IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige 作:白姫彼方
~太平洋海上~
一夏と美緒は常人ではありえない速度と機動で戦っていた。
互いに『
美緒が『ツヌグイ』を展開すると一夏も『雪月』を展開して、ビット同士の撃ち合いが始まり、周りのストライクイーグルと巡洋艦、補給艦、空母を破壊していく。
一夏は右腕の『雪羅』をクローモードのまま構え、左腕の『雪羅』はカノンモードにして荷電粒子砲を放つ。
美緒は荷電粒子砲を避け、『
一夏はカノンモードにしていた『雪羅』をクローモードに切り替え、荷電粒子砲を急降下しながら避ける。『
それを一夏は右腕の『雪羅』をシールドモードに切り替えて防ぐと、左腕の『雪羅』で美緒の左腕部を殴り、装甲を砕きながら吹き飛ばす。
「……っ!」
一夏に殴られたことに美緒は少し動揺するも、すぐに思考を切り替えて『シャッテン』を射出し、収束荷電粒子砲を放つ。
一夏は避けて背部の翼から荷電粒子砲を放ち、その直後に『
美緒はそれを後退で避けるも、追撃とばかりに背部の翼から荷電粒子砲が放たれ、直撃を受ける直前に『アイギス』を展開して防ぐが、距離が近すぎたせいで反射できずに海面に叩き付けられる。
一夏はさらに追い討ちを掛けるように荷電粒子砲を美緒が叩き付けられた所に撃ち込む。
だが美緒は一夏がいる所の真下から、海面を突き破って現れる。その手には『月光零式』が既に展開されていて、右腕の『雪羅』を斬り飛ばした。
―――右腕部切断!一時的に右腕部の武装使用不可能……。自己修復モードに移行します。
「くっ!」
『雪羅』を斬り飛ばされた一夏は距離を取り、残った左腕の『雪羅』で荷電粒子砲を放つ。
美緒は『アイギス』で荷電粒子砲を受け止めて反射させる。反射された荷電粒子砲を一夏は避けて『雪羅』をカノンモードからクローモードに切り替えて振り上げるも、美緒は『月光零式』で受け止める。
「ちぃ……」
「…………」
鍔迫り合いをしている中、美緒に異変が起きた。
「……?……
美緒は突然後退し、即座に『グングニル』をENからAMに切り替え、海面に向かって放ち、水飛沫と爆炎を起こす。
「美緒!」
水飛沫と爆炎が晴れると既に美緒は戦闘区域から離脱していた。
その直後に鈴音が一夏に近付く。
「一夏!大じょ……。あんたその腕!」
「俺は大丈夫だ」
一夏がそう言い終えると同時に斬られた『雪羅』の修復を終え、元通りの『雪羅』がそこにあった。
「鈴。そっちの状況は?」
「あたしは巡洋艦20、空母10、補給艦5ね。一夏は?」
「俺は……。どれぐらいかは覚えてないけどよ……。美緒と戦った」
鈴音は最初、誇る様に言ったが、一夏の報告を聞いて目を見開く。
「……説得しようとしたけどよ……。だめだった」
「そう……よくやったわね。一夏」
一夏の痛々しい表情を見た鈴音は胸が締め付けられるような痛みを感じた。
『織斑一夏さん、シャルロット・デュノアさん聞いてください!』
切羽詰った様なフィオナの通信が突然入る。
『今入った情報で本国に敵ISが数機上陸した模様!直ちに排除しに向かってください!美紗緒様は一足先に本国に向かっています!』
オープン・チャネルで言われた内容を聞いた一夏と鈴音は顔を見合わせて。一夏は反転して、『
◆
五反田弾は家族と逃げていた。
その理由は本土に敵国ISが上陸した為である。祖父の厳を先頭にして弾は一つ下の妹、蘭を手を引いて走り、父親の
「はぁはぁ……。お、お兄……一夏さん……。無事かな……?」
「あいつなら大丈夫だろ……。何せ、千冬さんの弟だからな」
不安げに話しかける蘭を勇気付ける様に弾はそう返す、しかし、弾も内心不安と心配でいっぱいだった。
そこに1機のISが弾達の前に現れる。
「見ぃつけた♪」
そのIS操縦者は弾達を見て獲物を見つけた猛禽類の様な笑みを浮かべる。
「ここで殺ってもかまわねぇだろ……。なぁ?」
そのIS操縦者は呟きながら厳にその手に持った西洋剣を模った凶刃を振り下ろそうとした瞬間、何かに気づいたIS操縦者は後退すると、先程まで居た所に8つの大剣が突き刺さる。
「何者だ!」
青白い噴射炎を出しながら、1機のISが弾達に背背を向けて降りる。
「こちらは『ツヌグイ』。貴女は日本国の主権領域を侵犯しています。速やかに退去してください。さもなければ、実力で排除します」
「ふざけんなよ!テロリスト国の狗が!」
「反抗の意思を確認……。警告はしましたよ?」
ISの操縦者が美紗緒に西洋剣を振り上げ、美紗緒に攻撃しようとした瞬間、敵ISを美紗緒が横に蹴り飛ばす。蹴り飛ばされたISは近くにあった家屋を倒壊させるも、状況に追いついていなかった。
「……ギリシャ製第三世代IS『アテネ』……。スペックカタログよりも低いね……」
「あ、あの……」
美紗緒に弾が話し掛けようとするも、美紗緒の隣に一夏が降りる。
「あ、一夏さん。民間人を『レクイエム』まで護衛して」
「あぁ、解った……。って弾!?」
「一夏か!?」
一夏と弾は互いを見て驚く、美紗緒は知り合いなのだろうと判断して、未だに動きを見せない『アテナ』を警戒する。
「弾!無事だったんだな」
「あぁ、そこの人に助けられたんだ」
弾は美紗緒を見て、美紗緒は軽く会釈をする。
「一夏さん。感動の再会の所申し訳ないけど、早くその民間人を『レクイエム』に」
「あぁ、俺についてきてください!」
一夏に先導されて五反田一家は『レクイエム』に向かった。
◆
『お帰りなさい、織斑一夏さん』
五反田一家を『レクイエム』に連れて戻るとフィオナの声が出迎えた。
「今戻った。状況は?」
『はい、現在アメリカ艦隊は撤退を始めています、こちらはまもなく終わるでしょう。
問題は本国に上陸したIS数機で、軍事施設70%、発電所関連施設40%、IS関連施設70%を破壊しています。幸い、原子力発電所は被害は出ていませんが、実質ほぼ壊滅状態と言っても過言ではない状況です。これに対し千条院家の対応は徹底抗戦、及びこれを引き起こした『
「わかった、それで俺はこれからまた
『いいえ、暫くは第二種戦闘配置にとなっておりますのでゆっくり休んでください……。織斑一夏さんが今連れている民間人の皆様はご友人とそのご家族なのでしょう?』
「了解、それじゃ俺は一足先に休んでる。みんなは何処に案内すれば良い?」
『はい、居住区の第二ブロックに案内してください。今艦内データをモニターに送ります』
フィオナがそういうと、モニターが現れる。
一夏はそのモニターの艦内図を見ながら弾達を案内する為に歩き始めた。
◆
九月某日、強襲された日本、中国、フランス、イギリスの各国首脳は極秘会談を敢行。その結果、同盟を組み、各国の頭文字を取り『
これにより第三次世界大戦とも言える戦争は激化の一途を辿るのだった。