「こっぴどくやられたものですねぇ。紅桜を勝手に持ち出したあげく、そこまでの深手を負わされ逃げ帰って来るとは。腹を切る覚悟は出来ていますよねぇ、岡田さん」
「片腕斬り落とされてもコイツを持ち帰って来た勤勉さを評価してもらいたいもんだよ。それに、コイツにもいい経験になったと思うんだ」
「あんたの最近の身勝手ぶりは、目に余るものがあるッス。しかも、晋助様を刺激するような奴ばかり狙って……。アンタ、自分が強くなったって思ってんスか。勘違いすんじゃないよ。アンタが桂に勝てたのは紅桜のお」
似蔵が鬼のような形相で振り向き、座ったまま手をつき出し、紅桜の管がまた子の首を絞める。
「おっとぉ、わるく思わないでくれ。最近はすっかり侵食が進んできてねぇ。コイツは俺の体を自分のものだと思ってるらしい。俺への言動は気を付けたほうがいい」
首を離す。また子は地面に倒れ咳き込んでいる。武市はその時まで、緊張した空気の中、動くことが出来ていなかった。
「岡田さん、あなたは……」
「どうにも邪魔でねぇ。俺たちはあの人と、この腐った世で暴れてやろうと集まった輩だ。謂わば伝説になるってことじゃないかい。なのに後ろでキラキラと……。目障りなんだよ。古い伝説には朽ちてもらって、その上に新しい伝説を築くんだ。今、あの人のとなりにいるのは奴らじゃない。俺達なんだ」
ーー万事屋ーー
「本当のこと、話しに来てくれたんだろ?アレは妖刀なんて言葉で誤魔化すのはナシだぜ。あの化け物、ありゃなんだ?」
「……。紅桜とは、父が打った刀を雛型に造られた、大戦艦用からくり機動兵器。電魄と呼ばれる人工知能を有していて、使用者に寄生することでその体をも操る。戦闘をデータ化し、学習することで能力を向上させる……。まさに、生きた刀。あんなものを造れるのは江戸に一人しかいない」
頭を下げる鉄子。そして、願いを口にする。
「頼む、兄者を止めてくれ。高杉達は、紅桜を使って江戸を火の海にするつもりなんだ」
ーー紅桜工場内ーー
「酔狂な話じゃねぇか。大砲をぶっ放してドンパチする時代に、こんな刀を造るたぁ」
「そいつで幕府を転覆させるという大法螺を吹く貴殿も中々の酔狂だと思うがな!!」
「大法螺を実現してみせるホラ吹きが、英傑と言われるのさ。それに、俺はデキねぇホラぁ吹かねぇ。侍も剣も、まだまだ滅んじゃいねぇっていうことを奴らに思い知らせてやろうじゃねぇか」
「貴殿たちが、何を企み、何を為すかには興味がない!!刀匠は斬れる刀を打つのみ!!ただ、1つ言えることは、この刀に斬れぬ物はない!!」
紅桜を見つつ、あぁ、こんな感じだったなぁと思って書いてます。PSPでバクチ·ダンサーを聴いてた頃が懐かしいですねぇ。