IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige   作:白姫彼方

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ロンドンでの戦い、月下の再会

一夏が、イギリスの首都ロンドンの上空に着いた時には、4機のISしかいなかった。その4機は一夏を見た瞬間、ミサイルを放ってきた。

 

『味方機、反応ありません!全滅……そんな、4対1よ……作戦放棄を提案します、すぐに離脱して!』

 

フィオナが離脱するように言うが、一夏は『雪羅』のブレードモードを展開して、迫りくるミサイルをすべて斬り裂き、『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』で4機に迫る。

 

「作戦、続行する。敵も無傷ではないはずだ!」

 

一夏の接近に対して、4機のISは散開することによって、一夏を取り囲む。その上で十字砲火を一夏に浴びせようとするが、『白式改』の加速力を生かしてその十字砲火を避け、無反動急旋回(クイック・ターン)をした直後に、カノンモードに切り替えて荷電粒子砲を放が、荷電粒子砲は避けられる。

 

「フィオナさん!敵ISの情報を!」

『わかりました。イタリア代表IS『テンペスタⅡ』を除くISの情報を送ります。

 まずはメキシコ代表第三世代型IS『フェンリル』は近中距離型のISです。

特に注意するべき武装は、『ウルフファング』と呼ばれる鉤爪型の近距離武装です。効果としては触れたISにコンピューターウィルスを感染させ、一時的に機能不全を起こさせる物です。

次はギリシャ代表第三世代型IS『アテネ』は『フェンリル』よりも近距離に特化したISです。

特に注意すべき武装は、近距離用の散布型ミサイル『ミスティ』と高電磁砲『ライラック』です。

最後にロシア代表IS『霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)』は特殊型のISです。

特に注意するべき武装は、水のナノマシンを使用した特殊攻撃です。その攻撃範囲は未知数で、どのぐらいの威力を持つのかも不明です。

よって、『テンペスタ』Ⅱの次に注意するISでもあります。以上が敵ISに関する情報です』

「わかりました。それとですが、戦闘における建築物の被害は度外視でいいんですか?」

 

フィオナとの交信をしている間にも、一夏は『雪月』を射出して、4機のISに牽制射撃を行いつつも、荷電粒子砲で距離を開ける。

 

『はい、イギリス首脳部も、それについてはどんなに被害がでても良いので敵ISの撃破、及び撤退させて欲しいとのことです。

住民の避難は完了しているので人命については考慮しなくてもいいようですね』

「了解。それでは戦闘に集中するので、通信を切ります」

『わかりました……。死なないで下さいね』

 

フィオナはそう言うと、通信を切る。そして一夏は、『雪羅』をブレードモードに切り替えて、『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使って『フェンリル』の懐に入り込む。

『フェンリル』の搭乗者は表情では驚いているものの、『ウルフファング』を展開して、一夏に殴りかかるが。『雪羅』のブレードモードで『ウルフファング』を弾き、その繋ぎ目を切断する。

その直後に、『アテネ』は一夏に対して『ミスティ』を放った。それを一夏は『フェンリル』の両腕を掴んで、盾にすることで自身へのダメージを減らす。

『ミスティ』を受けた『フェンリル』のシールド・エネルギーは、一気に50%以下にまで激減し、一夏は止めに、機械翼の荷電粒子砲を零距離で放つ。避けることも出来ずに荷電粒子砲を受けた『フェンリル』は、そのままシールド・エネルギーが0になり、ISが解除される。

『フェンリル』の搭乗者を近くの公園跡地に寝かせてから、その場を離れる。その間に3機は攻撃しようとするが、『雪月』によって牽制されて攻撃が出来ずに居た。

そして一夏は、『雪月』を収納してから『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使って、3機の射程内にあえて飛び込む。『アテネ』は『ミスティ』と『ライラック』を放ち、『テンペスタⅡ』はその両肩に搭載されている8連装ミサイルポッドの発射口を全て開けてから、ミサイルを発射し、『ミステリアス・レイディ』は4門のガトリングガンを放つ。

