樽の蓋が開き、中から新八が顔を覗く。前回、定春が持っていた地図を辿り、浪人がたむろする港に着いた。
「ハイセくん、エリザベスさん、二人共どんな感じだろう?」
新八が周りを見渡す。ハイセからは、防衛以外ではなるべく戦闘を避け、神楽を救うようにと伝えられている。また、そういった潜入がしやすいようにすると聞いているが、一向に彼らの姿が見当たらない。
「見渡す限り浪人達だよ……。バレないように怪しいことはしないように……」
彼が見たのは、桂の格好を真似たエリザベスの姿だった。
「何やってんだあいつ……!あんなの怪しんでくださいって言ってるようなもんじゃないか……!」
雑談や世間話をしていた攘夷志士達も、長髪の攘夷志士風未確認生物を見て驚きを隠せていない。
「おい、お前怪しいぞ。ここに何をしに来たんだ」
「本当に怪しいな。こんな生物見たことないぞ。鳥の天人か?」
「おいおいおい、こいつは怪しいを絵に描いたような奴だな!」
攘夷志士達の気まぐれで、エリザベスが死んでしまうような状況で、エリザベスが動いた。
[すいません、道をおうかがいしたいのですが]
攘夷志士達が少し気構える。
[地獄の入り口までのな!!]
プラカードを掲げると同時にエリザベスの口が開き、中から大砲の砲身が姿を表す。そのまま、まっすぐの方向で停泊している船に向けて砲撃した。
ーー船内ーー
「ったぁー、苦しかったぁ。あいつ本当に何なんスか?」
近くのドアから、高杉一派の攘夷志士が吹き飛んでいる。
「こっちはもうボロボロっすよ。一人の小娘にいくら時間掛けてるんスか。もうヤッちゃいましょうよ」
「まだ、何も聞き出せていないのに、殺す人がありますか。それに、この年頃の娘は後ニ、三年で最高に輝きます」
「はぁ……。ロリコンも大概にしてくださいよ。先輩」
「ロリコンじゃない。フェミニストです。それに、見てください。あなたに撃たれた傷が一夜にして回復しています。それに尋常ならざる剛力、この白い肌……」
「先輩、いい加減にしてください。」
「だから、お前違うって。フェミニストだって言ってんじゃん!ただの子供好きの」
「それがロリコンってことなんスよ!」
少し呆れた風な武市が立ち上がり、磔に拘束されている神楽に向き合う。
「もう、いいですよ。あなたには理解できそうにないから馬鹿が」
「お前が馬鹿」
「あれですよ?私が言っているのは、これは夜兎の特徴と一致しているということです死ね」
「お前が死ね」
夜兎……。宇宙随一の戦闘民族にして、宇宙最強と言わしめる星海坊主の種族である。
「なら、こいつはどこに雇われてきたんスか?」
「それが、いくら聞いてもズラとしか言わないんズラ」
「はぁー。先輩、それ舐められてるんすよ。私がこんな小娘一捻りにしてやります」
神楽の前に立ち、威圧しながら尋問を開始する。
「あんた、て」
また子の頬にタンが付く。拘束されている神楽がタンを飛ばしたのだ。あまりの行為に、また子は2丁拳銃を構える。
「殺すぅ〜!アンタ、今どんな立場だと思ってんスか!?」
「待って!まだ情報聞き出せてないし、この子はニ、三年後すっごいことになるから!」
「離してください!武市変態!!」
「変態じゃない!先輩だから!」
拘束されながらも挑発をやめない神楽に、また子がキレる。
「体中のタン汁よ〜!」
「ガラガラガラガラガラ。」
「やめなさいって、二人共。女の子なんだから」
暴発寸前まで貯められたタンを両者が発射する。真ん中にいた武市の両頬に、タンが付いた瞬間、船に爆発音と衝撃が走った。
ハイセの戦闘シーン、次出します。
本当です。本当ですからぁ〜。