Cityの外よりも隠された場所 作:イエローケーキ兵器設計局
プロローグ
『よく来てくれた、諸君。高度1万mは絶景であろう。』
誰かが喋っている……酸素が薄すぎて何を言っているのか理解できない。
『これより酸素ボンベの支給を行う。あまり急激に吸いすぎるな。墜落するぞ。』
誰かから渡された酸素ボンベとマスク。口にマスクを押し当ててバルブを捻れば……
『……はっ!』
急激にクリアになる視界。周囲の訓練生達も皆そうだった。教官たちは良いよね。最初から付けているのだから。
『これから耐久訓練を行う。まあ、死にはしない。安心し給え。』
『地上では12.8cm連装高射砲隊、誘導対空ロケット部隊、そして我らが帰る場所、
ナロードナヤがこちらを見上げている。30秒後に訓練弾ではあるが、全力で落としにかかってくるから気をつけてくれ。』
『こちらライントホター隊、サイクロプス大尉、発射許可を待機します。』
『準備が早いなライントホター隊。マーサ大尉、そっちはどうだ?』
『Flak 40は全て準備完了。自動装填装置も給弾機構も万全。』
『こちらナロードナヤ。射撃諸元の修正完了。いつでもぶちかませる。』
『こちらサイクロプス。ナロードナヤ、了解。腕がいいなベルタ大尉。』
『隊長が居ればなおさら良かったんだがな。』
『ああ。流石に単独偵察作戦だからこればかりはしょうがない。』
『じゃあ、訓練開始と行こう。ライントホター隊、景気よく撃て。』
『了解。槍を放て!』
『高射砲部隊も射撃を開始する。』
『ナロードナヤ、射撃開始。』
私『ファゴット!回避!回避!』
榴弾が炸裂する。ミサイルは下から飛んできて隣りにいた
15『被弾っ!』
私『エンジン出力を上げて!』
ファゴットの左翼を掴んでバランスを取ってやりつつ、速度を出して安定させるように指示を出す。
周囲の機体も数機を残して満身創痍。たったの数分の出来事であった。
15『
いや、B-36先輩は耐えてる……明らかにミサイルや12.8cmの榴弾が直撃してるのに傷一つついてない……』
流石、隊長の教え子……全翼機のホルテン先輩に至ってはロールするだけで回避しているし……
『ふむ……あの3機はいつも残るな……』
『これはこれはPo-2教官。折角ですから貴官も体験されますか?』
『いや、遠慮させてもらおう。若い連中には並べんよ。』
教官……充分、若いと思うのですが……
15『どうやら下の連中は弾薬の供給が終わったみたい。』
双眼鏡で下を見ていたファゴット。
15『左に避けるべきだろう。』
私『了解。』
周囲をよく見てから左に横滑り。さっきまで自分がいた場所を砲弾が突き抜けていった。
『しかして……あの2機は支え合っているのか。』
『そのようで。MiG-15の右翼に対空ロケットが掠めて以来、あの状態ですが?』
『比翼の鳥ってところか。訓練はあとどれくらい続ける?』
『資源の消費具合からして……あと数分程度を予定しています。』
『了解した。すまんな。邪魔をした。』
15『……!!』
15『ファング!回避!回避!』
油断した私に12.8cmの榴弾が直撃。強化されたARMSも衝撃と破片でエンジンが損傷、停止。少しずつ高度を落としていく。降下率からして不時着はできるかもしれない。
いや、無理かもしれない。地上からミサイルの噴射炎が見えた。残っているのは5機。内1機は飛行不可で実質4機。25%の確率でこちらに来る。そして対空攻撃をするなら私は被弾した機体を狙う。つまり……
私『急降下で逃げる!』
エンジンが使えない以上、加速するにはそれしかなかった。一か八か。訓練で死ぬとは思えないけれど、起きないとは言い切れない。
『落ち着け、ファング。』
巨大な機影がミサイルと私達の間に割り込み、ミサイルの破片を受け止めた。
私『……生きてる?』
36『間に合ったようだな。』
229『間に合ったようで何より。』
410『あの2人、まだ生き残ってたのね。さすが秘匿されたエリート。』
私『ありがとうございます……ピースメーカー先輩。』
36『おっと、バケモノに敬語は不要。お礼を言うならこの2人に。』
229『止めようとしたころにはもう動いていた癖に。』
410『B-36、貴女がバケモノなら私達もバケモノよ。そこの2人も。』
410『着艦までエスコートするわ。』
私達は何とか着艦に成功。脱落者も全員無事だった。