 

「ユキアネサ!」

―――はい、(イェス・)我が主(マイ・マスター)一夏!『神羅烈風(しんられっぷう)』を発動、エネルギーシールドを前方に展開します。

 

一夏の目の前に不可視のシールドが張られ、それにミサイルや銃弾が当たり、煙幕が起きる。その直後にその煙幕を突き破って、極超音速下で一夏は『テンペスタⅡ』に突進する。

『テンペスタⅡ』の搭乗者が気づいた頃には既に遅く、『白式改』と『テンペスタⅡ』が衝突することで。『テンペスタⅡ』のシールド・エネルギーが削られ、追加攻撃の大爆発で更に削られて残存エネルギーが20%以下になり。しかも、衝突と大爆発の衝撃で『テンペスタⅡ』は大きく吹き飛ばされる。

一夏は『テンペスタⅡ』を吹き飛ばした直後に、無反動急旋回(クイック・ターン)で『アテネ』に振り返り、『雪月』を射出して、機械翼と『雪羅』をカノンモードに切り替えて荷電粒子砲を放つ。『アテネ』は『雪月』を避ける事はできたが、機械翼の荷電粒子砲が直撃し、大きくシールド・エネルギーを減らす。

『ミステリアス・レイディ』の搭乗者である更識楯無は、『白式改』の周りに水のナノマシンを集めて、湿度を高めた直後に自身の特徴でもある特殊攻撃『清き情熱(クリア・パッション)』を発動。一夏を爆風で飲み込むが、その直後に荷電粒子砲が放たれ、ナノマシンで構成した水のヴェールで荷電粒子砲を逸らすものの、一夏の接近を許してしまう。

『雪羅』をカノンモードからブレードモードに切り替えて、シールド・エネルギーを削ろうとする。楯無は、水のヴェールで守りながら蒼流旋(そうりゅうせん)を形成、横に薙ぎ払うが、一夏はそれをブレードで受け止め、機械翼の荷電粒子砲を放つ。

楯無は水のヴェールでそれを逸らそうとするが、ほぼ零距離から放たれた荷電粒子砲を逸らすことができず、水のヴェールは突き破られ、シールド・エネルギーが削られる。

一夏が楯無に止めを刺そうとするが、戦線に復帰した『テンペスタⅡ』と『アテナ』に阻止され、『雪月』で『アテナ』と『ミステリアス・レイディ』の足止めをさせ、自身は『テンペスタⅡ』と相対する。

 

「貴様が織斑一夏か……。男風情がいい気なものだ……。古臭い、折れろ」

 

オープン・チャネルで『テンペスタⅡ』の操縦者からそう言われるが、一夏は特に気にした様子もなく、『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』を使い、『テンペスタⅡ』の懐に飛び込んで、ブレードを突き刺す。それによって、残り僅かだったシールド・エネルギーの残量が0となり、『テンペスタⅡ』は機能を停止、解除される。

 

「織斑一夏……。唯一の男性IS操縦者と言うのは伊達ではなかったか……」

 

『テンペスタⅡ』の操縦者アルフォンシーナは、そう言って気を失った。一夏はアルフォンシーナを抱え、近くの民家の前に横たえてから、残った2機『アテナ』、『ミステリアス・レイディ』と相対する。

楯無は表情は変わらずに一夏を見るが、『アテナ』の操縦者は一夏をまるで化け物を見るように見て、恐怖していた。

 

「どうなってる……!?4対1なんだぞ!?それをこうまで覆すか!?」

 

『アテナ』の操縦者は喚きながらも、その手に突撃銃(アサルトライフル)を展開して放つ。一夏はそれをスライドするように横に移動することで避けた。

 

「ユキアネサ!」

―――はい、(イェス・)我が主(マイ・マスター)一夏!『神羅烈風』を発動、エネルギーシールドを前方に展開します。

 

