西暦20XX年。高度な情西報革命が起こった今日の地球。
ありとあらゆる電子機器が進化を成し遂げ、人々の生活に多くの変化をもたらした。
体内を大量の情報網で構築されている、電波生命体と共同生活をしている人間は、多種多様な場面で活躍をしている。
現在、普及型端末としているハンターVGを主として、ウィザードの実体化、情報の物質化など200年前より発展したネットワーク社会の領域を大いに越す存在だ。
そんな中、この地球では三回もの滅亡の危機にさらされていた。
一度は電波生命体『FM星人』による地球への攻撃。
二度はドクターオリヒメによるムーテクノロジーの悪用。
三度は『ディーラー』の赤い巨星、メテオGを使っての地球滅亡。
いずれの危機も、英雄ロックマンによって阻止されている。
キズナを力にするロックマンはあらゆる困難を、ウォーロックや仲間たちと乗り越えてきている。
そんなロックマンの正体は……
「スバル!! ルナちゃん達もう来てるわよ!!」
「げっ!? やばい、はやくしないと……」
大慌てで鞄に教科書を詰め込む少年、星河スバルは今日から小学校六年生。
学校の生徒会長であり、委員長でもある白金ルナから、メールが来たのは昨日の夜中。
内容は言うまでもなく、朝一緒に登校しなさいメール。
無論、スバルはそれが届いた時間帯にはもう寝ていた。朝起きれば、ルナが来る30分前であった。
「メールを見ていませんでした。なんて言い訳は作るなよ?」
「そんなの言えるわけないよ。言ったらなにされるのか……」
相棒のウォーロックも、さすがにここまで手助けできないようだ。
身支度を整え、風のように家を出ていったスバルを待っていたのは、ルナだった。
「あら、時間ぴったりね」
(せ、セーフ……)
「おっす、スバル」
「おはようございます。スバル君」
ルナの後ろに控えている、大柄な少年と小柄な少年は、牛島ゴン太と最小院キザマロ。
そして……
「うっす……」
「あれ? なんでジャックが?」
「復帰するって聞いたもんだから、連れて来たのよ」
「俺はいいと言った覚えはねえぞ」
いつも不機嫌そうな顔をしているため、分からないが、口調からどうやら寝起きを襲撃されたらしい。
「それじゃあ、今日も一日、行くわよ!!」
「「「「お、おー」」」」
登校初日、荷が重くなりそうな四人であった。
「そういえば委員長」
登校中、開口一番だったのはキザマロだった。
「本日、転校生が来るっていうのは本当でしょうか? 何も、まだ誰もその素性を知らないらしくて」
「ああ、転校生? 来るわよ。今日」
どうやら本当らしい。
「それってジャックの事じゃねえのか?」
「いや、ジャックは復帰っていう形だから転校ではないんじゃないかな?」
スバルの言うとおり、この時期だと転校生が来てもおかしくないのだが、ジャックの場合は例外だ。
「委員長は転校生について何か知っているの?」
「あら? この私が転校生について情報を持っていないとでも?」
「持っていたらその転校生が可哀想だ」
「どうしてだ?」
ポカンとした顔でゴン太は聞く。
「人に迷惑のかかる事しかしないからな」
「ちょっとジャック……」
それは言いすぎじゃ……と思いながら制止しようとするが、そうもいかなかった。
「あら、私だってもう大人よ? 去年とは違うの。もっと、第一印象を! イメージを! 大切にしていなきゃいけないからね」
「おい、委員長ってあんなキャラだったか?」
ハンター越しからウォーロックが聞いてくる。
「いや、多分……違うと思うよ」
「で、その転校生っていうのは誰なんだ?」
「まあ、学校行ってからね」
ルナの言葉に、全員はあたまにクエスチョンマークを浮かべるしかなかった。
その時、突然ウォーロックがウィザードオンしてきた。
「どうしたの?」
「いや、なじみのある電波を感じてよ……」
ウォーロックにつられて周りを見渡すが、何の変わった光景もない。ビジライザーをかけようにも、基本的にウェーブロードやウィルスを見るときだけで、それ以外はあまり使わない。
「気のせいだな」
「多分そうだよ」
先を歩いていたルナたちに追いつき、学校の近くまで来ると妙に人が群がっていた。
「おいおい、何の騒ぎだよ」
「あらら、ばれちゃったのかな」
「何か言いましたか? 委員長」
「うんうん。なんでもないわ」
「あれ転校生じゃねえか?」
「そう言われてみれば……」
四人は目をこしらえて、輪の中心人物の特徴をとらえた。
ピンクのパーカーに、ギターを背負い、煌びやかな顔立ち……
「あら、みなさんお久しぶりね」
突然、聞き覚えのある声がし、振り向くと、ハープだった。
ウォーロックがハープが出て来たとたん、黙り込んでしまった。相変わらずの間柄がここにきて発動されてしまった。
「ハープがいるっていう事は……」
「あそこにいるのはミソラちゃんよ」
ビシッ!! と人差し指を突き出して声高らかにルナは答えた。
「まじかよ!! ミソラちゃんがこの学校に来ているんか!!」
「これは行くしかないですよ、ゴン太君!! 突撃です!!」
「あ、ちょっと二人とも!!」
ミソラと聞いて立ち止まってはいられない二人は、ルナの言葉に逆らい輪の中に飛び込んでいってしまった。
「ちょっと、これ大丈夫なの?」
どう見ても輪が広がりすぎている。よく見ると先生まで混じっている。
「どうみても、大丈夫じゃないわ。だからここに来たじゃない」
「?」
ハープの言葉の意味をスバルがとらえるには少し時間がかかった。