Cityの外よりも隠された場所 作:イエローケーキ兵器設計局
そういえば少佐のARMSは製図用の資料で見たことがあるARMSによく似ている。
少佐『先生、ファングの戦闘訓練はもうされてますか?』
Po-2「ええ。第一線級の能力はありますわ。私が保証します。」
あ、あのー……先生?私、まだまだひよっこだと思うのですが……?
少佐『なら……うーん……』
そそくさと少佐が離れて無線機らしきものを取り出す。
少佐『私だよ、サイクロプス姉さん。黄昏石を派遣してくれる?うん、ありがとう。じゃあまた後で。』
私『あのー……少佐?黄昏石って……』
少佐『あー……はぁ……私が不用心すぎたね。記憶を無理やり破壊するのがセオリーなんだけれど……ふむ……先生、一ヶ月後にこちらに3日ほど連れてきてください。この生徒は知らなくていいことを知った。とはいえ、処分するのはとても勿体ない。見学に来てもらおう。』
先生「わかりました。」
私『強制参加なんだ……』
少佐から尋常ではない殺意らしき何かを一瞬感じた気がするのでこれ以上ぼやくのは止めた。
先生「少佐をお部屋に連れて行くので2限の準備を続けて、ね?」
私『わかりました。』
先生「話が早くて助かるわ。じゃあお願いねー!」
先生が少佐を引率して廊下に消えていった。
「へぇー……あのDOLLSが少佐かぁ……」
後ろから
私『1限は?』
9「早く終わっちゃってね。」
9「そういうファングは?」
私『うーん……乱気流に揉まれてた、といった感じ?』
9「なるほど……こりゃ的確な喩えだ。」
9「これは私の勘だけれど……多分、少佐はこの学連のメシアになるかもしれない。」
私『
9「まだ噂話だけれど、あの少佐……相当なエースで、極東急行作戦ではたったの2個中隊で強襲をかけてきた災獣1個大隊相当を殲滅したらしいよ。」
私『2個中隊?』
確か、極東の方に行くと非常に強大で強固な装甲と火力を持った災獣が発生しやすいって言ってたな。
9「そう、たったの2個中隊。」
私『どうしてそんなスーパーエースがこんなところに?』
9「さぁ……公的には志願制を取っているらしいけれど、漁りに来たのかな?」
私『まっさかぁー。』
9「でも、ファングってさっき話しかけられてたじゃない。」
私は立ち会っただけだと言おうと思ったら、いつの間にかいなくなってた。
私『あれ?』
少佐『やあ、ファング練習生。』
私『あ、どうも。少佐殿。』
少佐『さっきはごめんなさいね。』
少佐『本当は先生にだけ知らせてくるつもりだったんだけれど、先生がどうしても会わせたいと言うもので。』
私『先生とはどういう関係で?』
少佐『うーん……そうだねぇ……言うなれば戦友ってところかな。』
私『戦友……』
少佐『そう、戦友。』
私『少佐殿、貴官はどうやってあのARMSを格納されたのですか?』
少佐『あー……あれ?そうね……ARMSは基本的に人間たちによって作られた機械なわけだけれど、私達のARMSは……ファング練習生、ちょっとこっちに。』
空き教室に手招きする少佐。ついていく。
少佐『えーと……盗聴器は……ここか。』
私『盗聴器……?』
少佐『よく、こういった場所に盗聴器が仕掛けられているんだよね。』
机の下から小さなマイクを剥がして、コードを引き抜く少佐。
少佐『多分……これで大丈夫、かな?』
少佐『で、ARMSについてだったよね?』
少佐『……君は災獣との交戦経験はある?』
私『3回なら。』
少佐『なら、まあ、話していいか。』
少佐『私のARMSは機械と、生物、災獣のいいとこ取りをしたような構造になっていてね。』
黒板にチョークで図を書いていく少佐。これは翼の断面図だろう。
少佐『内部は生物と災獣のミックスのようになっていてね。』
骨格は鳥の翼のように、災獣の揚力に頼らない飛行方法を可能とする機構に類似した機能を持つと記述された装置と、鉱石類……外板、骨格はCNTと書かれている。
少佐『カーボンナノチューブ利用……まあ、まだどこもそんな技術革新は遂げてないけど。』
私は恐怖した。しかし、身体は意に反する。
私『エンジンはどのように……!?』
少佐『ターボプロップエンジンを使ってる。一応、双発機だよ。これでも。』
身体は勝手に昂ぶる。そんなつもりはまったくないのだが。
少佐『大丈夫……?身体、震えているけれど……』
私『だ、大丈夫です……!あ、ARMSを……』
少佐『ARMSを?』
私『触らせてください!』
『あー……もしかして取り込み中だった?』
こ、この声は……
少佐『確か君は……』
9「MiG-9"ファーゴ"です。ファングは機械オタクでして。」
"機械オタクでして"……そう、私は……機械オタク。
少佐『あー……ファーゴさん、できればファング練習生を引き取ってもらえないかな……質問に答えていたら体調を崩しちゃったみたいで。』
9「了解しました。ほら、ファング、行くよ。」
身体が石のように動かない。
(遠くで起きた爆発音と銃声)
「動くな!我々は赤色解放大隊だ!」
少佐『赤色解放大隊……?』
9「奴ら来やがった……」
私『話せば長くなるのですが……数年前にクーデターを起こし、離反したDOLLSと人間の集団だと言われています。』
館内放送「緊急事態発生!構内に武装勢力が侵入中!構内のDOLLS及び、人員は安全な場所に退避してください!」
少佐『ふむ……鎮圧したほうがいい?良いよね?』
ARMSを展開した少佐が『ちょっと机借りるよ』と左翼側を折ろうとしている。
少佐『あー……ファング練習生、ファーゴさん、手伝ってくれないかな?私の翼、ちょっと塑性が強くてね……』
ファーゴと目があった。やることは一つ。
9,私,少佐『せーの!』
少佐が机の天板を噛みながら痛みに耐えつつ、無理やり左翼を折れ曲がり点の外側、外翼側に力をかけて千切ろうとするのを補助する。
何回かの試行、時間に直して約30秒で左翼が折れ、一緒に壊れた机の脚を槍として、血のような赤い液体を垂らす左翼を盾とした少佐が教室を出る。
少佐『ファーゴさんとファング練習生は避難誘導!負傷者の移送!』
9「少佐!」
少佐『あー……まあ、ちょっとお話してくるよ。うん。』
『それじゃあ。』と言って少佐は廊下を曲がっていった。
響く悲鳴。銃声。金属を何か柔らかいものに打ち付けたような鈍い音。
私『ファーゴ、どうする?』
9「優等生らしくないなー……援護に行きますか♪」
銃で武装した数人をあっという間に制圧してしまった少佐。後ろから声をかけたら危うく殴られそうになった。
少佐『すまない……君たちだとは思わなかった……』
私『い、いえ……避難誘導を指示されていたのに命令違反をしてしまいすいませんでした……』
9「危なかった危なかった危なかった危なかった……」
ファーゴは少々、教訓が効きすぎてしまったみたい?
T-34くらいなら学校の壁だって体当たりで破壊できそうな気がする。