そしてまた、一夏の前に不可視のエネルギーシールドが展開され、その姿が掻き消える。その直後に『アテナ』と楯無は回避しようとするが既に遅く、『アテナ』が突進を受け、大爆発に巻き込まれシールド・エネルギーが0になる。

 

「化け物め……」

 

『アテナ』の操縦者がそう呟くと同時に、ISが解除された。一夏は先の2機と同じく抱え、地面に横たえると楯無と向き合う。

 

「織斑くん。噂は聞いてるわよ?かなり強くなったみたいね」

「それは光栄ですよ、元IS学園生徒会長の耳にはいるとなれば……ね」

「皮肉なものね……。当時はまだ素人の域に居た織斑くんが、この戦争で国家代表と同等か或いはそれ以上に強くなっているんだもの」

「あぁ、でもその代わりに俺は今大切な人を奪われたままだ。その人を取り戻す為に、仲間を護る為に俺は力をつけた」

「あらそうなの?お姉さんも入ってるのかな?」

「答えは否ですよ更識先輩」

「残念♪でも織斑くん退いてはくれないかな?」

「当然、退くわけがないですよ。ロシア代表更識楯無さん?」

「なら……。織斑くんを倒すわね」

「それは不可能です。更識先輩」

 

一夏の言葉を聞いて、楯無は睨む。

 

「なぜなら……」

 

言葉を発している最中に、一夏の姿が掻き消える。直ぐに楯無が退避しようとするが、一夏に腕をつかまれた。

 

「既に俺の術中に嵌っているからだ!ユキアネサ!」

―――はい、(イェス・)我が主(マイ・マスター)一夏!『異端仕様(ヘレスィ・アビリティー)』起動!

 

以前の美緒の時と同様に、一夏の足元から8つのエネルギー体の鎖が伸び、楯無を拘束して上昇する。それを追いかける様に刀剣で出来た8つの蛇が出現して螺旋を描き、そこに一つの刀剣で出来た巨大な紅い眼を持ち、黒い大蛇(オロチ)が産まれる。

 

「千魂冥烙!祖は全てを飲み込み、切り裂く(あぎと)となれ!」

―――『残酷なる災厄(カタストロフェー・グラオザーム)』発動!

 

巨大な大蛇(オロチ)は顎(あぎと)を開け、楯無を飲み込む。飲み込まれた楯無は、その(あぎと)内にある無数の刀剣によって切り刻まれ、シールド・エネルギーを一気に減らしていく。そしてシールド・エネルギーが0になると大蛇(オロチ)が消え、ISが解除された状態の楯無が出てきて、楯無を今までの3機と同じ様に地面に横たえ、フィオナに通信を開く。

 

「敵IS殲滅、作戦成功だ」

『了解しました。直ちに帰還してください』

 

フィオナとの通信が終わると、一夏はロンドンから離れた。

 

 

                     ◆

 

 

ロンドンから飛び立って数時間が経過し、既に夜となった上空を一夏は少し遅めに飛んでいた。

 

「もう完成はしてるんだよな?ユキアネサ」

―――はい、そのデータも既に私に搭載されているので、後は叩き込むのみです。我が主(マイ・マスター)一夏

 

何かの確認をする一夏とユキアネサに一筋の閃光が放たれた。

 

―――!?我が主(マイ・マスター)一夏!10時の方向から荷電粒子の反応あり!避けてください!

 

ユキアネサの警告を受けた一夏は、直ぐに回避行動をとる。すると、一夏が居た場所に荷電粒子砲が通り過ぎていく。

そして荷電粒子砲の弾道の元を辿ると、そこには美緒がいた。

 

―――我が主(マイ・マスター)一夏!

「わかってる……ユキアネサはアレ(・・)の準備を」

―――はい、(イェス・)我が主(マイ・マスター)一夏!

 

一夏はユキアネサに何かの準備をする様に言うと、『連続瞬時加速(アクセレート・イグニッション・ブースト)』で美緒に近付いた。

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