雪道君も一緒なんだ……そう思うと嬉しくなった。

 

「Scythe form」

 

 バルディッシュの形状が変化し、金色の刃が現れる。

 私と雪道君も慌てて武器を構える。

 一度飛び上がり、こちらへ切りかかってくる。

 

「Flier fin」

「Quiet wing」

 

 それぞれ魔法を展開して空へと逃れる。ひとまず、今は私達がしないといけないことは!

 

 

 Side out...

 

 

 

 

 なのはと上空へ逃れた後、そのまま空中戦へと移行する。アルフは前回と同じく、ユーノに引きつけてもらっている。

 おれ達に勝機があるとするならそれは……2対1と言うこの状況だけだ。

 フェイトがなのはの後ろへ回り、攻撃を加えようとする。

 

「Flash move」

 

 フライヤーフィンが一度羽ばたく。すると後ろへ回ったフェイトのさらにその後ろへなのはが回り込み、レイジングハートを突き出す。

 

「Divine shooter」

「Defenser」

 

 レイジングハートの先から桜色の砲弾が放たれる。それを慌てる様子もなくフェイトはシールドで防ぐ。そのままなのはの方へと近づこうとするが、その進行方向へ割って入りライオットトリガーを振り下ろす。

 バルディッシュで防がれるが、これで!

 

「Turbo smasher!」

 

 おれの足に風が渦巻き、そのままフェイトへと蹴りを入れる。

 ターボスマッシャーは斬撃効果のある風を手足に纏わせる打撃強化魔法。この密着状態ならそう躱せないはず……!

 しかしフェイトはおれの武器を流して逸らし、後ろへ回避する。おれの足は空を切っただけに終わる。やっぱ簡単にはいかないか。

 すぐさまバルディッシュを構えて迎撃しようとするフェイト。しかしおれの後ろでなのはもレイジングハートを構えているため迂闊な攻撃はできない。

 ここに来て初めてフェイトを押している。なのはとなんとなく息を合わせられているし、これならいけるかもしれない。

 だけど、おれ達の最終的な目的はフェイトを倒すことじゃない。

 どうすればいいかおれもなのはも今日、気付いた。

 

「フェイトちゃん!」

 

 大きな声で自分の名前を呼ばれたからか、少し目を見開くフェイト。

 

「話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ何も変わらないって言ってたけど……だけど話さないと、言葉にしないと伝わらないこともきっとあるよ!」

「そうだな。ぶつかり合ったり競い合ったりするのは仕方がねぇのかもしれない。互いに譲れないものがある以上はな。だけどな、その譲れないものが分からないままで戦うのは……そんなものは認めない!」

「何も分からないままでぶつかり合うのは私も雪道君も……嫌だ!」

 

 そうだ。おれ達に今圧倒的に足りてないのは、言葉だ。

 最初に会った時も、次の時もおれ達はほとんど会話らしい会話をしていなかった。でもそれじゃダメなんだ。

 アリサ達のことがあってから、なのは達の出来事聞いてからそう思った。例え相手が聞いてくれなくても、それでも話をかけなきゃ……何も始まらない!

 

「私たちがジュエルシードを集めるのは、それがユーノ君の探し物だから。ジュエルシードを見つけたのはユーノ君で、ユーノ君がそれを元通りに集め直さないといけないから!」

「おれ達はその手伝いだった。手伝いをする様になったのは単なる偶然だったのかもしれない。だけど今は自分の意思でジュエルシードを集めてる。おれ達の住んでるこの町を、住んでる人達を危険な目にあわせないために!」

「「これが私達(おれ達)の理由(だ)!!」」

 

 2人でフェイトに伝える。今のおれ達の思いのありったけ込めて、伝える。

 そうするとフェイトは少し目を伏せ、そして話し出す。

 

「私は……」

「フェイト! 答えなくていい!」

 

 だがそれはアルフによって遮られる。くそっ! もう少しだってのに!

 

「優しくしてくれる人たちのとこで、ぬくぬく甘ったれて暮らしてるようなガキンチョになんか何も教えなくていい! 私たちの最優先事項はジュエルシードの捕獲だよ!」

 

 その言葉でフェイトは武器を構えなすと見せかけて、ジュエルシードへ向かう。

 

「くそっ!」

 

 フェイトが動くとほぼ同時になのはも動き、それに遅れておれも向かう。ダメだ、動くのが遅れたせいで追いつけない!

 ほとんど同時にジュエルシードへたどり着き、2人のデバイスがジュエルシードのところで重なり合う。

 次の瞬間、レイジングハートとバルディッシュにひびが入り、爆発的な光と共に辺りを衝撃波が襲う!!

 

「くっ!!? エリス! シールド全開!!!」

「Round shield!」

 

 手を前にかざしてラウンドシールドを展開、何とかしのごうとする。なんて衝撃と光だ! シールドを展開したまま後ろへを押しやられていく。

 なのはの悲鳴が聞こえた気がするが、自分を守ることに精一杯でどうすることもできない。シールドへと魔力を全力で注ぎこむ。この衝撃が収まった時に少しでも、動ける状態になっている必要があるから。

 なのはの無事を願いつつ、気が遠くなるのを必死に繋ぎとめながら耐えるのだった。

 

 




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