IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige   作:白姫彼方

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砂塵の毒蛇対白式改

~インド洋~

 

『ICHN』が結成されて早2週間が経つ、その間に一夏達は様々な戦場に向かい、敵を沈めていった。

現在一夏はとある任務が下され、その任務の為に現在インド洋を飛んでいた。

そんな中、フィオナから通信が入る。

 

『作戦の確認をします。マグリブ連合の陸送部隊を襲撃し、同連合のIS、砂塵の毒蛇ことサミーラの機体を破壊します。

サミーラは人格破綻者で、その人格破綻者故に奇抜な戦術と行動を取るIS操縦者として知られています。

その奇抜な行動をIS展開中に制限する為、精神負荷を掛けてある程度の軍事行動を取れる様にしていますがその反動か言動と精神が不安定になっています、ホワイトアフリカ各地からは英雄と称えられるほどの相手です。まともに戦うにはリスクが大きすぎます。

彼女のIS、『マンマヴァ』は『打鉄』と『ラファール・リヴァイヴ』を複合し、特殊兵器を搭載した、第三世代機です。機体本体の防御力は決して高くありません、起動前に一気に叩いて下さい。

以上、作戦の確認を終了します……。無事の帰還を……』

「ありがとう。フィオナさん」

 

一夏はフィオナにお礼を言って、『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使って陸送部隊がいるであろう地域に向かった。

 

 

                     ◆

 

 

 

2時間ほど飛び続けると廃墟が立ち並ぶ地域に辿り着いた。その廃墟の中を何台ものトレーラーが走っていた。

 

『一夏さん、あれがサミーラが居る陸送部隊です』

「わかった、今から配置について強襲する」

 

そして一夏は廃墟に隠れ、機会を伺う。

 

『目標……作戦エリア内』

 

フィオナの言葉と共に一夏が廃墟から出た瞬間、トレーラーの中からISが出てくる。

 

『っ!?『マンマヴァ』、既に起動しています!』

『奇襲か……』

 

オープン・チャネルからサミーラの中性的な声が聞こえる。

 

『何故……。そんな、気付かれていた?』

『無駄な策だな、不意打ちとは狗に相応しい所業だ。容赦はせん、行くぞ』

 

サミーラのIS『マンマヴァ』はベースは『ラファール・リヴァイヴ』の腕部と脚部、『打鉄』の胸部と非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)を装備し、背部に機械翼が装備され、アサルトライフルとショットガンを手に持っていた。

サミーラは一夏の姿を視認すると、アサルトライフルとショットガンの弾幕を張る。

一夏はそれを避け、両腕の『雪羅』をカノンモードに移行して荷電粒子砲を放つも、サミーラも避ける。

互いに射撃武器を放ち続けるも、ダメージを与えれないし、受けることもなかった。

 

『消えろ消エろ消えロキエロ………』

 

サミーラの憎悪や敵意が滲み出る声色に連動したのか機械翼から多数のビットが射出され、一夏に襲い掛かる。

 

「なっ!?」

 

一夏はそれに驚きつつも『雪月』を射撃形態で射出、縦横無尽に走らせ小型ビットを落とす為にありとあらゆる角度からエネルギー弾を放つ。

その後に一夏は両腕の『雪羅』をカノンモードからクローモードに切り替えて、『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使い、サミーラとの距離を詰める。

 

『速い……!』

 

一夏の速度を見てサミーラは驚くも、直ぐにアサルトライフルとショットガンを収納して東洋型実体剣を両腕に展開して迎え撃つ。

 

「らぁぁぁぁぁ!!」

『おぉぉぉぉぉ!!』

 

怒声を発しながら一夏とサミーラは激突する。

クローと東洋型実体剣がぶつかり、火花を散らす。一夏はふと何かを思いついたようで、クローモードの『雪羅』で東洋型実体剣を掴んだ(・・・)

 

『!?』

「はぁぁぁ!!」

 

武装プラットフォームの先端から青白い閃光が集まる。サミーラは東洋型実体剣を手から離し、離れようとした瞬間に、荷電粒子砲が放たれサミーラに直撃して、そのまま地面に叩き付ける。

 

―――『雪羅』の戦闘経験値が一定以上溜まりました。クローモードを廃し、ブレードモードに移行します。

 

クローモードだった『雪羅』が変形をして、『カィンホクキエツァ』や『アルテミス』と同型のブレードを展開した。

 

「これは……」

 

―――以降『雪羅』を『雪羅弐式』と名称します。宜しいですね?我が主(マイ・マスター)一夏?

「はぁ!?」

 

『白式改』から予想外のメッセージが表示されて、一夏は驚く。しかし、その隙をサミーラが見逃すはずも無く、両腕にショットガンを展開して一夏に放つ。本来なら回避は出来ないが、何故か不自然な軌道を(・・・・・・・・・・)描きながら避けた(・・・・・・・・)

 

―――我が主(マイ・マイスター)一夏。戦闘中に思考停止は命取りですよ?

「すまない……。じゃなくて!お前は誰なんだ!?っとぉ!」

 

一夏と誰かが会話している間にもサミーラのショットガンとアサルトライフルの弾幕を避け、新たしくなった『雪羅弐式』のブレードでショットガンとアサルトライフルを斬り裂く。

 

―――今まで戦った相棒を忘れたのですか!?我が主(マイ・マスター)一夏!!酷すぎます!

