とある世界
人が1人も存在しない世界にて、辺り一面が火の海になっている中で、頭から血を流す1人の青年と1体の黒い怪物が立っていた。
『流石は2体のファントムを宿す魔法使いだ。
俺の予想を超えてるとはな?見逃してやる。
さっさと立ち去れ』
「はぁ……はぁ……この世界は、俺が守ってみ
せる!!それが師匠達との……父さん達や兄さん
達との約束だからな!!」
そう言った青年は、左右の中指に指輪を嵌め込む。
『ウィザードになったところで、貴様の運命は変
わらん。大人しく殺されろ』
「なら……コレならどうだ!!」
〔――――――プリーズ!〕
〔――――――プリーズ!■サイコー!〕
青年、腰に付いている手形のバックルに、左右の指輪を翳す。
バックルから音声が鳴ると、青年の目の前に魔法陣が現れ、青年を包み込み光輝く。あまりの眩しさに目を瞑った怪物は、光がおさまったのを感じ目を開く。するとそこには、宝石のような仮面を付けた、魔法使いを連想させる、虹色の光を放つ戦士になった青年が立っていた。
その姿を見た怪物が、激しく動揺する。
『な、なんだその姿は!?そんな姿があるなど、
聞いた事ないぞ!?』
「この姿は……師匠達と友人達のおかげで手に
した············最高の力だ!」
〔チョーイイネ!キックストライク!
サイコー!〕
青年は右の中指にはめていた指輪を変え、手形のバックルに翳す。バックルから音声が鳴ると同時に、青年の足下に虹色に光る魔法陣が出現する。
そして
「はっ!!……ハァアアアアアア!!」
『ぐぅぅ!?……バ、バカなぁあああああ!!』
─ドガァアアアアアアン─
青年はその場から駆け出して上空に跳び、体を捻って怪物へ飛び蹴りを叩き込んだ。叩き込まれた怪物は、吹き飛び、爆発した。
それを確認した青年は元の姿へと戻り、その場へ倒れ込む。
「ハハ……力……使い果たしたみたいだ……」
苦笑いしながら、自身の体の感覚がなくなって行くのを感じる青年。
「はぁ……皆と……約束……したのに………
また集まって…………楽しみたかった……
なぁ……」
段々と意識が薄れていく青年。
「どうか……皆が……幸せ…に……なります
……よう…………に……」
その言葉を最後に、青年は完全に意識を失い、死亡した。
こうして青年──
「ん…………あれ?」
謎の怪物に最後の一撃を叩き込み、死んだ晴司は、真っ白な謎の空間にいた。
「ここは……俺は確か、死んだ筈なのに」
「そうだよ?君は体がボロボロなのに、無茶して
あの姿になって、必殺技を叩き込んだから死ん
だんだよ」
「こ、この声は!?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、すぐに振り返る晴司。そこには、白い服を着た男性が立っていた。男性を見た晴司は驚く。
「あ、アルマ!?」
「とりあえず…………一発かますよ!!」
─ゴチン─
「あだっ!?」
後ろにいた男性、アルマから拳骨を喰らい、頭を抱える晴司。
「いって~……何で殴るの?」
「分からないの?もう1発いっとく?」
「ま、待って待って!!何で殴られないといけないん
だよ!?俺、何かアルマにした!?」
「何にも」
「じゃあ何で殴んの!?」
「君が、僕を頼らないから」
「…………え?」
アルマの言葉の意味が分からず、首を傾げる晴司。
そんな晴司を見たアルマは、ため息をつく。
「あのね?僕が怒ってるのは、君が僕を頼らな
かった事に怒っているんだよ」
「えっ?」
「言ったよね?もし君が困ってたり、ピンチな時
は言ってって?」
「いやだって……流石に神様に頼るのはな~って」
そう、アルマは数々の平行世界を管理する神の1人なのだ。晴司が生前、異世界に旅立つ際に、何が原因か分からないが、アルマ達が住む天界に来てしまい、知り合った。
「あのね?僕は神様であるけど、神である前に君
の友人だよ?」
「アルマ……」
「だから、僕は勝手ながら君の友人達に知らせて
あの怪物以外に現れた怪物達を相手してもらっ
たよ」
「えっ!?マジで!?」
「うん。君が死んだ事で、世界との繋がりが無く
なったから、強制的に自分達の世界に戻ったけ
どね?あ、他の怪物達は倒してもらってるから
大丈夫だよ」
「そ、そっか」
アルマの話を聞き、一安心する晴司。
「さて、君に提案がある。転生してみないかい?」
「転生って、別の世界に行って生きるってやつ
だっけ?」
「まぁね。もっと言えば、力を持って別世界に生
まれ変わり、生きるんだ。まぁ、中には肉体を
再構築して、死んだ年齢からやり直す人もいる
よ。まぁ大抵は生まれ変わりが多いね」
「へ~」
「で、どうする?」
「ふむ……」
アルマに言われ、考える晴司。
しばらく悩んだ末、晴司は答えを出した。
「アルマ。すまないが·······」
「うん。転生だね?」
「あぁ、頼む」
晴司がそう言うと、晴司の目の前に1つの扉が現れる。
「そこを通れば転生できるよ。特典は何か希望は
あるかい?」
「ウィザードの力と、他の力は使えるようにして
ほしい」
「分かった」
「またいつか会おう、アルマ」
そう言った晴司は扉を開け、光に包まれて転生する。
こうして総魔 晴司の、仮面ライダーウィザードの新たな物語が始まるのであった。
という訳で、仮面ライダーウィザードとシンフォギアのクロス作品です!
次回は晴司の転生後の話になります。
次回も是非読んでください!