IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige 作:白姫彼方
セシリアが放った極太のレーザーは『サイレント・ゼフィルス』を捉えていたが、直ぐに気づいたエムはそれを横に緊急回避することで直撃を免れた。それを予測していたセシリアは表情一つ変えずに12基の『ブルー・ティアーズ』を射出し、向かわせる。その速度は元セシリアの専用機『ブルー・ティアーズ』の追加パッケージ『ストライク・ガンナー』の最高速度と同等である。
『箒さん!『ブルー・ティアーズ』と私で牽制をしますわ!』
『わかった、では……いくぞ!』
プライベート・チャネルでセシリアと箒は話をした直後に箒は『
箒はそれをほんの少しスライドすることで避けて、再度『
その間にも箒は『雨月』と『空裂』を振り、帯状のエネルギーとエネルギー弾の弾幕を張りながらも、『サイレント・ゼフィルス』に近付く。
セシリアが放った『ブルー・ティアーズ』は、箒を守りつつも、放ったBTレーザーはエムに避けられるが
セシリア自身も『スターライトmkⅣ』を構えてエムを狙い、
そんなセシリアと箒を嘲笑うかの様にエムは正確な射撃、圧倒的な連射速度そして何よりBT兵器の特徴である
1対2でもあるのにも関わらず好転しない現状をセシリアは苦虫を噛み潰したかのような表情になる。
「(第四世代機を2機相手にしながらも、引けをとらない技量……流石ですわ)」
セシリアはそう考えながらもBTレーザーをエムに向けて連射し、
「(私が未熟故に……あの時も……。そして今も……!)」
セシリアが今でも悔いている事、それは美緒を『服従コード』によって連れ去られたことだった。
「(だから……私は護る為の力が欲しかった……!だから……『ブルー・フォンタナ』。私に力を!仲間を護れる力を私に貸して下さいませ!)」
――――――操縦者の劇的な感情の発露を確認、自己進化を開始及び操縦者の願う武装を開発完了。コアの人格を発現及び
『ブルー・フォンタナ』と『ブルー・ティアーズ』が水色の光に包まれて閃光を放ち、箒とエムは動きを止める。2人が見ると『ブルー・フォンタナ』の形状が変わっていた。
今まで両腕部、両脚部、胸部と腰部の一部分しか発現していなかった装甲が頭部を除く全てに発現し、『
背部にある非固定浮遊部位はなくなり、『ブルー・ティアーズ』が接続されているプラットフォームは直接背部の装甲に取り付けられ、本来接続されている『ブルー・ティアーズ』がある部分には現在蒼いエネルギーフィンが出ている。
『ブルー・ティアーズ』自体の形状も変わっており、一つであった発射口が二つに増えていた。
そして『スターライトmkⅣ』はその大きさ故に両手持ちだったが二周り小さくなっており、尚且つもう片方の腕にも同じ物が出現していた。
「(これが……新しい『ブルー・フォンタナ』の力!いきますわよ!)」
新しくなった『ブルー・フォンタナ』にセシリアの表情は歓喜と自信に溢れていた。それを裏付ける様にセシリアは両手に持った新『スターライトmkⅣ』を構えて放つ。
旧『スターライトmkⅣ』と同じく極太のBTレーザーを撃ち出すが、その発射間隔とリロード時間は短く、更に弾速が速く連射が利くものだった。
更に新しくなった『ブルー・ティアーズ』もその性能は上がっており、2つになった発射口で同時に2発のBTレーザーを放つことが出来る事に加え、その特徴でもある
エムは予想外の『
「(そうか……セシリアの『ブルー・フォンタナ』は『
箒の呼びかけに応える様に『紅椿』の両肩部ユニットと両脚部の踵部分の装甲が音を立ててスライドし、両肩部ユニットのその形は
「なんだ、これは……?」
『戦闘経験値が一定量に達しました。新装備を構築完了しました。出力可変型ブラスター・ライフル『穿千』及び出力可変脚部強襲型ブラスター・ブレードライフル『
突然現れたパネルに、情報が表示されていくも箒はウィンドウを消す。だが、箒には2つの武器の使い方がなぜか理解出来た。
一夏達との特訓で自在に
今まで以上に『雨月』と『空裂』を振り、隙を突く様に脚撃を繰り出し、エムが避ける。だが追撃には新しく構築された『穿津』の真紅の閃光が『サイレント・ゼフィルス』の脚部装甲を抉る。
エムは後退するがその背後にセシリアがいて、胸部と腹部からは新『スターライトmkⅣ』や新『ブルー・ティアーズ』と同じBTレーザー。蒼いエネルギーフィンからは『
そこで完全な不利と判断したエムは残ったシールド・ビットを盾に
だが、セシリアと箒は見逃すはずもなく、2人は『
「きゃあっ!」
「ぐっ!」
シールド・ビットによる失速、爆発による衝撃、超音速飛行からの急停止。それらすべてに阻まれたセシリアと箒は、エムを取り逃した。
だが、2人はエムを取り逃したことを悔いる余裕はなかった。
何故ならば『レクイエム』に戻ろうとした2人が振り返ると、その目線の遥か先に巨大な大蛇がいたのだから。