朝起き、昨日能力で即席で作った家から、顔を洗おうと家から出る。出たのだが、家の壁に変な落書きや凍らせたカエルが置いてある。
「…結界貼るの忘れてたなぁ。」
きっと昨日八雲紫が言っていた妖精の悪戯だろう。
だがまあいいか、後で汚れを落とせば。と、思ったが見えない何かが後ろから近ずいてくる。
(あれは…。)
湖に近ずいて唐突に独り言を言いだす。
「あーいい朝だなー!こんないい朝は顔を洗ってもっとすっきりしよう!」
そう言って明人は体をかがめて湖の水で顔を洗おうとすると後ろの気配が…。
バッッ―ーーー!!
「ギャッ!!」
捕まった。明人に…。
「ふう、お前か俺の後ろに近ずいて俺を湖に落とそうとしたのは。」
「はーなーせー!」
「ついでに俺の家に悪戯しやがったのもお前か。」
「…ッッッ。」
捕まえた透明な羽の生えた幼女の姿をした妖精らしき者だ。
だが、捕まえたはいいものの何だか泣きそうな顔をしてこちらを見ている。
「何か言え。俺もお前を取って食おうとか考えているわけではない。」
「…ッッッ。」
何だかプルプルしている。それに目の端に涙の粒があふれ出している。
「おい泣くな。俺が悪い事をしてるみたいになるだろ。」
「今だ二人とも!」
「あ?」
後ろを振り向く。すると後ろから別の2人の妖精が飛び掛かってくる。もう普通では対処できない距離まで来ている。
そして2人の妖精は勝利を確信した。だが…。
「「ぎゃふっ!」」
何か透明な壁のような物にぶつかる。
「ふう、地味にビビらせんな。」
「ギャ!」
明人は残りの2人の妖精もとっ捕まえる。
「さて、今から尋問を始める。家を汚したのはお前らか?」
「「「…。」」」
何もこの3人は喋らない。ただただ目くばせをしながら誰が何を言うかを相談しているようだ。
「何も言わないと始まらないだろ。どんな理由だろうと別に煮るなり焼くなりするわけじゃない。まあ、確かに急に後ろから奇襲されたことにちょっとイラっときて強い言葉使っちまったのは悪かったよ。」
自分が何故こんなにこの3人にここまで恐れられているのかを理解し、謝る。それに、このままでは話が進まないと思ったからである。
「まあ、そうだな。じゃあまずせめて名前を教えてくれ。そこから始めよう。」
「「「…。」」」
「わ、私は、スターサファイア妖精よ。」
「お、自己紹介ありがと。」
スターサファイア名乗った青と白色を基調とした服を着た少女が口を開いてくれた。それに合わせるように残りの2人も自己紹介を始める。
「わ、私はルナチャイルド」
「私わ、サニーミルク」
「よろしくな、3人とも。俺は深山明人。昨日ここに越してきたしがない元従者さ。」
「元?」
ルナチャイルドと名乗った少女が純粋な疑問を口にする。
「そう、元。俺は今自分の主様を探しているのです。」
ふざけたようなテンションで口調を明人は唐突に変える。
「ふーん、深いことはあんまり探らないでおくわ。」
「そうしてくれると助かる。ありがとうな、ルナチャイルド。」
そんな当たり障りの無い自己紹介を進めていく。そして、明人は本来の疑問であったいたずらについて聞いていく。
「んで、本題に戻るけどあの悪戯はお前らか?怒らないから正直に言いなさい。」
「うん、私達…。でも、一人いる。あの…その…ごめんなさい!」
なんだか気になる言葉を含んでた気がするが、それをスルーしてまずはサニーミルクが謝ってくれた事を褒める。
「おお、謝れるなんて偉いなぁサニーは。」
「えへへへへ。」
明人はサニーミルクの頭を褒めながら撫でる。
それを見た残りの2人も次々に謝りだす。
「私も!ごめんなさい!」
「わ、私も…ごめんなさい。」
「二人も謝れて偉いなぁ。」
「「えへへへ。」」
