IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige 作:白姫彼方
鈴音を助けた一夏はそのままラファール・リヴァイヴを蹴り、鈴音から距離をとらせる。
その直後に『雪月』を全基展開して、残る2機のラファール・リヴァイヴに向かわせると、一夏は『雪羅弐式』をカノンモードにして前方のラファール・リヴァイヴに向けて荷電粒子砲を放つ。
だが、一夏が放った荷電粒子砲は今までのと違い、その収束速度、弾速がかなり速くなっており。ラファール・リヴァイヴは避ける事も出来ずにそのまま直撃し、吹き飛ばされる。
『白式改』は先程の戦闘で損傷が激しく、動かせないはずなのだがそれも今は中破程度にまで修復されていた。
「一夏っ!あんたどうしてここに!?」
鈴音はここが戦場だと言うのに一夏の元に行き、一夏の身体をあちこち触る。
その様子の鈴音に一夏は苦笑を漏らすと真剣な表情になる。
「鈴。ここは俺に任せて『レクイエム』に戻って補給を受けてきてくれ」
「私ならこのままでも、十分戦えるわよ!」
「仮にそうだとしても、その武装だけじゃかえって危ない。だから俺を信じてここは任せてくれないか……?頼むよ、鈴」
一夏はそう言って鈴音の頭を撫でる。一瞬鈴音は驚くも、少し眼を細めてから一夏から少し離れる。
「一夏……。絶対戻ってくるよね?」
「当たり前だろ?だからさ、待っててくれよ」
鈴音は不安そうな顔をするが、一夏の目を見てこくりと頷いてその場から離脱をした。
そして一夏はその場から急上昇をする。
「さてと……。そろそろ始めるか」
―――宜しかったのですか?凰様がいれば確実でしたが
「まだ平気だ、俺とユキアネサでいけるさ」
―――
ユキアネサと呼ばれた人格の質問に答えようとした瞬間に、3機のラファール・リヴァイヴからレーザーが放たれるも、直ぐに避ける。
「っとぉ……。あぁ、『白式改』のコア人格の名前だよ。『白式改』って言い辛いからな」
―――有難う御座います。
一夏とユキアネサは会話を終えると、直ぐに『雪月』を全基戻して3機のラファール・リヴァイヴを見る。だが、その3機のラファール・リヴァイヴに異変が起きる。
「なんだ!?あれは!」
―――
ラファール・リヴァイヴがぐにゃりと溶け、その色がネイビーカラーから全てを飲み込むような黒に変わり、操縦者だった少女を包み込んで球体状になった。
それは脈動を幾度かした後に急激に姿を変え、一夏が見たことのある姿になっていく。
「あれは……『雪片』、『アルテミス』、『カィンフィードバックヴォンディン・
―――
エネルギーで出来た鎖が空間を歪めて出現し、『雪片』、『アルテミス』、『カィンフィードバックヴォンディン・
「消えろ……全て!!」
―――『
一夏の声を合図にエネルギーで出来た刀身達は音速にも勝る速度で『雪片』、『アルテミス』、『カィンフィードバックヴォンディン・
そして弾幕が晴れると、3機のコピーは既にいなく、代わりに落ちていくラファール・リヴァイヴの操縦者達の姿があったが、直ぐに別のラファール・リヴァイヴ2機に回収されていった。それを見届けた一夏は『
◆
一方『レクイエム』は防戦に追い込まれていた。
「7時の方向に敵戦闘機数30!及び2時の方向に敵戦闘機数30接近中!距離800!」
「面舵30!その後に前方に『グングニール』、『バリエント』、『ミニッツ』、後方に『グングニールⅡ』、『バリエントⅢ』を放て!」
千冬の言葉通りに『レクイエム』は動き、艦首に搭載されている大型荷電粒子砲『グングニール』2門から青白い閃光が走り、その直後に艦首艦側に搭載されている大型デュアルハイレーザー『ミニッツ』4門から赤い閃光が撃ち出され、その後に散布型ミサイルポッド『バリエント』から無数のミサイルが放たれ、『グングニール』、『ミニッツ』で落としきれなかった戦闘機を撃ち落す。
艦側に搭載されている大型レールキャノン『グングニールⅡ』4門から絶え間なく弾丸が撃たれ、船尾側に設置されている散布型分裂ミサイルポッド『バリエントⅢ』から無数のミサイルが放たれて、更に途中で分裂し、敵戦闘機を全て撃ち落す。
「新たに3時、9時、12時の方向にISの反応有り!これは……『アルテミス』!『サイレント・ゼフィルス』!『カィンフィードバックヴォンディン・
索敵を担当している人物からの報告にブリッジの緊張感がかなり上がる。
「オルコット、ボーデヴィッヒ、デュノア、千条院、凰、篠ノ之を各方面に向かわせる!通信を開け!『迅雷壱式』、『迅雷弐式』を6機ずつを呼び戻せ!急げ!」
「了解!」
「『神龍』が着艦許可を求めています!武装の大半を破壊された模様!」
「急いで着艦させて補給と修理を受けさせろ!フィオナ!織斑の現在位置は!」
「はい、現在4時の方向の敵艦隊を……一瞬で殲滅!?圧倒的です……!」
「よし、そのまま織斑を『アルテミス』に向かわせろ!オルコットと篠ノ之を『サイレント・ゼフィルス』、ボーデヴィッヒ、デュノア、千条院を『カィンフィードバックヴォンディン・
「了解!」
「(全員無事で帰って来い……)」
千冬はただそう願うばかりであった。
◆
セシリアと箒はフィオナを通して、千冬に言われた通りに『サイレント・ゼフィルス』が居るであろう方向に進んでいた。
「『サイレント・ゼフィルス』……今日こそは!」
「セシリア、少し落ち着いたらどうなんだ?そのやる気は良いとは思うが……」
「元とはいえ、私の『ブルー・ティアーズ』のデータを使った試作2号機を奪ったその罪を償わせるだけですわ!」
箒の言葉にセシリアはそう言い返すと、『
暫くすると、セシリアのハイパーセンサーに『サイレント・ゼフィルス』の反応が現れる。
「いましたわ!食らいなさい!」
セシリアの右腕に『スターライトmkⅢ』を発展強化したライフル『スターライトmkⅣ』を展開し、超遠距離狙撃を行う為に構え、その銃口から極太の青白いレーザーを『サイレント・ゼフィルス』に向かって放った。