「!?」
八雲紫は安眠から一転、飛び起きる。幻想郷に急に強い力が流れ込んできたからである。場所は博麗神社。
(これは異常だ!)
そう思い急いで寝間着からいつもの前掛けの賢者服へと着替えて急いでスキマを使って博麗神社へ向かう。
その先に何が待っているのか頭を巡らせながら、また博麗の巫女が何かしらの被害を受けていないかを心配して。
「霊夢!大丈夫!?…ってゑ?」
急いで来た上、ついた瞬間その心配が溢れてしまい、周りを見ずに霊夢を心配する声を掛ける。
しかし、そこにあった光景は平和そのもの何せ目の前には紫が来たことに対して驚きを隠せないという顔でそうめんを口にくわえたままや、口に運ぼうとする直前で見られた顔が2人と、見慣れない少年1人がその状態で固まっているだけだったのだから
「ゑ?はこっちのセリフよ!急に来てどうしたのよ?びっくりした。」
「いやでも、さっきここのあたりにすごく強い力が一瞬流れてきてそれで心配になって…。」
心配して来た自分が唐突に文句を霊夢に言われてしまい、恥ずかしさとショックで涙目になってしまう。
「そもそもその男だれよ!あなたなんじゃないのあの力!?」
するとその男こと明人に何言ってんだこいつ?といった目で見られてしまう。
「ええっと?あなたはどちら様でしょうか?すみませんが、あなたの言う力というのは少なくとも私には覚えが無いのですが…。」
「え、じゃああなた本当に誰よ?」
「私は深山明人。今さっき幻想郷に訪れ、今は霊夢さんにお昼ご飯をご馳走になっているところです。」
「コホン自己紹介ありがとう。先ほどはお見苦しい姿を見せてしまいましたわね。私は八雲紫。この幻想郷の賢者でをしている者よ。」
”幻想郷の賢者”その言葉を聞いた途端明人の目が一瞬だけ鋭くなる。それを紫は見逃さなかった。
「なるほど幻想郷の賢者様でしたか。まだ幻想郷に来てまもなく、右も左も分からないのです。もし紫さんがよろしければ、後で色々教えていただけないでしょうか?」
先ほどの一瞬の鋭い目が嘘のように、柔らかく社交的な笑みに変わる。
その態度の急変に恐怖を覚える。まるで別人のそれの様な態度…。
「え、ええいいわ。後で色々教えてあげる。」
「?どうしたのよ?」
霊夢と魔理沙は今の視線には気ずいていないようだ。後でこの少年は色々と詮索する必要がある。そう思い、幻想郷の案内をする約束を取り付ける。
「ありがとうございます。この後どうしようかと思っていた所なんです。とても助かります。」
「いいのよ別にそれくらい。じゃあご飯を食べ終わったらでいい?」
「はい!それで大丈夫です。ありがとうございます。」
この明人という少年には隙を見せてはいけない。確かにそう感じた。
その後は他愛もない話をしながら昼食を食べ終える。
「ごちそうさまでした。とてもおいしかったです。」
「お粗末さまでした。」
「まったくだ痛い痛い!」
一言余計な事言った魔理沙の耳を霊夢が強く引っ張る。
「何すんだよ!痛いじゃないか!」
「あんたが一言余計だからでしょが!」
「痛い痛い!」
も一度霊夢が魔理沙の耳を強く引っ張る。
そんなやり取りを横目に明人が微笑ましい物を見る目でみる。
「さて、では私はこの辺で。」
そう言って明人は立ち上がる。
「お?もう行くのか?」
「ええ。紫さんとの約束もありますし、それにもうこれ以上お世話になるもの気が引けます。」
「そう。じゃあ気を付けて。紫はちゃんと明人さんに色々教えてあげてよ!」
「わかってるわよ。」
そんな気の利いた霊夢と魔理沙の言葉を受けながら、明人は立ち上がる。
「では、今日はお世話になりました。」
「じゃあな~。またどこかで。」
「じゃあ、きをつけてね。」
「ええ、気を付けて行って参ります。そして、またどこかで機械があったら。」
二人の別れの言葉を背に、博麗神社の階段を、半身をスキマに埋めた紫と共に降りていく。
「ふう、俺に何か聞きたいのではないか?八雲紫。」
「!?」
唐突に態度が急変した明人に驚きの目を向ける。その先に見えたのは先ほどまで見ていた社交的な明人の顔ではなく、昼食中に一瞬だけ見えた何かを射殺すような目だった。
「唐突に態度が変わるのね。あなた。さっきまで霊夢や魔理沙に向けていた態度とは随分と違うようだけど。」
それに負けじと紫も少し高圧的な態度で対応する。
「さっきまで見せていた態度は幻想郷に来た客人として作った顔だ出した顔だ。それに、博麗の巫女に好印象でいれば後々色々上手く事が運ぶ可能性もあるのでな。」
「なるほど。じゃあ今は深山明人として私と会話をしているという解釈でいいのね?」
「ああそうだ。これが俺の素の態度だ。」
この豹変用に紫は驚きはしたものの、絶対に隙は見せない。ここで隙を見せれば自分は恐らく後々面倒なことになる。そう今まで数々の政治をする妖怪と会話をしてきた幻想郷の賢者としての勘でそれを感じ取った。
