IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige   作:白姫彼方

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開戦

~太平洋海上~

 

『これより、『迅雷弐型』による超遠距離狙撃を開始します。注意してください』

 

フィオナが言い終えると同時に海面近くを飛行している一夏が見る先にあった、巡洋艦の1隻が轟音を出しながら轟沈した。

一夏はそれを合図とばかりに両腕の『雪羅』をカノンモードに移行させて、両腕と背部にある翼から荷電粒子砲を放つ、4門の荷電粒子砲の斜線上にある巡洋艦と補給艦が飲まれて沈んでいく。

その直後にアメリカ軍の空母から続々とF-15Eストライクイーグルが出撃する。

 

『一夏ぁ!先行しすぎだ!!』

 

プライベート・チャネルが一夏の耳に入る。首だけを少し後ろに向けると、ラウラとシャルロットがいた。どうやら先程の怒声はラウラのものだったらしい。

 

「そうだよ、一夏一人で戦ってるわけじゃないんだから」

 

シャルロットは一夏に注意をしつつ、右手に『オアシス』、左手に『デザート』を既に持っており。近付いてくるストライクイーグルを撃ち落す。

ラウラもワイヤーブレードを6本伸ばし、シャルロットと同様にストライクイーグルを斬り落とす。

 

「すまない。シャル、ラウラ……。ところで、セシリアと鈴と箒は?」

「箒とセシリアは『レクイエム』の防衛に当たっている。何でも『迅雷』のみでは厳しいかもしれないと言うことでな、鈴は別の方向から強襲するみたいだ」

 

一夏の質問にラウラが答える。その間にも巡洋艦やストライクイーグルのミサイルや砲撃が飛んでくるも、3人は避け、反撃にとシャルは『オアシス』、『デザート』でストライクイーグルのミサイルを撃ち落し、ラウラはワイヤーブレードでストライクイーグルを斬り刻み、一夏は荷電粒子砲で巡洋艦を沈ませる。

一夏は『雪羅』を射撃形態からクローモードに切り替え、『雪月』を射撃形態で20機射出する。『雪月』は一夏の周りを数秒漂い、直ぐにストライクイーグルや巡洋艦を攻撃する。

 

『敵艦隊後方からISの反応を確認!注意してください!』

 

突然、フィオナからの通信が来ると同時に無数のエネルギー弾が一夏達に襲い掛かる。

一夏達は紙一重でエネルギー弾を回避する、撃たれた方向を見ると一夏達は驚く。

 

「『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』!?」

「こんな時に……!!」

 

臨海学校で戦ったアメリカ・イスラエルで共同開発された第三世代型の軍用ISであり、まだ『第二形態移行(セカンド・シフト)』をしていなかった『白式』を墜とし、一夏に重傷を負わせたISだ。

その『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』からオープン・チャネルが開かれる。

 

「こんな形で再会するなんてね……?白いナイトさん?」

「それは俺もですよ。ナターシャさん」

 

軽口を言いながらも、一夏達は近付いてくるストライクイーグルを落とす。

一夏がナターシャに突撃する直前にラウラが一夏の前に出る。

 

『一夏。『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』は私に任せろ』

 

ラウラからのプライベート・チャネルが届く、それに一夏は少し驚く。

 

『一人じゃ危険だ!ここは3人で!』

『それでは遅い!こうしている間にも増援がくるかもしれないんだぞ!?だから一夏はシャルロットを連れて、敵戦力を削れ、私一人で十分だ』

『僕も行くよ、だから一夏……行って!』

 

ラウラとシャルロットは一夏にそう言うと、『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』を使い、ナターシャに突撃をした。

一夏は2人に感謝の念を抱くと『雪月』を武装プラットフォームに戻し、『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使って、その場から離脱した。

 

 

                     ◆

 

 

一夏が『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使い、離脱する。

その直後にシャルロットは『サンライズ』をブレード形態で8基射出して、『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』に向かわせ、『オアシス』と『デザート』を収納して、『オクスタンガトリング』を両手に展開する。

ラウラは『モントジッヒェル』と大型リニアキャノンの『ドンナー・シュラーク』を展開する。

 

「あら?行かせても良かったの?」

 

ナターシャの挑発を2人は聞き流す。

 

『ラウラ、僕が弾幕を張るからその間にお願い』

『解った』

 

シャルロットとラウラはプライベート・チャネルを使い、連携を組む。

ラウラが頷いた直後にシャルロットはENモードにした『オクスタンガトリング』を構えて、『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』を駆使しながら弾幕を張る。