ちょろい。そう明人は思った。まさかちょっと優しくしただけでここまでちょろいとは思わなかった。
「んで、さっきもう一人るって言ってたけどそれは誰だ?」
「誰よあんた!」
「んあ?」
後ろを振り向くと、氷のような青を基調とした服を着たはっきりと言って幼女の見た目その者がいた。
「あ、あいつがさっき言った悪戯犯のもう一人。あれよ凍ったカエルをあなたの家の前に置いたのはあいつ。」
「ふーん、あれがねぇ。」
本人の代わりにルナチャイルドが紹介してくれた。
「何してるってどういう事だ?俺はただこの3人と世間話をしているだけだが。」
「何よその態度!このあたいにそんな口叩くなんて、まったく…はぁ。」
何故ため息をつかれねばならないのかが分からない。
「何?あいつそんなにお前ら妖精のなかじゃ偉い立場なの?」
「いや別に?ただ妖精の中では強い方なのは事実ね。名前はチルノって言うわ。」
「ふーん。」
半目でチルノという妖精を見る。この時、明人は察した。
ああ、多分こいつ馬鹿なんだろうな。と。
「何よその目!」
「いや別に…。何でも。」
「もう怒ったんだから!私と勝負しなさい!」
「えぇ…。」
話が逸脱し過ぎて何を言っているか分からなかった。
「あいつっていつもあんなんなの?」
「うん。そうよ。」
涼しい顔でサニーミルクに答えられてしまう。
「何よ早くかかって来なさいよ。何?ビビってんの?しょうがないわねぇ。じゃああたいから行くわよ!」
なんだか勝手に勝負する前提になっている。まあいいかと思い、臨戦態勢に入る。
「行くわよ!氷符「アイシクルフォール」!」
「ん?」
目の前に大量の弾幕が現れる。まさか弾幕が飛んでくるとは思っていなかったため少し驚いてしまう。
「ほいっ。」
「なっ!?」
まあ、こんなもの明人にとっては屁でもないのだが…。
―ッス
自分の腰に付けていた2振りの内、1振りだけを鞘から抜き、それをチルノの首筋に傷が付かない程度に押し付け、耳元で小さく囁く。
「動くな、動いたら首に刺さるぞ。」
「!?」
チルノの顔が青ざめる。そして…泣き出した。
「う、う、うわぁぁぁぁん!」
「あ。」
やべ、これやっちまった。
そうすぐに自分が何をやったかを理解する。
「ご、ごごごめんな!ほら、お菓子あげるから泣き止めな?」
自分の能力で即席で作ったクッキーをチルノに差し出す。
だがしかし、泣き止まない…。
「うわぁぁぁぁぁ!」
「えっと、えっと、泣き止めな?」
困ったように明人はチルノの頭を撫で、どうにか泣き止ませようとする。
「もうチルノ!さっさと泣き止みなさいよ!うるさいし明人お兄さんに迷惑でしょ!」
「それに、あれは喧嘩売ったチルノのせいだしね。」
「うんうん。」
近くで見ていたた3人に慰めの言葉はなく、むしろリンチにされていた。
そんな状態でチルノが泣き止むわけもなく、さらにチルノは激しく泣き出してしまう。
「だっで、だっで~!」
「チルノちゃーん!」
すると少し離れた所からまた別の声が聞こえてくる。そちらを向くと、緑の髪をしたこちらも幼女の姿をした妖精らしき者が近ずいてくる。
「ふんっ!」
「?????」
近ずくなり唐突に明人の前に立ちふさがる。
「ち、チルノちゃんには指一本触れさせません!」
「?????いやまあ指は一本も触れて無いですが??」
この緑髪の妖精は何か勘違いしているようだ。
「で、でもチルノちゃん泣いてるじゃないですか!先生が言ってました怪しい人には近ずいちゃいけないって!」
「なあ?俺そんなやばいやつに見えるか?」
「まあ、最初は何されるかわかんなくて怖かったけど…。」
「えぇ…。」
スターサファイアにそう言われてしまい、少しショックを受ける。
「よしよし。大丈夫だよチルノちゃん。私が守っててあげるから。」
「エグッ、エグッ、ヒック。」
