IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige 作:白姫彼方
~入り江~
いつものメンバーは千冬に呼ばれ、海岸の傍にある入り江に来ていた。
「ところでどうして箒と美紗緒が来てるのですか?専用機持ちじゃないでしょう?」
鈴音が疑問に思うのも当然だ。まだ箒と美紗緒には専用機がない
「あー……それはだな」
千冬が答えようとした瞬間に砂煙を上げて猛スピードで接近してくる人影があった。
「ちーちゃ~~~~~~~~~ん!!!」
その人影は跳び、千冬に突撃をするも激突する寸前に千冬の手に頭を捕まれ、そのままアイアンクローを決められる。
「何やってるんだろ……束お姉ちゃん……」
「わからん」
束の奇天烈な行動を見た美緒はそう呟くと一夏が返事を返す。
「でも束お姉ちゃんが着てるなら……
「……
「うん、ちょっとね」
「さあ、大空をご覧あれ!」
束の声を聞いて全員が上を見ると二つの物体が落ちてくる。
その物体は砂埃を舞い上げながら地面におちた。
「束お姉ちゃん、
美緒はそう言って落下してきた二つの物体のうち一つの前に立つ
「そうだよ♪みーちゃん。その中にみーちゃんが私に頼んでた
束はそう言うとその物体が光の粒子となって二機のISとなる。
「じゃじゃーん!これぞ箒ちゃんの専用機こと『
「そして美紗緒ちゃんの専用機『カグツチ』だよ♪私のIS『カィンホクキエツァ』の予備パーツでくみ上げたISだけどその性能はほぼ同等だよ♪」
美緒と束は言って二機を膝をつかせる。
「「さぁ、パーソナライズとフィッティングを始めよう♪」」
美緒と束が言うと箒と美紗緒は双方のISに乗る。
「束お姉ちゃん、コンソール貸して~」
「いいよ~♪」
束は美緒にコンソールを貸す。そして二人はまったく同じ速度でコンソールを叩く、美緒は『
「「は~い♪フィッティング終了♪」」
美緒と束はコンソールを片付けると声が聞こえてきた。
「あの専用機って篠ノ之さんと千条院さんが貰えるの……?身内ってだけで」
「だよねぇ。なんかずるいよねぇ」
美緒はその声の主を探そうと目線を向けようとしたところ、意外な声が聞こえた。
「おやおや、歴史の勉強をしたことがないのかな?
束の指摘を受けた女子は気まずそうに作業に戻った。
「あとは自動処理に任せておけばパーソナライズも終わるね。あ、いっくんとみーちゃん、『白式』と『カィンホクキエツァ』見せて。束さんは興味津々なのだよ」
束が言うと美緒と一夏はISを起動する。
「データ見せてね~。うりゃ」
言うなり、『白式』と『カィンホクキエツァ』にコードを挿す。するとディスプレイが空中に浮き上がる。
「ん~……不思議なフラグメントマップを構築してるね。なんでだろ?見たことないパターン。いっくんが男の子だからかな?」
束はそう言いつつ『カィンホクキエツァ』を見る。
「こっちもこっちで変なフラグメントマップをしてるねぇ?コア2つ搭載してるからかなぁ?」
束はそう言ってさらに作業を続けていると美緒のISに
『美緒様突然の連絡で申し訳ございません』
聞こえてきたのはとても低い男性の声だった。
『何かあったの?』
『はい、二時間前ハワイ沖で実験稼動していたアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『
『それだけだったら私が出る幕じゃないでしょう?本題は?』
「はい、その『
「専用機持ち全員集合しろ!織斑、千条院姉妹、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰!それと篠ノ之も来い」
『ごめん。召集が掛かったからデータを送っておいて』
『わかりました』
美緒は通信を切ると千冬の後に続いた。
「では、現状を説明する」
千冬は最初だけは先程聞いた説明と同じことを話す。それを感じていたのは美緒だけだった。
「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから2km先の空域を通過することがわかった。時間にして50分後。学園上層部の通達により、我々がこの事態に対処することとなった」
ラウラは「
「そして未確認だが福音の後方10kmに
立体映像ディスプレイに
「どうした?千条院」
「やっぱり……」
美緒の言葉に千冬は目を鋭くする。
「知っているんだな?」
「はい、この機体名は『
美緒の言葉に専用機持ち全員が固まる。
「しかし……これは厄介なことになりました」
「どう言う事だ」
「はい、『カィンホクキエツァ』と『カインフィードバックヴォンディン』には『三鬼神ユニット』と呼ばれる特化ユニットを装備しています」
「『三鬼神ユニット』?なんだそれは」
「『三鬼神ユニット』とは攻撃、機動特化型の『ムラクモユニット』、防御、機動特化型の『ヤタノカガミユニット』、戦闘破壊特化型の『アマテラスユニット』の3ユニットから構成される。千条院家の
「何故だ?詳しく説明しろ」
「『アマテラスユニット』は本来『
美緒の説明に室内に居る全員が驚愕した。
それは当然だ。『絶対防御』が無効化されるということは本当の殺し合いをすることになるからだ。
「今回の実戦では申し訳ないですが私は『カインフィードバックヴォンディン』を落としに行きます」
美緒はそう言って立ち上がる。
「聞こえてるね言峰?」
『勿論でございます。美緒様』
立体映像ディスプレイに男性の老人の顔が映し出される。
「『カインフィードバックヴォンディン』を完全破壊及び搭乗者の
『左様で御座います。美緒様』
「わかった……あとでデータを送るよ」
『はい……後武運を』
言峰はそういうと通信を切り、立体映像ディスプレイは元に戻る。その直後に一夏は美緒に詰め寄る。
「美緒!殺害ってどういうことだよ!」
「一夏……悪いけどこれは私の家の問題だから……ごめんね」
美緒は申し訳無さそうに言い、部屋を出た。
~海岸~
現在午前11時半、美緒、一夏、箒が居た。
「「「………」」」
あの司令室の中での事で少しお互いに話し辛くなっていた。
「そろそろ時間だね……」
「ああ」
「そうだな」
美緒の言葉に二人は短く答えた。
「おいで……『カィンホクキエツァ』」
「こい!『白式』」
「いくぞ!『紅椿』」
3人はISを展開させる。
「それじゃ、一夏……行ってくるね」
「あぁ、気をつけてな」
美緒は一夏に行って近付く。
「一夏……」
「どうしたんだ?美緒」
美緒は一夏の唇を奪った。一夏と箒はその行動に驚き、固まる。
「「!?」」
「ん……勇気を貰ったよ♪」
美緒はそう言って離れる。
「第666虚数バイパス展開接続開始……イリーガル機関稼動開始確認!『ヤタノカガミユニット』……起動!」
『カィンホクキエツァ』が呼応する様に紅色の粒子を出していく
「コード入力
美緒が言い終わる直前に『カィンホクキエツァ』の形が変わる。少し重量感があった装甲がより堅牢な形になり、大型化され、通常状態の『カィンホクキエツァ』の1.5倍ほどの大きさになった。
「じゃあね」
美緒は今だ固まっている箒と一夏を置いて、戦場に向かった。