ソーマSADE
二機のメビウス・ゼロがそれぞれシグーに向かっていく。
《私がお前を感じる様にお前も私を感じるのか?不幸な宿命だな。ムウ・ラ・フラガ》
『ラウ・ル・クルーゼ』
クルーゼとムウが打撃ち合う。
「ムウさん!」
ソーマもガンバレルを展開して戦闘に参加した。
シグーはそれらを余裕をもって交わした。
「この時ばかりはガンバレルが少なったのが悔やまれるな!」
『クルーゼ!』
《お前はいつも邪魔だな!ムウ!!最もそれはそちらもご同様かな?》
クルーゼとルークはヘリオポリスの中に入って行く。
『くっ、ヘリオポリスの中へ、追うぞ』
「はい」
ムウとソーマは後を追ってヘリをポリスの中に入って行った。
ルークは自身のシグーアサルトHMハイマニューバを掴んで母艦に戻る。
丁度シャフト部分を進んでいた頃、ランドムーバーを使って進むミゲルを発見した。
「ミゲル!」
『ロドクルーン隊長!ご無事で』
「ああ、それよりお前ほどのパイロットが機体を失ったのか?」
『申し訳ありません』
「何らかの理由があるんだろうがそれは帰ってから聞く。それより俺のシグーを
母艦に運んでくれるか?」
『何かあるのですか?』
「最後の機体が気になってな。ハッチは開いてるから任せる」
『了解』
ミゲルはそのまま機体に乗り込む。
それを見届けたルークは機体をモビルアーマー形態に変えてヘリオポリス内部に向けた。
「せめてあれだけは阻止しないとな」
シャフトを通りながらルークは一人つぶやいていた。
「―――うぅ」
マリューは目を覚ました。
ジンの自爆に巻き込まれて、その衝撃で体が投げ出されて頭を打ち気を失っていたのだ。
目を開ければ先ほどの少年、キラ・ヤマトとその学友と思われる少年たちが声をかけてくる。
「大丈夫ですか?」
「あまり動かない方がいいですよ?」
「ええ、ありがとう」
「さっきはすみませんでした」
「ええ、それよりも少し話したいの。こちらに来てもらえるかしら?」
「ええ」
キラ達は何となくわかっていたように答えて並ぶ。
「まず私の名前はマリュー・ラミアス。地球連合軍の将校です。
事情はどうあれ、軍の重要機密を見たあなた達をこのまま解放する訳にはいかなくなりました。
然るべき所と連絡が取れ、その処遇が決定するまでは私と行動を共にして貰います。」
「ここは中立です!軍とか関係ない、ただの民間人なんですよ僕らは!」
「そうだよ!だいたい、なんで地球軍がここにいるのさ、そっからしておかしいじゃんか!」
「そうだよ、だからこんなことになったんだろ!」
そう告げるマリューに皆口々に食って掛かる。
当たり前だ。
彼らはちょっと前まで普通の学生だったのだ。
それがいきなり、軍と行動を共にしろではそうなるだろう。
しかし、マリューは銃で空を撃ち彼らを黙らせた。
「黙りなさい。何も知らない子供が。中立だと、関係ないと言っていればそれで済むと、
まさか本気で思っている訳じゃないでしょう?ここに子の機体があって、
あなた達は地球軍の重要機密を見た。それがあなた達の現実です。」
マリューの厳しい口調に皆沈黙する。
サイが乱暴なと独りぼやくが、それもラミアス大尉は一蹴した。
「乱暴も何も、戦争しているんです。地球とプラントで。あなた達の外の世界ではね。」
キラ達は何も言えなかった。
ここには自分たち以外誰もいない。
マリューがその気になれば目撃者を減らす名目で彼らを殺せるのだ。
彼女がそれをしないのは偏に彼女の優しさだ。
生殺与奪の権利を奪われたキラ達にはどうすることもできなかった。
シャフト内の廊下。
そこで地球軍少尉、ナタル・バジルールは目を覚ました。
「うぅっうっ」
周りを見れば無数の瓦礫と死体が無重力空間を浮遊していた。
「はっ!………船!アークエンジェルは!?」
ナタルは廊下を進む。
そこは指揮所。先ほどまでアークエンジェルの艦長や艦の建造に関わった男たちがいた場所だ。
しかしそこは無惨にも爆発の後だけだった。
「誰か!誰か居ないのか!……はぁ…くそっ!生き残った者は!」
しかしそれにこたえる人間はいなかった。
その時、ナタルの後ろの方角から扉を蹴る音が聞こえる。
そちらを見れば一人の男性が扉を蹴破り入ってきてライトをナタルに向ける。
「バジルール少尉!御無事で!」
それはアーノルド・ノイマン曹長だった。
二人はトノムラ伍長とも合流しそのままアークエンジェルブリッチに向かう。
「無事だったのは、爆発の時、艦に居りましたほんの数名だけです。
ほとんどは工員ですが…」
「状況は?ザフト艦はどうなってる?」
「…分かりません。私どももまだ周辺の確認をするのが手一杯で…」
ノイマンの返答を聞きながらナタルはアークエンジェルのシステムを起動させる。
システムは正常に起動し、薄暗かった艦内が明るくなる。
「流石はアークエンジェルだな。これしきのことで沈みはしないか」
「…しかし、港口側は瓦礫が密集してしまっています。完全に閉じこめられました」
一瞬にして希望が無くなる。
通信を試みるがノイズが返ってくるばかりで何も反応はない」
「まだ通信妨害されている。…だが…ではこちらは陽動?
