Cityの外よりも隠された場所 作:イエローケーキ兵器設計局
これは私が特殊部隊に憧れて入隊テストを受ける前の話。
「おーい、ファング!」
『ファーゴさん。こんにちは。』
色々あって一時的に統合された学園。
『小テストの予習しました?』
「ぜんぜーん。ファングは?」
『自信が無いですね。』
「なら仲間だー♪」
『一緒にしないでくださる?』
「ちぇっ……ファングは真面目だなー……」
『……多分、ジェットエンジンの話が出ると思います。』
「ファングの未来予知は何故か高確率で当たるんだよねー。サンキュー♪」
『図示問題を出すって言ってましたよ?教官が。』
「あれ?そうだっけ?あ、そろそろ1限だ。」
『小テストは3限ですから、お昼休みのうちに予習をしておきましょう。』
「ありがとねー!」
『おかまないなくー!』
火曜日の彼女は3階の第34講義室で製図の授業に出席する。私は……ちょっとだけお休み。2限から飛行訓練だから、それまでに整備をしなくちゃいけない。下級生達は整備兵にやってもらえるが、私達のようなある程度在籍年数が長い生徒は自分でやる必要がある。
『失礼いたします。』
「ファング練習生、今日も早いね。」
『Po-2教官。おはようございます。』
Po-2教官は複葉機型ARMSを使う古参兵で、とても記憶力がいい。かつては内戦中にエンジンを切って静音爆撃を敢行していたと言う。今も普通の黒髪お姉さんに見えるんだけどなぁ……
「朝早くから整備に?」
『ええ。自分の命を預ける機体ですから。』
「良い心がけです。」
『ありがとうございます。』
「……そういえば、今日は外部からお客様が来られます。」
『お客様?』
「ええ。そろそろ来られるかと。」
何も聞こえない……いや、何か来る。
『こちらですー!少佐殿ー!』
教官が帽子を脱いで振る。うん?あれか?遠くに小さな粒が見えた。それはとても早く、こちらに向かっている物体でなかったら見失っていただろう。
「……近うよれ。」
『は?はい。』
「彼はニューマコーニオシス少佐。混成大隊を率いている、非常に珍しいDOLLSよ。」
『指揮官型……?』
芥子粒くらいに見えた影は、いつの間にか空豆大にまで接近していた。
「少佐殿ー!360°旋回して着陸してくださーい!」
『お客様って……』
「彼には外部講師として訓練教官を一週間、一緒に担当してもらうわ。」
『なるほど。』
エンジン音が聞こえ始めた。赤いハロー。赤色十月の機体なのだろうか?その割には様子が違うような……
『逆ガル翼……』
「今回はF4G型で来てくれたのですね。」
『(無線)あー……あー……こちらゲスト1、エアポスト、着陸許可を。』
「こちらエアポスト、着陸を許可する。」
『(無線)ゲスト1、了解した。感謝する。』
逆ガル翼を後ろに付けた二重反転プロペラ持ちのDOLLSが一周して、降りてくる。
ガガッゴロゴロゴロゴロ……
エンジンが止まって、翼が畳まれる。ARMSが消えた……?
『お久しぶりです。Po-2先生。』
「変わりませんね。ニューマコーニオシス少佐。」
『おや?この生徒は?』
「教え子のLa-11"ファング"です。今回、一週間、一緒に訓練を受ける生徒です。」
『なるほど……ニューマコーニオシス少佐だ。よろしく頼むよ。』
『あ、は、はい!よろしくおねがいします!』
『申し訳ないのですが、屋内へ誘導願えますか。先程まで音速を超えていたので寒くて。』
「とりあえず格納庫へ。どうぞこちらへ。」
少佐を先導する教官。私もついていく。
意外とファングって勘が鋭いのでは?