似蔵の右腕が膨れ上がった瞬間、今まで以上の力が掛かり、思わず後ずさってしまう。
何だあの強さ……。ヅラはコレにやられたってのか……。
剣戟を交わしてはいるが、銀時は防戦一方、受け流すのでギリギリになっている。それに比べて似蔵は、すずしい表情を浮かべながら攻撃を繰り出している。
その戦いは、実戦経験が少ない新八からも、明らかに銀時が不利であることが理解できた。
「銀さん!!」
新八の声援も虚しく、銀時は橋ごと川に叩き落されてしまう。銀時は既に満身創痍の状態だ。しかし、ボロボロになりながらも洞爺湖は手放さない。なんとか、反撃を加えようとするも、似蔵が突きを繰り出す。
激しい衝動音の後、新八が目撃したのは、折れた洞爺湖と刀が突き刺さって、大量の血を吐いている銀時だった。
「銀さーん!!!離して!エリザベス!!」
「昔のアンタはこんなもんじゃなかったはずだ。やはり刀を失った者はこの程度なのか。あの人と共に戦っていたのがアンタじゃなく俺だったら……。戦争に負けることもなかった!アンタは、あの戦争に負けて剣を失った腰抜けだ……!だからこんな所で死ぬんだ。白夜叉……」
「剣を失った?失ってねぇさ。剣ならあるぜ。とっておきのがもう一本……!」
新八が刀を振るった。エリザベスの刀を奪い、銀時を守るために壊れた橋から飛び降りたのだ。勇気ある一撃は似蔵の右手を斬り落とした。
「これ以上、銀さんに手を出してみろ!次は左手も貰う!!」
「おお、僕やるねぇ。付き合ってあげたい所だけど、五月蝿い連中が来ちまったようだ」
「何をしている!」
似蔵はその場から姿を消した。タイミング良く奉行所の役人たちが来たため、新八には目もくれず、撤退したのだった。
「銀さん!銀さん!!」
「おお、新八……。よくやったな……」
「銀さん!!!」
銀時が目を閉じた。新八が叫ぶ。しかし、銀時は大量の血を流しため意識を失ってしまっていた。
琲世が現場に到着した際に見た光景は、血だらけで運ばれる銀時とそれに付き添う新八、折れてしまった洞爺湖だった。
ーー停泊している船ーー
男が一人、船首に立っていた。煙管を吹かしながら月を眺めている。
「おいオマエ、痛い思いしたくなかったら答えるアル。ヅラはどこにいるネ?」
「こんなにデカくて明るい月が出ているから、今夜はかぐや姫でも降りてくるかと思ったら……。大層なじゃじゃ馬姫が降りてきたじゃあねぇか」
男が振り返る。左目を頭の包帯で隠した男は、神楽の傘を突き付けられながら、平然と振り向いた。
神楽は男の表情を見た刹那、寒気を感じた。力では勝っているだろうこの男に、なんとも言い難い恐怖を感じたのだった。
戦闘シーン難しすぎる!!