「ってことは『白式改』なのか!?」

『何をごちゃごちゃと……テロリストの狗ガァ!』

 

既に東洋型実体剣を両腕に展開し終えていたサミーラは、一夏に向かって『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』を使って急速接近する。

 

―――今は兎も角『マンマヴァ』を排除しましょう。今現在、『第二形態単一仕様能力(セカンドステージ・ワンオフアビリティー)』のバイパス構築が完成しました。

使用しますか?我が主(マイ・マスター)一夏

「あぁ、早速使うぞ」

―――了解。マスターの要請により、『第二形態単一仕様能力(セカンドステージ・ワンオフアビリティー)』、『神羅烈風(しんられっぷう)』を発動、エネルギーシールドを前方に展開します。

 

一夏の前に不可視のエネルギーシールドが四角錘状にエネルギーシールドが展開される。その直後にサミーラが持つ東洋型実体剣が叩き付けられるが、サミーラの方が弾き飛ばされる。

 

―――展開完了。『神羅烈風』使用準備完了です、我が主(マイ・マスター)一夏

「おう、いくぞ!」

 

『白式改』に返事をした一夏は、サミーラの正面から『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を超える速度で、サミーラに接近する。

サミーラは両腕の東洋型実体剣を収納し、ショットガンに切り替えて放つ。

一夏はそのまま進み、散弾をエネルギーシールドが阻み、速度を落とさずにサミーラと激突する。その直後に大爆発が起き、『マンマヴァ』の装甲を大きく削る。

 

『がふ……。押されている?織斑一夏、侮れんな……だが、負けられヌ』

 

サミーラは機械翼から先程の数の倍以上のビットを射出、自身の周りに展開して、全方位にエネルギー弾を放つ。一夏は『雪羅弐式』をシールドモードに切り替えて防ぎきる。

 

『こちら『アルテミス』、『生命戦闘体(アマテラス)No.Λ-11』救援に向かいます。持ちこたえてください』

―――9時の方向から高エネルギー反応!我が主(マイ・マスター)一夏、回避してください!

 

オープン・チャネルから美緒の声が聞こえた瞬間、荷電粒子砲が一夏に向けて放たれる。一夏はそれを避けて、サミーラと荷電粒子砲が放たれた方向に機械翼の荷電粒子砲を放つ。

サミーラは避けきれずに左腕部に掠って装甲が削り落ちる、もう一方は恐らく避けられた可能性がある為、警戒を怠らずに『雪羅弐式』のブレードでサミーラの脚部装甲を削る。その直後に『ツヌグイ』が接近し、一夏の背部、脚部、腕部にエネルギー弾を当てる。

 

「ぐぅぅ!!」

―――背部、腕部、脚部共に機体損傷20%。問題ありません

 

『白式改』からのメッセージでは問題はないと言っているが、一夏自身には撃たれた衝撃が体中に走った為、サミーラの東洋型実体剣の大振りの一撃を食らい、近くにあった廃墟に突っ込む。

 

『足掻くな、運命を受け容れろ』

 

1対2の有利になった為かサミーラは強気の発言をしながら、ショットガンの弾雨で廃墟に攻撃をする。だが一夏はその発言を聞き流しながらも次の一手を考える。

 

「『白式改』……。『神羅烈風』は使えるか?」

―――はい、現状残り2回は使えます

「なら展開の準備をしてくれ……合図と共につかうぞ」

―――解りました。我が主(マイ・マスター)一夏

 

そして一夏は廃墟の中から『雪羅弐式』と機械翼の荷電粒子砲を放ち、廃墟から出る。

美緒とサミーラは避け、美緒は荷電粒子砲をサミーラはショットガンを一夏に放ち、一夏はスライドするように避けた。

 

「今だ!『白式改』!」

―――了解!我が主(マイ・マスター)一夏!

 

一夏の前に四角錘状のエネルギーシールドが展開された直後に、一夏は『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を超えた速度を出し、サミーラに突撃をする。

美緒とサミーラは一夏を止めるべく荷電粒子砲とショットガンを放つも、一夏は前方のエネルギーシールドと『雪羅弐式』の『零落白夜』のシールドで守る。

そして一夏はサミーラに突進を当て、大爆発と共に装甲を更に大きく削る。

 

『神ヨ……!どうしテ……。正義ハソレナノニ……スマナイ、ミンナ……』

 

サミーラがオープン・チャネルで何か呟く中、一夏は止めとばかりに『雪羅弐式』をシールドモードからブレードモードに切り替えてサミーラを斬った。

 

『終ワリカ……。或いは貴様も……同じ為に……か』

 

サミーラがそう呟きISが維持できなくなり粒子となって消えた。一夏は慌ててサミーラが地面に叩き付けられない様に動こうとした瞬間、一夏の背後から細長く青白い閃光が走り、サミーラの胸に穴が開いて、サミーラの口から鮮血が吐き出された。

 

「目標の撃破と抹殺を確認……。ISコアを回収します」

 

一夏が振り向くと美緒が『グングニル』を展開して既に撃ち放った状態でサミーラを見下ろしていた。

 

「美緒……どうして」

「邪魔です。そこを退きなさい、織斑一夏」

 

美緒はそう言って、『グングニル』から『月光零式』に切り替えて一夏に突撃する。

一夏も美緒に向かって突撃をし、互いのブレードが触れ、スパークが発生する。

 

「どきなさい、さもなくば排除します」

「させるかよ!俺は美緒(お前)を倒して連れ帰る!」

 

一夏は美緒にそう言い、2度目の美緒との戦闘を開始した。

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