「…え?その子の保護者の方ですか??」
見た目は同い年ぐらいなのにあまりにも緑髪の妖精が保護者のような対応をしており、思わず聞いてしまう。
「そんな訳ないじゃないですか!」
「だ、だよな?」
まだチルノは泣き止まないし、緑髪の妖精は何だかまだ勘違いしてるらしい。こんなカオスな状態をどうすればいいか分からなかった。
「ちょっと大妖精!今のチルノ庇う必要ないわよ。自業自得なんだから。」
ため息をつきながらルナチャイルドは明人への誤解を解こうとする。
「そうよ!これに関しては明人お兄さんは悪くないわ!ね、明人お兄さん?」
「いや、まあ、俺が悪い部分の方が多かったけど…。」
「何言ってんの!最初に喧嘩売ったのはチルノの方じゃない!」
「いやでも、3人にも見えたかもしれないけど流石にあの遊びみたいな戦いでも癖で刀抜いて首に当てちゃったからなぁ。」
「やっぱりあなた悪い人じゃないですか!」
今の発言がより大妖精とい呼ばれる妖精に警戒心を持たせてしまったらしい。
「はぁ~。なあチルノそろそろ期限直してくれないか?もうこの状態が続くのは流石に辛い。」
「うぐっ、ひっく、クッキー…?」
「ん?」
「さっき出したクッキー頂戴。」
「あ、ああ欲しければ言ってくれ。欲しい分だけあげるから。」
そう言って最初に出し、使う事は無いだろうと思ってポケットにしまっていたクッキーを出し、チルノに渡す。
「ん、ありがと。」
やっと泣き止み、明人からクッキーを受け取り、食べ始める。
「…」
「ん?」
大妖精が半目でこちらを見てくる。
「変なもの入ってませんよね?」
「君は俺の事なんだと思ってるの?」
明人は純粋な疑問を大妖精に向ける。本当にこの子にはどう思われているのだろう。
「ねえねえ、明人お兄さんあのクッキー私にも頂戴!」
「あ、ズルい。私にも!」
「え?じゃあ私も!」
スターサファイア、サニーミルク、ルナチャイルドにチルノに与えたクッキーを求められてしまう。
「ふう、仕方ない。俺の家に来な。お茶と茶菓子出してやる。
「「「やったー!」」」
「…。」
大妖精が何か自分も物欲しそうにこちらを見ている。きっと態度は一番おとなしく、大人びていても中身は他の妖精たちと同じ見た目相応の女の子なのだろう。
「君も来るかい?大妖精?」
「…!でも、先生が知らない人にはついて行っちゃ行けないって…。」
「じゃあ君はどうやって友達を作るのかい?みんな始めは他人だよ。だから今から友達になろう。」
「で、でも…。」
「大ちゃんも行こうよ!」
「!!!」
チルノに強く誘われてしまいどうしたものかと困った顔で大妖精は目線を右往左往させている。
「さあ、来るのか来ないのかどっちかな?」
「~~~~!!ちょっとだけだよ?チルノちゃん。」
「よし、決まりだ。じゃあおいで。」
そういって大妖精に手を差し伸べる。それに恥ずかしそうにだが明人から差し出された手をとり、明人の家に向かう。
「クッキー、こんなに人数がいちゃいっぱい作らないとな。」
そんなことを呟きながら、明人は数人の妖精達と自分んの家に向かっていくのであった。
「………そういえば、落書き消すの忘れてたな。」
戻った途端、本題を忘れていたのであった。
今回は少し長めの話を書いてしまったので、ちょっと投稿に時間が掛かってしまいました。ゆるちて('_')。
勝手にQ&A
Q:何故明人はサニーミルクをサニーと何の兆候もなく呼び始めたのですか?
A:主がフルネームで書くのなんかここだけめんどくさくなったから(; ・`д・´)ドヤァ
え?なんか明人がめっちゃ犯罪者みたいな事言ってる?何のことだか知らんな!!
(; ・`д・´)ドヤァ
後、読んでくれている人なら今回の話で分かったかと思うのですが、明人は子供には結構優しいです。