記されなかった思い   作:ミスターキシドー

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届いた思い

俺の名前は北郷一刀

聖フランチェスカ学園に通う高校生だ

 

俺はいつも道理に目覚めた朝の日

夢を見ていた

長い夢を

けれどその夢が何だったのかを俺は覚えていなかった

 

だけど、だけど何故か涙が流れた

 

とても大切な事を忘れてしまった

そう感じている俺がいる

でもどんな夢を見ていたのか何一つ思い出せない

 

そしてその日は一日中泣いていた

 

夢を見たはずのその日からしばらくがたった

俺は普段の生活に戻りいつも通りに自分のクラスにつくとクラスメイトで友達の及川が俺に話しかけてきた

 

「一刀!ニュース!朝のニュースみたか!」

「ニュース?」

「なんや、みてへんのか。ビックニュースやで!何と中国で曹操の残したとされる文が見つかったんやて!」

「曹……操?曹孟徳………」

 

曹操、曹孟徳

この名前に何かが引っかかっている

このあいだの夢に何かがつながっている、そんな気がする

 

「なんか、誰かに当てた恋文やったらしいで?内容までは言ってへんかったけど」

「そう…か。……その文って見れないかな?」

 

もしかしたら、何か、何かわかる気がする

 

「ん〜ちょっとわからんな。そういった事は歴史館の館長が詳しかったはずやで?」

「……及川、俺今日早退するわ!」

 

そう言って俺は自分の鞄を持って教室から走ってでって行く

 

「ちょっ!?一刀!?」

 

及川が何か言っていたような気がするがそんなのどうでもいい

今すぐにでもその曹操が残したという文を見なければいけない、そんな気持ちで俺の胸は一杯になっている

 

そして俺は歴史館に行き館長を訪ねた

 

「む?君は確か前にここの手伝いにきてくれた……」

「あの!俺、館長さんに聞きたい事があってきたんですけど」

「ふむ、なんだい?」

「今日のニュースで放送されたって言う曹操の文ってどうすれば見れますか!」

 

俺はかなりの勢いでつめよる

その勢いに多少たじろぐ館長

 

「そ、そうだね……確か今度の日曜に中国でお披露目をするようだからそれに伝があるなら見れるはずだね。ただ、それが見れないとなると展示されるまでにかなりの時間がかかるから…そうだね、五年後くらいには博物館や歴史館に展示されるはずだよ」

「そ、そんな先に……」

 

一体どうすればいいんだ……

今すぐにだってその文を見て確かめたい

でも、それができない

俺は足下から崩れ落ちそうになった

 

「……君は何故曹操の文を見たいんだい?」

 

館長が俺がここまで曹操の文に執着しているのかが気になるようだ

 

「………俺、この前夢を見たんです」

「夢?」

 

そう、あの日見たはずの記憶に残らなかった夢

 

「ただ、その夢の内容を覚えてなくて。それでもとても大切な事だったはずなのに何も思い出せなくて………けど、今日聞いた曹操の文の話を聞いてあの日の夢のとつながっている、そんな気がしたんです。だから俺は、その文を見たいんです。あの日見た夢を思い出したいから」

「………」

 

館長は俺の言った言葉に黙り込んでいる

それはそうだ、言っている事が滅茶苦茶なのだから

それでも、俺は…

 

「……胡蝶の夢」

「え?」

「荘子が残した文で胡蝶の夢と言うものがあってね。ある日荘子は自分が蝶になる夢を見た、けれど自分が夢を見ているなどと蝶の間には思っていない、そして夢から覚めて初めて自分が見ていたのは胡蝶の夢だった…と言う話があるんだ」

「胡蝶の夢……」

 

その言葉が足りなかったパズルのピースの用に俺の心に当てはまった

 

『一刀どこへ行くのかしら?』

 

ズキッ!

 

頭に誰かの言葉が響く

あの日の夢の一部を思い出した

誰だかわからない、けれどその人の顔と声は思い出した

彼女は………誰だ

 

「き、君!大丈夫かい!?」

 

俺が急に頭を抱えて膝をついた俺を心配した館長声が聞こえる

けれどそんな声も俺の耳には届かない

彼女の姿、声、雰囲気が俺の頭から離れない

 

しばらくして俺は持ち直した

そして先ほどの話の続きを聞いた

 

「すいません、心配をかけて…それで、つてってどうすれば良いんですか?」

「そうだね……君の様子や話を聞いてると気持ちは本気のようだね。わかった、私がなんとかしよう」

「え?」

「これでも私は顔が広くてね、今回その文を見つけた調査団の中に私の知り合いがいてね。その人に頼んでみるよ」

 

まさかの展開だった

どうにもならかもしれないと思っていたのに急な展開に俺は少しの間意識が追いつかなかった

けれどすぐに立ち直り俺は館長に詰め寄る

 

