IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige 作:白姫彼方
~第六アリーナピット内~
「美緒!負けたら承知しないわよ!」
あの後、楯無は美緒の申し込みを受けた。その時は顔には出てきてはいなかったが心情的には怒り狂っていただろう。
「美緒、頑張れよ」
「うん♪頑張るよ……いくよ『アルテミス』」
美緒は『アルテミス』を装着すると、カタパルトに乗る。
「千条院美緒、『アルテミス』、行きます!」
勢いよく美緒はピットから飛び出て、バレルロールをしながら楯無がいる場所まで向かった。
――――戦闘待機状態のISを感知。搭乗者更識楯無。ISネーム『
『アルテミス』から楯無のISデータが表示された。それを見ているうちに楯無と正対する。
「待たせたみたいだね」
「そんなことないわよ、始めましょう」
楯無はそういうが早く、『ラスティー・ネイル』と呼ばれる蛇腹剣を美緒に振るう、左腕に『月光零式』を展開した美緒は、『ラスティー・ネイル』を弾き、『ツヌグイ』を全基射出してありとあらゆる方向から赤い閃光を放ち、それと同時にブレード形態になった『ツヌグイ』が、楯無に襲い掛かる。
楯無はそれを避け、当りそうなものは展開されている水のヴェールで防ごうとしたが、『ツヌグイ』は静のヴェールを
――――バリアー貫通、ダメージ100。シールドエネルギー残量450。実体ダメージ、レベル軽微
美緒は『ツヌグイ』を操作しつつ、左腕に展開していた『月光零式』をしまって、『グングニル』を両腕に展開する。
「これは避けられる?」
呟く様な小さい声で問いかけながら、右腕をEN形態、左腕をAM形態にして、グレネード弾と荷電粒子砲を楯無に放つ、楯無は荷電粒子砲とグレネード弾を避けながら、『ラスティー・ネイル』をしまって特殊ナノマシンで水を呼び出し、超高周波振動の水を纏ったランス『
「くっ!このビットはやっかいね。はや「この程度でロシアの代表?笑わせるね」!?」
楯無の独り言に介入して美緒は嘲笑とも取れる様に言う、その声に気付いた楯無は振り返ろうとしたが美緒は脚部大型ビームソード『月光』を展開して、楯無を蹴り上げる。
「あぐぅっ!」
――――バリアー貫通、ダメージ200。シールドエネルギー残量250。実体ダメージ、レベル中破
蹴り上げられた楯無を美緒は追撃をかける為に『
「くぅ……化け物のような性能ね……だけど!」
突然、美緒は爆炎に包まれた。『ミステリアス・レイディ』のナノマシンで構成された水を霧状にして攻撃対象物へ散布し、ナノマシンを発熱させることで水を瞬時に気化させ、その衝撃や熱で相手を破壊する特殊攻撃『
そして、爆炎が消えると同時に楯無の表情が驚愕に彩られる。
――――バリアー貫通、ダメージ20。シールドエネルギー残量900。実体ダメージ、レベル軽微
「こんな隠し玉があるなんてね?」
『
「まだまだあるんでしょう?撃ってきていいよ?それすらも砕いてあげる」
美緒はそう言って、楯無の前に下りる。
「後悔しても知らないよ?」
楯無はそう言って、拳を上げる。するとアクア・ナノマシンが拳の上に集まり、巨大な水の槍を作り上げる。
「受けなさい。『ミステリアス・レイディ』の最大火力を!」
楯無は槍を構えて美緒に突撃する。美緒は大型AM・ENシールド『アイギス』を両腕で展開して、槍を受ける。
――――『ミストルティンの槍』発動。
爆発音と共に、砂埃が舞い、二人の姿を隠した。そのまま沈黙が訪れ、見ていた観客も固唾を呑んで見守る。
砂埃が晴れると、そこには爆発直前のままの二人が居た。
――――バリアー貫通、ダメージ120。シールドエネルギー残量650。実体ダメージ、レベル軽微
「それが最大火力……?失望したよ」
美緒は失望した声色で言い、楯無を蹴り飛ばし、空中に飛ぶ。その間にも楯無は動こうとするが、『ミストルティンの槍』のダメージが抜けてなく、思うように動かせない。
「受けなさい……」
美緒は『
「これで……終りだよ」
美緒が言い終ると同時に一斉発射をし、閃光が楯無を飲み込んだ。
閃光が消え、砂埃が晴れると楯無は立っていたが……
――――バリアー貫通、ダメージ340。シールドエネルギー残量0。実体ダメージ、レベル大破
『ミステリアス・レイディ』は粒子となって消え、ISスーツのみとなった楯無はゆっくりと倒れた
『
静寂した会場内に勝者を伝えるアナウンスだけが響き渡ったのだった。