それは、ある満月の夜のことだった
首を噛みちぎろうと迫りくる数多の牙
逃げようと足掻くのはこの獣の前では無意味だろう
それが獣である以上いくら逃げようとも逃げきれない
しかしこの首を噛み千切る筈の刃は黒き魔弾に蹂躙される
直後、この身を刃の代わりに月に照らされ白金に輝く鎖が私を縛る
黒き闇が目の前に降り立ち、こちらを見つめる
その中には独りの少女の姿があった
その少女が持つ美しさに目を奪われる
それと同時にこの世界は僅かに変化が起こりつつあった
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本戦エントリーポイント
「決勝戦へようこそ!にしてもよくここまで私利私欲のために戦って来れましたねぇ…私ちょっと引いちゃいます〜」
脳内に直接、耳障りな女の声が響く
「まぁ……お巫山戯はこの辺にしといて決勝戦のルール説明と選手紹介いっちゃいますか!!」
以前もコイツの声は幾らか聞いてきたが、ここまで私を苛つかせるモノはコイツだけだろう
「決勝戦のルールは簡単でまず最初に皆さんに私が持つ権限を7分割して配布します…そして皆さんには私が持つ権限の完成を目指して殺し合って貰います!!ね、簡単でしょう……?」
その言葉を聞き僅かな不安と緊張を覚える
(いくつもの戦場を越えてきた私だが……今回の戦いは選りすぐりの猛者だらけ……それに管理者が持つ権限についても正直言って実戦で使えるかどうか……)
「ということで次…選手紹介でーす」
その言葉によって思考が遮られる
「1stアレフティナ=ルィソフ、2nd翁 伟权、
3rdオフィーリア=プライズ」
思わず管理者の言葉に驚愕しそうになる
(まさか……とは思うがオフィーリア=プライズ……あの西欧のとある国の女王……いやまさか……)
「4thシルヴィア=ウィリアムズ、5thゴットハルト=ファーベルク、6th鹿目めぐる」
私の名が呼ばれ、改めて決勝戦まで勝ち上がってきたことを自覚する
「7thエドワール=ロード、以上7名がこの決勝戦の参加者です……ということで皆さん頑張ってください〜」
その言葉と同時に意識が途絶えた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー0日目 昼
私が目を覚ますと目の前には廃れた見知らぬ天井があった
私は周囲の安全を確かめるべく起き上がり近くにあった窓に駆け寄る
窓の外にはどこか見慣れた街並みが広がっていた
しかし決定的にその街とは違っている部分があった
それは人が多く行き交っていた通りには血に飢えた獣が徘徊しており、道路の至る所には雑草が生い茂っていた
(ここでじっとしている分には今のところ大丈夫なようだな)
私はとりあえず窓から離れ、管理者に与えられた権限を確認するべくステータスウィンドウを開く
するとステータス欄の下には『接続』と書かれた文字があった
(接続って……いくらなんでも抽象的すぎるだろ……普通に考えてもう少し具体的なモノがあるだろ……)
取り敢えず頭を切り替えこの能力を確かめてみる
「接続開始!」
や は り 何 も 起 こ ら な か った !
(この能力ってもしかして付与系……?ならば……)
インベントリからいくつかのアイテムを取り出し試してみるが……やはりうまくいかなかった
私は『接続』の件を諦め、新しく作戦を練り直し始めた
不定期投稿になるかも