第八艦隊との合流を目指すアークエンジェルの艦内にアラートが響き渡る。
「レーダー派に干渉!Nジャマー反応増大!」
「103、オレンジアルファに、ナスカ級です!」
「モビルスーツ、熱紋確認!ブリッツ、バスター、デュエル、ジン2です!」
「あいつらっ!チィ!合流を目前にして!」
「総員、第一戦闘配備!先遣隊は行ってください」
『すまん』
マリューの宣言に合わせてパルが艦内放送で敵の襲来を知らせる。
先遣隊は武装がすべて破壊されており、船体も損傷だらけ、更に艦載機もない為、
邪魔でしかない。それを理解しているコープマンはマリューの提案に乗り先遣隊を進ませた。
しかし元々応急処置のみの状態である為、その速度は遅く、
アークエンジェルとギルデルクが殿を務めて最後尾に着いた。
『総員、第一戦闘配備!繰り返す!総員、第一戦闘配備!』
キラ、カズイ、サイが放送を聞いて食堂を飛び出す。
「戦争よぉ!また戦争よぉ!あぁぁ!」
飛び出した先でキラにエルがぶつかり尻餅をついて倒れる。
「あぁ…大丈夫かい?…さぁ…」
キラが手を差し出そうとすると後から来たフレイがエルを助け起こす。
「ごめんね。お兄ちゃん急いでたから」
「う…うん…」
「また戦争だけど、大丈夫。このお兄ちゃんが戦って、守ってくれるからね」
「うん」
そう言うフレイをキラは黙ってみていた。
「キラ!」
サイに呼ばれてキラは急いで走って格納庫に向かった。
『くっそー!こんなタイミングで、よくやる!ムウ・ラ・フラガ、出る!』
「まったくです。ソーマ・ベリアルイン、アルカナ、出るぞ」
ムウのメビウス・ゼロ。ソーマのアルカナがアークエンジェルから飛び出す。
それから遅れてストライク、メビウスが出ていく。
一方後方のナスカ級がビームを撃つ。
その射線をデュエル、バスター、ブリッツで射線が隠され、緑の閃光が船体に着弾する。
ラミネート装甲によって破壊はされていないが、艦はビームの質量によって揺れた。
「くっ──ゴッドフリート起動!敵の射線から位置を推測、撃ち返せッ!」
バジルール少尉の怒声が響き、ゴッドフリートが作動する。
相手が高速艦故に火力はローラシア級よりもマシだがだからと言って
そう何度もくらっていいわけではない。
かといって迎え撃つために回頭すれば第8艦隊との合流が遅れてしまう。
肝心のキラ達はデュエル、バスター、ジン2機に足止めを食らっていた。
各々の機体を巧みに動かして、攻めるソーマとキラ。
しかし、デュエルとバスターは遠巻きに戦い、とにかくまともに戦わない様に動いている。
かといって無視すれば後ろを取って攻撃してくる。その繰り返しだった。
「ちっ、いやな戦い方をしてくる。消耗狙いの持久戦か。確実にルークの入れ知恵だな」
『急がないと艦が』
「わかってる。シュン。ジンは?」
『こっちも厄介ですよ。ロドクルーンの双璧を相手してるみたいだ』
実際にこのジンのパイロット達はロドクルーンの双璧、日向アキトとクロエ・クルーガーでも
苦戦するレベルの実力者二人だ。
そう簡単に負ける相手ではない。
事実、この二機はシュンとムウを完全に抑えていた。
イザークやディアッカ達が何とか作った隙を利用して二コルのブリッツがアークエンジェルに向かう。
ブリッツがトリケロスからビームを放つ。
アークエンジェルはそれを回避。
そこでブリッツはミラージュコロイドを展開した。
「ブリッツをロスト!」
レーダーからブリッツの反応が消えた事でトノムラが驚きの声を上げる。
だがこの艦の艦長はこれらG兵器の開発に携わっていたのだ。
その答えと対策方法の全てがその頭脳の中にあった。
「ミラージュコロイドをを展開したんだわ!アンチビーム爆雷、対空榴散弾頭を!」
「アンチビーム爆雷発射!艦尾ミサイルを対空榴散弾頭に換装!」
アンチビーム爆雷が発射され、その直後、何もない空間からビームが放たれる。
しかし、爆雷のおかげで防がれる。
「ちぃ」
その事に舌打ちする二コル。
だがそれで終わりではない。
「ビーム角から、ブリッツの位置を推測!榴散弾頭、てぇ!!」
艦尾ミサイルが発射され対空榴散弾頭が発射される。
更に細かい弾丸が弾頭から射出されブリッツを襲う。
榴散弾そのものは実弾だが、ミラージュコロイドを展開中のブリッツは
フェイズシフトを切っている為、効果はある。
正確に捉えられたブリッツはミラージュコロイドを切りフェイズシフトを再展開。
その攻撃を防いだ。
「うっ!元々そちらのものでしたっけねぇ。弱点もよく御存知だ!」
再びミラージュコロイドを展開しようとする二コル。
だがそこにギルデルクから追撃の大量のミサイルが撃ち込まれる。
それを盾で防ぐ。
その隙にナタルは次の手を打った。
「イーゲルシュテルン、自動追尾解除!弾幕を張れ!」
「くっ!」
イーゲルシュテルンの弾幕で近づけなくなり二コルはすきを窺うようにアークエンジェル周辺を
飛び回っていた。
一方でソーマはようやくバスターを捕えた。
捉えてしまえばこちらのもの。
ビームサーベルを出力しすれ違う瞬間に四肢を切り離す。
《しまった!》
《ディアッカ!ちっ、下がれ》
《すまん》
四肢を失ったバスターに出来る事はなくスラスターを駆使して戦線を離脱させる。
アルカナは今度はジンに向かう。
だがそれは不可能だった。
『中尉、ブリッツに取りつかれました。戻ってください』
「な!くそっ」
ジンへの攻撃を諦めてアークエンジェルに戻ろうとするがそれをイザークが許さない。
《させるか、貴様だけでも》
「そう簡単にやられるわけにはいかないんだよ」
ビームを撃ちだしそれを横凪に薙ぎ払う。
それをデュエルが躱した隙にアークエンジェルに戻ろうとする。
『アークエンジェルに沈めさせやしない!』
ストライクが猛スピードでアークエンジェルに戻っていく。
ソーマは確信した。覚醒したのだ。SEEDが。
そうしてキラはアークエンジェルに取りついたブリッツを引き剥がし、
デュエルの追撃をかわして痛手を食らわせて撃退した。
お久しぶりです。皆さまはお元気でしたか?
僕は仕事に追われて今日まで投稿できずに悶々とした日々でした。
久々の投稿でしたがいかがだったでしょうか?
今後ともよろしくお願いいたします