「それで、俺に聞きたい事はなんだ?」
「…もうあなたは私が何を言いたいかわかるでしょ?あの大きな力の波の事よ。あなた、ここに来た瞬間わざとあれを流したでしょう?」
「ああ、お前のような幻想郷の重役が釣れるのでないかと思ったものでな。その点に関しては謝ろう。」
やはり彼だった。あの場では恐らく霊夢と魔理沙が前にいたからああいった嘘をついたのだろう。だあが、あの量の力を一気に流せるのだとした相当な力をこの少年は保有してる事になる。だとしたら、かなり強い。下手をすれば、博麗の巫女と自分ら幻想郷の賢者全員を動かしても勝てないかもしれないほどに。
「俺の力量を知りたいか?」
「…あなたはさとり妖怪か何かかしら?」
「違うな、あれは直接相手の考えていることを読む。だが俺は、相手の数字を見ている。まあ、それが俺の能力なのだがな。」
「は?」
本当に意味が分からなかった。目の前の少年が何を言っているか分からなかった。相手の数字を見て相手が何を考えているか考えている?相手の数字とは?見るとは?本当に何もかも紫は分からなかった。
「つまりは、相手を数字そのものでみているんだ。その世界は0と1だけでできていてそれ自体が言語になっている。まあ、お前にこのことを説明しても分からないだろうがな。」
「それは…2進数で世界を見ている解釈でいいのかしら?」
冷や汗をかきながら恐る恐る明人に問う。もしもこれが本当の事だったら彼は恐らく、世界の真実を見ている上に本当の意味で不可能を可能にすることができる能能力だ。
「ああ、そういう解釈でいい。ただ、2進数で見ているという解釈よりも、この世界自体が2進数でできているんだ。それが俺には見えている。」
「…なっ」
息が詰まる。つまりそれは、この世界は誰かに作られた世界というのを証明しているのだ。しかも、それを彼はそれに干渉し、操る力まで持っている。
(これは、厄介な相手が幻想郷に入ってきてしまったようね。)
「厄介な相手か、そうかもしれんな。だが安心しろ俺は特に幻想郷を滅ぼそうとか考えているわけではない。俺はただ、自分の忘れてしまった記憶を取り戻したいだけなんだ。」
心を読まれた驚きと同時に、明人が急に悲しそうな顔になるのを紫は見逃さなかった。だが、それをあまり追及する気には紫にはなれなかった。
「…そう、思い出せるといいわねあなたの記憶。」
「ああ、本当に思い出せたら万々歳だ。」
なんだか重い空気になってしまい、紫は何とか新しい話題を探していると、今更思い出したと言わんばかりに根本的な問題を明人に提示する。
「そういえば、あなた何処に住むつもりなの?」
「ああ、家か?まあ適当にその辺の空き地とか森の中に一件適当に建てようかと考えていた所だ。」
「え?建てる?」
「ああ、さっき説明した俺の能力があるだろ?あれは別に有るものを見ていじるだけではなく、無い物まあなんだ。適当にそこら辺にある0と1をかき集めたり、0を1にして物を作ったりできるから、まあこれで立てればいいかと思っていたんだ。」
その言葉を聞いて紫は頭が痛くなってくる。彼が言っていることはつまり、何もない所から何かを作り出したり、何か有るもを無い事にできるという事なのだ。
「まあ口で説明しても見た方が早い。お、あそこの湖の周り、平らで良さそうだな。」
「ああ、あそこは霧の湖と言って、よく妖精たちのたまり場になっている場所よ。いたずらされても困るからあそこはおすすめしないわ。」
「ふーん、まあそこら辺はなんか結界貼っとけばいいだろ。」
「人の話聞いてました?」
まあどうでもいいと呟いて、彼は確かに家一軒ぐらいなら建つだろうなといういい感じの平地に向かって手を前に出す。すると唐突に音もなく立派な木造建築の平屋ができる。
「…今、私の中であなたが要注意人物として扱われましたわ。」
夢を自分は見ているんじゃないかと思いながらもその現実を紫はしっかり受け止めた感想を述べる。そんな紫の心境を知ってか知らずか明人は今まさに作り上げた自らの家の中に入ろうとし、紫にこう言う。
「入れ、ここまで案内してもらったんだ茶と茶菓子ぐらいは出す。」
それも今さっき能力で作ったものなんだろうなぁと思いながらも、彼の家の中に踏み入れる紫であった。
何か自分で考えた能力めっちゃ説明むずくね?って書きながら思ったこの頃。考えるな感じろ(暴論)。
まあ、大方察しはつくでしょうがこれがこの話のあらすじで書いた注意書きのなろう要素です。(めちゃめちゃチートだしいかにも中二病が考えそうな能力って意味で)まあ、恐らく理解できないという方も多いでしょうからこれから話の過程でちょくちょく説明を入れていくつもりです。なのでまだまだ長くなるだろうなと思いますが、それでももしよろしければお付き合いください!