 

「!?」

 

ナターシャはシャルロットの不意打ちとも言える攻撃を避けながら翼の『銀の鐘(シルバー・ベル)』を無差別に、それも全方位に放つ。

シャルロットは『銀の鐘(シルバー・ベル)』を『オクスタンガトリング』で撃ち落す。それによって『銀の鐘(シルバー・ベル)』が爆発し、双方に爆炎と爆煙が起こり、視界を塞ぐ。だが、視界が塞がれてもハイパーセンサーによって敵の位置が捕捉出来る為、無意味であった。

しかし、それはシャルロットの狙いでもあった。

ナターシャはシャルロットの『オクスタンガトリング』と『銀の鐘(シルバー・ベル)』を撃ち合いをしている中、ふと疑問に思った。

 

「(そういえばもう一人は……?)」

 

ナターシャの疑問が直ぐ解ることになった。

それは背後からラウラが、『ドンナー・シュラーク』を『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』に撃ち込んだからだ。

 

『背後からの砲撃に成功、これより『AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)』で『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』の動きを止めるぞ』

『了解!』

 

シャルロットは『オクスタンガトリング』を収納して、『月光』を展開し、『2段瞬時加速(ダブル・イグニッション・ブースト)』を使い、ナターシャの懐に飛び込む。

 

「くっ!」

 

ナターシャは距離をとる為、右腕部に『銀の鐘(シルバー・ベル)』の腕部装備砲(ハンドカノン)をシャルロットに放とうとする。

しかし、放つ直前にナターシャの動きが不自然に止まる。

 

「『AIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)』!?」

「これで……」

 

シャルロットは『月光』を上段で構える。

 

「終わりだぁぁぁぁ!!」

 

気迫さえ感じられるシャルロットの声と共に『月光』が振り下ろされ、『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』のシールドエネルギーを一気に削りきった。

 

 

                     ◆

 

 

シャルロットとラウラがナターシャを倒したその頃の一夏は、アメリカ艦隊を順調に倒していた。

『雪月』を展開して、ストライクイ-グルを斬り落とし、荷電粒子砲で巡洋艦や空母を一撃で沈めていく。

ストライクイーグルと巡洋艦からミサイルが放たれれば、後進しながらの『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』を行い、荷電粒子砲を放ってミサイルを破壊していく。

そんな中、フィオナから通信が入る。

 

『織斑一夏さん、そちらに所属不明ISが急速接近中!気を付けて下さい!』

「了解!」

 

一夏はそう答えながらも『雪月』を射撃形態とブレード形態で展開して、斬り刻み、風穴を開け、破壊していく。

 

――――警告!上空から高エネルギー反応!回避を推奨します!

 

『白式改』からの警告メッセージは遅く、一夏が上空を見ると既に青白い閃光が近付いていた。一夏は『雪羅』をシールドモードに切り替えてそれを防ぐと、聞いたことのある声が聞こえる。

 

『こちらは『アルテミス』です。我が主の命により、加勢します』

「美緒!?」

 

美緒は一夏の声に答えずに『ツヌグイ』を射撃形態で射出、一夏に向かってエネルギー弾が放たれる。

一夏はそのエネルギー弾を高速横回転移動(アーリー・ロール)と『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』を組み合わせた機動で回避、だが美緒は多機能武装腕を『グングニル』に展開変形させて荷電粒子砲を放つ。それを『雪羅』のシールドで防ぐ。

 

「美緒、どうして!!」

「………」

「聞こえてるのか!?美緒!」

「……。五月蝿いですね」

 

一夏の呼びかけに美緒は本気で五月蝿そうにしながら『グングニル』から『月光零式』に切り替え、『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使い、一夏に接近する。

一夏は『雪羅』をクローモードに切り替えて『月光零式』の刀身を掴んだ。

 

「!?」

「美緒、正気に戻ってくれ!!」

「……何を言うかと思えば……私は正気ですよ。織斑一夏(・・・・)

 

美緒は一夏の説得を何とも思わず、脚部の大型ビームソード『月光』を展開して一夏を横に蹴る。

 

『織斑一夏さん。服従コードに縛られている『生命戦闘体(アマテラス)』に説得は不可能です。

戦闘を続行してください』

 

フィオナの言葉に一夏は苦虫を噛み潰した様な顔をして、海面を蹴り上げて『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使い、美緒に急接近する。

美緒はニタァ……。と嬉しそうに口元を歪めて『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使い、一夏と美緒は互いの接近武器で激突した。

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