IS~インフィニットストラトス~ Noblesse Oblige 作:白姫彼方
~夕方医療室~
「うぅ…………ん…………ここは?」
美緒が目を覚ますとそこは見たことが無い部屋だった。
「漸く起きたか、千条院」
声のした方を向くとそこに千冬がいた。
「具合の調子はどうだ?」
「はい、特に異常はありません。迷惑を掛けて申し訳御座いませんでした。」
「今回のことは私にまかせろ。巧くはぐらかしてやる。さて、本題に入ろうか」
「『
「あぁ、詳しく話せ」
美緒は一度目を閉じ、決心をした様に目を開ける。
「『
千条院家ではこの技術は完成していました。脳と脊髄さえ無事であれば移植して第二の人生が歩める程に……そして3年前のある日、千条院美緒……この場合オリジナルとでも言いましょうか。オリジナルは交通事故により脳と脊髄以外に多大なダメージを受け、既に手遅れでした。
ですが偶然にもオリジナルとほぼ同じ容姿の『遺伝子改造素体』があり、急遽『
それは
美緒はそこで一旦口を閉じる。
「そうか……それでオリジナルの美緒はどうなった?」
「はい、オリジナルは
それを聞いた千冬はくすくすと笑う。
「くく……織斑がそう言ったのか……ふふふ……まぁ、解った。とりあえず今日は療養しておけよ?そこで盗み聞きしてる馬鹿どもの為にもな」
「ふぇ?」
千冬がそう言うと仕切りの奥から一夏、箒、セシリア、鈴音が出てくる。
「一夏……箒ちゃん、セシリィ、鈴ちゃん……」
「こんの馬鹿美緒!」
「ぴっ!?」
鈴音の怒声と共に美緒の頭頂部に拳骨が落ちた。
「馬鹿な美緒にはこうしてやるわ!」
「
鈴音が美緒の頬をある程度引っ張ると美緒がじたばたともがく、それを一通り堪能した鈴音は手を離す。
「さてと美緒?どうして黙ってたわけ?そんな大事な事」
「…………」
「黙ってるだけじゃ解らないわよ?」
「言える訳がないよ……こんな突拍子もないこと……」
美緒はそう言って俯く
「私達が信用できない?それとも頼り無い?」
「違う!それは絶対違うよ!」
「鈴」
鈴音が何か言おうとしたが一夏に止められる。
「悪いけどちょっと美緒と二人だけにしてくれないか?」
「でも……」
「いいから……な?」
「わかったわよ……美緒。兎に角、今日は休んでなさい。いいわね?」
「うん……」
「まぁ、何だ……無事で良かったぞ、美緒」
「本当ですわ、借りを返すまで元気にしてもらってないと困りますわ」
「さて、では私も戻ろうとしようか。ではな」
鈴音、箒、セシリア、千冬はそう言って救護室から出た。
「それで?一夏は私とどんな話をしたいの?」
「あぁ、『パンツァーアイゼン』の胸部装甲を壊した時に別の何かが壊れた感じがしたんだ。あれは何なんだ?」
「一夏は気づいてたんだね……これだよ」
美緒は徐に制服の上を脱ぐ、一夏は美緒のいきなりの行動に驚くも右乳房の下辺りに少し大きな窪みと何かの破片を見る。
「何だ……これ」
「これは『
「千冬姉に言った事は嘘なのか?」
「脳と脊髄に関してはね……それ以外は本当のことだよ。このコアによって元々の『
「………」
「私の場合、運良く記憶と性格だけ引き継げたからね、でも一夏」
「なんだ?」
「私は感謝してるよ?暗い暗い闇の中から一夏が私を助け出してくれた事」
「当然だろ?」
一夏の言葉に美緒の胸は高まる。
「大切な幼馴染なんだからさ」
その言葉に美緒はガクッと肩を落とす。そして次第に美緒の肩がプルプルと震えだす。
「一夏の………」
「ん?」
「一夏の馬鹿ぁ!!!!!」
バチーンッ!といっそ爽快感を感じさせる殴打音が一回だけ聞こえた。
~深夜屋上~
一夏を叩いた後、美緒はゆっくりと寝て、深夜の時間帯になった時にここにこっそりと来ていた。
「そろそろかな?」
「みーちゃん♪」
後ろから声が聞こえたと思ったら美緒の胸が揉まれた
「ひゃわっ!」
「にゃはは~♪相変わらずみーちゃんの胸は柔らかくて最高だね♪」
「もう……束お姉ちゃん不意打ちはやめてよ~」
「あはは~♪それじゃ、早速コアの状態を見るよ」
「うん」
美緒は束に返事をすると『パンツァーアイゼン』を展開する。そして束は何処からかコードを伸ばして『パンツァーアイゼン』に繋げる。それと同時にコアの状態が映し出される。
「ほうほう……面白い事になってるね」
「どんな風になってるの?」
「元々『
「うん、大量の武装データ、
「そうだね、でも今のコアを見るとどうも一つのコアで事足りてるみたいだね。天才束さんもびっくりだよ」
「え?そうなの?」
「うん♪だけどそんなみーちゃんに追加武装を持ってきたよ♪後ろをご覧あれ♪」
美緒が後ろを向くと何時の間にかコンテナが1つあった。
「ふふふ~♪今回の『
束の声に反応してコンテナが開く、そこには二丁の細長い黒い何かのパーツと発生装置があった
「説明しまーす♪まずその細長いのは腰部の追加パーツガンランチャーの『ブリッツ・カノーネ』AM・EN切り替え可能の中・遠武装だよ♪次にEN系統だけ反射可能のエネルギーシールド『シュピーゲル』これは他のAM射撃武器と近接武器には普通のエネルギーシールドとして使用可能の優れものだよ♪」
「また凄い物を作ったね……束お姉ちゃん」
「てひひ♪じゃあ早速『
束はそう言いながら既に作業を開始していた。その手際は鮮やかで早く、既にほぼ完了と言った状態であった。
「これでよしっと♪『
美緒は束に頷くと『カインホクキエツァ』を粒子に変え、少し経った後にもう一度展開すると『ブリッツ・カノーネ』がしっかりと付いていた。
「それじゃ、あとは『シュピーゲル』だね♪」
美緒は構えて『シュピーゲル』を展開する。
「よしよし♪これで終わりだね♪」
「ありがとう♪束お姉ちゃん♪」
「みーちゃんのためだから良いよ♪あぁ、それとみーちゃん」
「うん?どうしたの?束お姉ちゃん」
「もしかしたらもう一つのコアが
「えぇ!?それ本当なの!?束お姉ちゃん」
「もしかしたらだからまだ解らないけどね♪それじゃ!またね♪」
束はそう言って屋上から飛び降りた。美緒が慌てて下を見ると既に束の姿はなく、呆然とした美緒を残していったのだった。