「本当ですか!」

「うん、君が真剣なのはよくわかったからね。ただ、費用等は自分でなんとかしてくれないかい?私もさすがにそこまでは面倒は見れないからね」

「大丈夫です!ありがとうございます!」

 

そうして、俺は曹操の文を見る目処がついた

 

そして俺は中国に行き館長さんの知り合いの人を訪ねた

その人は日本語も喋れるようでなんとか話が伝わるようだったから良かった

 

「君が彼の言ってた北郷君だネ、私、李言うよヨロシク」

「は、はい!よろしくお願いします!」

「それで、曹操の文だったネ?彼の頼みだカラ特別に見せてあげルヨ」

「ありがとうございます!」

 

そして李さんは部屋の中に案内してくれてそして文のある部屋に案内してくれた

李さんは机の上に置いてあった文を俺に渡してくれた

 

「これヨ、これが曹操の残したとされる文ネ。これ、とても面白い事に相手の名前が今まで聞いた事の無い人に当てた恋文だったんだヨ」

「これが……」

 

そうして俺はその文を開き中を見た

漢文だ

普通なら、ならってもいない言語だからある程度しか読めないはず

でも、俺はこの文の内容が読める

 

 

 

 

 

 

 

 一刀へ

 

貴方が天に帰ってしまってから幾月もの日が流れたわ

初めは春蘭達も貴方が帰った事を聞いて泣いていたわ

特に、季衣や流琉はずっと泣いていたわよ

そして私も、貴方が帰ってしまったあの時に貴方のいたはずの大地を濡らしていたわ

貴方の温もりも、貴方の声も、貴方の姿も

何もかもがもう感じる事ができないと思うと

私の胸は締め付けられるように苦しくなって

いつの間にか泣いてしまっていた

私を泣かせるなんて、目の前にいたのならはたいてやるのに

けど、貴方はいないのだからたたく事なんてできない

ねぇ、一刀

最後に言った貴方の言葉

私は返事さえ返せなかったのよ?

私の返事も聞かずに逝ってしまうだなんて本当に貴方はどうしようもないのね

けどいいわ、貴方はそんな人間だものね

最後の最後にどこかが爪の甘くて

頭が悪い訳でもないのにそれでも大馬鹿で、でもとても優しい

そんな私の愛しい人

一刀

 

合いたい

 

合いたいよ

 

あなたのいないこの世界は

 

とても寂しく感じてしまう

 

それでも、貴方と約束したから

 

この国をより良くするって、貴方がいられない事を悔しがるくらいに良い国するって

 

だから、私は…

 

一刀

 

最後に届かなかった私の返事

 

ここに記しておくわ

 

もし、この文が

 

貴方に届いたと言うのなら

 

胸に刻み付けなさい

 

最初で最後の、私が貴方に対して言う

 

心からの言葉よ

 

私も貴方を愛しているわ

 

曹孟徳

 

 

 

 

 

 

 

ここで、文は終わっていた

俺は読み終えた瞬間、全てを思い出した

 

 

 

 

『華琳』

 

俺を荒野で拾ってくれた俺の愛した人だ

 

彼女との思い出も、彼女の姿も、彼女の笑顔も

全て思い出した

 

 

「………華琳、ごめんやっと思い出せたよ。それとごめん、最後の返事を聞けなくて」

 

何千年もの時を経て、華琳の返事が俺に届いた瞬間だった

 

 

 

 

 

 

そうして俺は李さんにお礼を言ってその場を後にした

 

そして李さんに聞いた曹操が眠る墓に向かった

墓につき俺は華琳が眠ってるとされる墓の前にたつ

 

「なぁ、華琳全部さ……思い出したよ。ごめんな?今まで忘れてて…それと文、読んだよ。ありがとうな、初めて恋文なんてもらったよ、凄く嬉しかった。あぁ、できるのなら今すぐにでも合いたい。華琳に皆に合いたいよ…………」

 

そして華琳の墓の前で俺は泣いた

あの日の朝、夢の内容が覚えていないのに泣いた理由がやっとわかった

悲しかった、辛かった、胸が張り裂けそうだった

華琳ともう一緒に入れない事に自覚してしまい

華琳の温もりを感じる事はできない

華琳を感じる事はもう、できない

 

「あぁ、それでも忘れていた方が良いなんて思わないのはもう二度と忘れたく無いからだな」

 

たとえ、また忘れる事ができたのだとしても…俺は絶対に忘れたく無い

それが原因で苦しい思いをするとしても俺にとっては一番大切な思い出だから

 

「華琳も多分、こんな気持ちだったんだろうな。これは辛いな、今にも胸が張り裂けそうだ……」

 

できる事ならばもう一度、彼女の声を聞いて彼女を抱きしめたい

そう、思った時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       ふふ、本当に貴方は馬鹿なんだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声が聞こえた

 

「か…りん?」

 

今聞こえた声は確かに華琳の声だった

確かに目の前から聞こえたはずだ、そう思って前を向くと

 