ザフトの狙いはモルゲンレーテということか!
くそっー!あちらの状況は!?Gはどうなったのだ?これでは何も分からん!」
「こ……105ストライク…地球軍…応答…」
「こちらX-105ストライク。地球軍、応答願います。地球軍、応答願います!」
キラは残ったパワーで通信を試みる。
しかし誰も出る事はなかった。
マリューはそれをストライクのバッテリー不足によるものと判断して
ストライクのバッテリーを充電させるべく、
サイ達に命じてパワーパックを取りに行かせていた。
しばらくすれば大型のトレーラーがこちらに来る。
「ナンバー5のトレーラー……あれでいいんですよね?」
「ええそう…ありがとう」
「それで?この後は僕たちはどうすればいいんです?」
「ストライカーパックを…そしたら…キラ君もう一回通信をやってみて」
「…はい」
トレーラーの荷台が開きキラはストライクをその近くに向かわせて跪かせた。
「艦を発進させるなど!この人員では無理です!」
「そんなことを言っている間に、やるにはどうしたらいいかを考えろ!
モルゲンレーテはまだ戦闘中かもしれんのだぞ!
それをこのままここに籠もって、見過ごせとでも言うのか!」
後ろのスライドドアが開く。
「連れて参りました!」
トノムラと二人の兵士がブリッジに入ってくる。
「シートに着け!コンピュータの指示通りにやればいい」
「「「はい!」」」
三人はそれぞれシートに着きシステムを起動させていく。
外にはまだザフト艦が居ます。戦闘などできませんよ?」
「分かっている!艦起動と同時に特装砲発射準備!できるな?曹長」
ナタルの命令に納得いかないながらも操縦席に座り他の者同様起動シークエンスを開始した。
「発進シークエンス、スタート。非常事態のため、
プロセスC-30からL-21まで省略。主動力、オンライン」
「出力上昇、異常なし。定格まで、450秒!」
トノムラの報告にナタルは小さく舌打ちをして次の手を考える。
「長すぎる!ヘリオポリスとのコンジットの状況!」
「はっ!…生きてます!」
「そこからパワーを貰え!コンジット、オンライン!パワーをアキュムレーターに接続!」
「接続を確認、フロー正常!定格まで20秒。生命維持装置異常なし!」
「CICオンライン」
「武器システム、オンライン。FCS、コンタクト。磁場チェンバー及び
ペレットディスペンサー、アイドリング、正常」
「外装衝撃ダンパー、最大出力でホールド」
「主動力、コンタクト」
「エンジン、異常なし。アークエンジェル全システム、オンライン。発進準備完了!」
「気密隔壁閉鎖。総員、衝撃及び突発的な艦体の破壊に備えよ。前進微速。アークエンジェル、発進!」
「どれですか?パワーパックって!」
「武器とパワーパックは一体になってるの!このまま装備して!」
キラはマリューの指示通りに操作し始めた。
「まだ解除にならないのね、避難命令」
「親父やお袋達も避難してんのかな?」
「あ~あ、早く家帰りてぇ~」
その時、シャフトの一角が爆発を起こす。
そこからシグーとそれを追ってメビウス・ゼロとメビウス・ゼロCが現れた。
シャフトからコロニー内に出る。
「ほう、あれが」
《最後の一機か》
その時メビウス・ゼロの後ろからさらなる機体が現れる。
「ラウ!」
『ルークか。その機体は?』
「もう一機あったから拝借してきた。それより今は」
『ああ、最後の一機が先だ』
《させるか!》
「ソーマか」
《てめぇはいつでも邪魔だな!ルーク・ロドクルーン》
「それはお前も同じ事だろ。ソーマ・ベリアルイン」
ソーマがガンバレルを展開しブレリュードを囲む。
ルークはそれを簡単に抜け出し、ビームサブマシンガンでガンバレルを破壊し、本体にも
ダメージを与えた。
《くっ、しまった》
「これで積みだ。ソーマ」
ルークはビームサブマシンガンをメビウス・ゼロCに向ける。
《ソーマ!》
『お前の相手は私だよ。ムウ!』
ムウが間に入ろうとするがラウによって阻まれた。
まさに銃口からビームが放たれようとした時地表から
ビームが放たれた。
そして爆発と共に白亜の巨艦が現れるのだった。