IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige 作:白姫彼方
~???~
美緒は一人暗い闇の中一人座っていた。そこは太陽があるが月食の様に黒い太陽であった、ふと思いついたように美緒は立ち上がり、ゆっくりと歩き出す。
「ここは……?」
周りを見ても何も見えない、闇ではなく無だと美緒は確信する。暫く歩くと何か聞こえてくる。
「――――――♪」
それは美しい歌声だった。だけども哀しく寂しい歌声……美緒はその歌声に誘われるかのように歩みを速める。
「漸く来たのかぇ?」
美緒は後ろを振り返るとそこには十二単を着た女性が居た。背中まである黒髪を下ろし、泳がせている
「貴女は……?」
「主は力を欲するかの?」
美緒の質問を無視した女性は問いかける。
「他者を圧倒し破壊する力を」
「うーん……私はもうその力は必要ないかな」
「何故じゃ?」
「私にはもうその力があるからね。だから今欲しいのは……」
美緒は自然と強い意志が宿った目になる。
「愛しい人や大切な仲間、友達を護る力が欲しい」
「その言葉に嘘偽りはないのじゃな?」
「当然だよ」
美緒の答えに女性は微笑む
「ならば、主にその力を与えようかの」
女性はそう答えると泡の様に消えた。
「今の人は一体……」
「あの人は貴女」
「貴女はあの人」
「「だよ。お姉さん」」
二人の声が聞こえると同時に風景が突然変わり、夕焼けに変わる。美緒はゆっくりと声のした方を向くと白と黒のワンピースを着た美緒よりも小さい少女が居た。
「君達は……?」
「私は貴女の相棒」
「私は貴女を護る盾でもあり矛でもある」
「貴女は何を望むの?」
「私は……大切な人達を護りたい!」
「「良かった……私達の相棒が貴女で」」
二人は安堵した声で微笑む。
「私達から貴女に最後の力を渡すから」
「貴女が護りたい世界を……人達を護って」
「例え今の肉体が滅んでも」
「貴女と共に有るから」
二人がそう言うと徐々に世界が歪み始める。
「待って!貴女達は!」
「「貴女が思ってる通りだよ……お姉さん」」
そして世界が消え、美緒は現実に戻る。
~戦闘海域海中~
あの激しい戦闘から5時間程経っていた。
今も自己再生に専念している所だったが突然海中から巨大なエネルギー反応が発生する。
「高エネルギー反応……!?」
海面が上空に向かって放たれたエネルギー波によって蒸発する。その姿は『カィンホクキエツァ』に似ているが何処か違っていた。損傷しきった装甲、操縦者も傷だらけであり。それは
「そっか……これが
その声は美緒であった。だが『カィンホクキエツァ』の装甲には紫電が時折走り、損傷具合が危険であることがわかっていた。
美緒は機械翼『アクティブクローク』が変形した新しい機械翼に『月光』と同じ青白い光を纏わせる。その光から無数のエネルギー弾が放たれ、
――――――『カィンホクキエツァ』の稼動限界領域を突破、修復不可能。機密保持の為自爆シークエンスに移行します。
「!?」
美緒は『カィンホクキエツァ』のメッセージに驚く。そして『カィンホクキエツァ』から
「なっ!『カィンホクキエツァ』!?」
美緒が居なくなった後も『カィンホクキエツァ』は
残された『カィンホクキエツァ』と
「(早くしないと……!)」
~花月荘作戦司令室本部~
あの後、海を走って戻って来た美緒を一番に見たのが真耶で、全身血塗れの状態で更に水の上を跳躍しながら走っている美緒を見てまず最初に驚いた時の声が出て、その直後に血塗れ状態の美緒を確認して悲鳴を上げて真耶は気絶した。
真耶の悲鳴を聞いて千冬を始め教師陣、専用機持ち全員、生徒達が集まり、一同は騒然としたのはまた別の話。
「それでだ。『カインフィードバックヴォンディン』との戦闘で『カィンホクキエツァ』は自爆したと言うことなんだな?」
「はい、間違いありません。織斑先生」
美緒は先程の戦闘の詳細を報告していた。ただ、あの夢の中での出来事は話してはいない。
「そうか……報告ご苦労。さてと……千条院、お前は何時カラーコンタクトをしたんだ?」
「え?していませんが?」
「確認してみろ」
千冬はそう言うと近くに居た女性教師からコンパクトを借りて、美緒に渡す。そして美緒が自分の顔を見ると瞳の色が変わっていた。左目は
「とりあえずその瞳に関することは後日説明してもらうからな」
「わかりました」
美緒はどう説明しようかと悩みながら司令室を出て行った。