「一刀」

「華琳……これは、夢の続きなのか?」

 

目の前には華琳がいた

 

「夢…そうねおそらく夢でしょうね。こんな事が現実に起きる訳が無いのだから」

「そう……か、たとえ夢だとしてもまた華琳と出会えた。それだけで十分だ」

 

そう言って俺は目の前の華琳を抱きしめる

華琳も俺に抱き返してくる

 

「……」

「……」

 

 

お互いに言葉や会話は無く、ただ今いるであろう愛しい人の温もりを感じていた

そして少ししてお互いが離れて顔を見合う

 

「……華琳、ごめん」

「あら?何の事かしら?」

「ずっと、待たせてたんだよね?」

「ふふっ、そうねずっと待ってたわ。長い間ずっと」

 

そう言って意地の悪い顔でこっちに微笑む

その顔を見て俺は懐かしく感じた

 

「本当に貴方は勝手に帰ってしまって、挙げ句の果てに愛の言葉を良い逃げするなんて…ここに絶があったら首を落としていた所よ?」

「ははっ、それは運が良かったよ」

 

そうして俺たちはお互いの顔を見る

先ほどまでもう一度合いたいと願っていた女性

そして本来なら絶対に合えないはずの愛しい人

 

あぁ、夢でもいい願わくば彼女ともっと……

 

「駄目よ、夢はいつか覚めるもの。いつまでもこうしていられないの」

「………やっぱりか、そう長くはこうしていられないんだろう?」

「えぇ、そうよ」

 

時間には限りがある

そう思ってしまうと俺は何を話すべきなのか考え込んでしまう

 

「…………」

「ふふっ、本当に不器用ね。そうね、少し思い出話でもしましょう?」

「思い出話?」

「そうよ、貴方とであってからそしてなにがあったかを」

「…そうだな、そうするか」

 

そうして俺と華琳はお互いの出会ってから今に至るまでを話し合った

 

初めて出会った時の事

 

警備隊として働き始めた事

 

黄巾党と戦った事

 

反董卓連合の事

 

乱世の時の事

 

そして赤壁の戦いの事

 

「色々あったな、こうして話してみると」

「そうね、そのほとんどに貴方は傍にいてくれたわね」

「あぁ、華琳に恩返ししなきゃってずっと頑張ったからな」

「あら?それだけのためなのかしら?」

「最初だけはな、途中からは…華琳の覇道の先を一緒に見たかったからだよ」

「そうね、でも結局貴方は最後まで見てはくれなかったけれどね」

「……すまない」

「いいわ、どうしようもなかったのでしょ?」

「世界の修正力のようなものだからな」

 

こう話してるうちにお互いの距離は段々と近づいて今ではもう背中同士がくっついていた

今こうしてる時は、俺は彼女の温もりを感じていられる

それがたまらなく幸せだった

 

けれど、もう時間はないのだろう

 

「ねぇ、一刀最後にあの時の続き聞いてくれるかしら?」

「……あぁ」

 

 

 

 

 

「私は貴方を愛してるわ」

 

「俺も愛している」

 

 

「ふふっ、こんな簡単なやり取りすらできずに別れを迎えてしまったなんて本当に馬鹿みたいよね」

「それは……まぁ、俺がいけないんだが」

「そうね、全部貴方が悪いのよ?勝手に帰ってしまった貴方が」

「本当に反省してますよ」

「当たり前よ………ねぇ、一刀」

「何?」

「こっちを向いて」

「ん?」

 

俺が後ろを向くと華琳は俺にキスをした

俺はそれを受け入れた

 

そして少ししてお互いの顔を話して見つめ合った

 

「一刀、今度はちゃんと言うわよ」

「あぁ」

「さようなら、私の愛しい人…一刀貴方を愛してるわ」

「俺も…俺も愛してるよ華琳」

 

そう言って俺達はもう一度キスをする

唇が離れた瞬間に彼女は小さくつぶやいた

 

そして目の前にはもう華琳はいなくて、あるのは華琳の墓だけだった

 

「……あぁ、届いたよ」

 

彼女が最後に残した言葉

 

 

 

 

 

 

『今度はちゃんと届いたかしら?』

 

 

 

 

 

 

そして空には琥珀色の月の光が俺を照らし出していた

あの日の月のように















どうも、ミスターキシドーです。
今回はリハビリで短編小説を書かせてもらいました!
しばらくの間ずっと忙しくて・・・・・・・
それで今回の魏のアフターを書かせてもらいました
元々二次小説を読むようになったきっかけは魏のエンディングの続きが読みたかったからなんですよね
そしたらいつの間にかどっぷりはまってしまって・・・・
まぁ、そう言うきっかけもあって結構思い入れもある作品です
これを読んでまた真・恋姫夢想をやりたいって言うひとがいれば僥倖です!
それではノシ
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