幾多ある多次元世界の一つ。ゲイムギョウ界と名のあるその世界では、四つの国とそれを守護する女神がいる。各国の女神は、国民の『信仰心=シェア』を力の源にしており、女神たちはその量を競っていた。
これはその内の、紫の女神が治める国の青年の物語。
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紫の女神が守護する大地、その名はプラネテューヌ。その市街地の中央に位置するはプラネタワー。そこではこの国の女神が居を構えており、それだけでなく女神をサポートする教祖、女神候補生、諜報部員も拠点としている。
その一室でこの国の教祖である司書・イストワールは、目の前の青年から報告を聞いていた。
「――以上で報告を終わります、イストワール様」
「ご苦労様ですユウトさん。成程、
「残念ながら停滞気味です。
この二人はその原因を知っている。知ってはいるが、その原因となっている人物は悪気があって現状を作っている訳じゃなかった。が、見様によってはそう見えてしまう。ユウトとイストワールは前者だ。そう信じていた。
会釈してイストワールの居る部屋をユウトは退室し、エレベータに入り指定の階を選択する。無音、無振動で動くこの箱はユウトを載せてその階へと向かう。
一分も満たない内にその階に到着する。彼を出迎えたのはこの国の女神候補生、ネプギアである。
「あ、おはようございますユウトさん」
「うぃっすギア子。今日もシェア集め?精が出るよなアンタは」
「あはは……」
苦笑いをするネプギアをよそに、ユウトはこの階……この国の女神の部屋を見回した。ゲームソフトやハード、攻略本や飲み終えたペットボトル数本を見なければ普通の部屋。一般的なリビングルーム三部屋程の広さだ。その部屋内を奥に進み、ユウトは一部盛り上がっている布団を見付けると、勢いよくそれを引っぺがした。
「くぉら起きろボケ女神がぁぁぁぁぁ!!」
「ねぷぅっ!!」
引っぺがした布団の下から、紫色をした短めハネっ毛のこの国を治めている女神のネプテューヌが素っ頓狂な声を上げて壁際まで吹っ飛ばされた。
「てめいつまで寝てんだボケ女神!!」
「えー、昨日いっぱいやったじゃーん」
「阿呆!十分の一にも満たねーよ!」
仮にもこの国を治めている女神の胸ぐらを掴んでグワングワンと揺らしながらユウトは、反論するネプテューヌに更に怒鳴り散らす。脇ではネプギアが苦笑いしながら二人の攻防を見ていた。するとそこに、諜報部所属のアイエフが携帯電話を片手に現れ、ネプギアの隣に並んだ。
またか、と何度も見慣れた光景に二人そろって溜息を吐くしかなかった。
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「今日の仕事はいたってシンプルだ。よく聞いとけよ、特にネプ子。実は今朝がたある依頼が届いた……依頼主は明かさなくてもいいか、ある遺跡でモンスターが大量発生しているらしい。最近プラネテューヌのはずれで発掘され、今じゃ観光地の一つ」
「そんな所にモンスターがでちゃっているんじゃあ…」
「観光客は減り、ひいてはこの国のシェアがトップに上がる事は二度とないかもな。あくまで可能性の話だが、やらない訳にはいかねぇな」
ユウトの説明にアイエフがもしもの仮定を言う。その事態を容易に想像して青ざめるネプギアとは裏腹に、ネプテューヌは暢気にプリンをスプーンで突いていた。
「大変だなぁ」
「そうは言うがなネプ子、もしそうなりゃあ……………今テメェが食ってるプリンが二度と食えなくなっちっまうぞ。いいのか、食いてぇ時に食えねぇぞ」
「嘘っ!」
「やっと状況理解したなこの大馬鹿は」
事の重大さに気が付いた女神と共に一行はその遺跡へと向かうのだった。
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ユウトの標準装備は身の丈以上はありそうな深紅の大剣。それがペンダント状の待機状態になっており、今もユウトの首に下がっていた。見た目は竜の鱗を模したかの様なデザインで、その鱗はこの世界にいるエンシェントドラゴンのそれと酷似しており、大剣自体もそれで出来ていた。
その物言わぬはずのアイテムと、その持ち主のユウトは会話をしていた。
「で、エンシェント。問題の遺跡までどんくらいだ?」
<もうすぐだ>
「そろそろ森を抜けますね」
ユウト達は遺跡に通ずる森を通っていた。一見獣道のようだがこれが正規の道だ。豊かな自然であることがこの国の良い所である。そんな遺跡にたどり着いたユウト、ネプテューヌ、ネプギア、アイエフ、コンパの五人は、遺跡の現状を目の当たりにしていた。
そこにはフェンリル種のモンスターが数十体
「括目せよー!なぁーんてねぇー!」
「いっきますよぉー!」
「エンシェント、バトルモード!」
先陣を切ったのはネプテューヌのもう一つの姿、紫の大地を守護するプラネテューヌの女神・パープルハート。続いてはその妹ネプギアが変身した女神の候補生・パープルシスターである。姉妹の親しい友人…諜報部のアイエフと医療班のコンパ。
そして、女神の力となり、剣となり楯となる青年ユウトがその大剣を手に、フェンリル達に切りかかる。
「行くぜ、ネプ子ぉ!」
「ええ、ユウト!」
紅い線と紫の線がフェンリルの群れにぶつかった。
To Be Continued