これは夢、坂田銀時の過去の物語。松下村塾に通い、先生や友人達と共に学び、戦い抜いた物語。
「おい、銀時。お前には聞こえねぇか、この声が」
目の前の高杉が似蔵と重なる。高杉が自分を貫き、再び口を開く。
「俺ぁ、ただ壊すだけだ。獣の呻きが止むまでな」
目を覚ました。悪夢を見ていたからか、飛び起きてしまったことで傷口が痛む。傍らにはお妙がいて、ウトウトしながら座り込んでいた。
「銀さん!起きた?私が誰だか分かる!?」
「まな板みたいな胸した女」
顔を殴られる。重症の怪我人にここまでするかと思いながら、他の皆のことを尋ねる。
「新八と神楽、ハイセはどこだ?」
「皆は用事で外出してます。銀さんは怪我人なので大人しくしてください」
「用事って、おまえ……。何の用事だよ。」
「用事は用事です。ほら、ジャンプでも読みましょうね〜」
「てか、なんでお妙がいるんだ?」
「新ちゃんに頼まれたからです。看といて欲しいって」
「なんで薙刀があるんだ?」
「それも新ちゃんに言われたからです。怪我人は安静にしているようにしてほしいって」
「おれぁ、ちょっと……」
少し布団から起き上がろうとすると、目の前に薙刀が突き刺さる。
「怪我人が動くなって言ってんだろぉ?おぉ?」
あまりの迫力にうなずくことしか出来ない銀時であった。
雨が降っている。川沿いに佇むエリザベスを見つけた僕たちは、彼の元へ歩いて行った。
「エリザベスさん、それはもしかして桂さんの……」
[皆まで言うな]
「エリザベス……。聞いてほしい。昨日から神楽ちゃんが戻って来ないんだ」
「定春が、こんな紙を持っていて……。雨で所々見えないけど、多分地図だと思う。銀さんには伝えてない。あの人、こんなこと知ったらあの怪我でも行っちゃいそうだから」
「ちょっと、お手洗い……イタタタタ!痛い痛い!」
「動くなって。傷口開いたらどうするんだぁ?」
「いやー、そのおトイレに……」
お妙はペットボトルを持ちながら
「コレにしろ、ココでしろ」
トンデモナイことを言い出すお妙と同じタイミングでチャイムが鳴る。お妙が出ると、鉄子が立っていた。しかし、お妙は鉄子を知らないし、逆も然りだ。
「ええと、どのようなご要件?」
「えっと……。あれ……」
「もしかして、銀さん?銀さんなら今は……」
「いるよ。ここにいる、入ってこいよ。……来ると思ってたぜ」
ーー宇宙ーー
「万斉様、扉が開きます。万斉様、扉が開きます!万斉さん!扉開きますよ!?聞こえてます!?扉が開くんです!!」
「……。あぁ、わかったでござるよ」
「万斉様、無事に帰ってきてくださいね」
「あぁ」
場所は宇宙、たった一人であの宇宙海賊春雨と話をしに行く万斉。普通に考えた場合、まともに相手にもされないはずだが、高杉一派は普通ではなかった。
拙者の口八丁でこいつらをどうにかして動かす……。冷静に考えれば難しいところだが、これは一世一代のプロデュース……。
気づくと彼は笑みを浮かべていた。
その姿を遠くから眺めていた男たちがいた。
「宇宙にはまだまだ面白そうなのがいるね♪」
「おいおい……。あいつは外れにある地球って星、そこの時代遅れの侍っていうやつだよ」
「強いのかな?」
「まーた、団長の病気が始まったよぉ。いくぞ、団長。あいつは客人、客人に手を出すんじゃねぇの」
「なーんだ。でも侍か……。本当に面白そう」
侍、そして琲世とこの男の邂逅はもう少し先の話。
紅桜篇を復習しつつやっております。
これから、長篇をすべて行うと非常に長くなると思うので、けっこー飛ばしながらやっていくつもりです。