目の前で大砲がぶっ放された。攘夷志士達は腰を抜かし、仲間たちを呼んでいるようだ。
「エリザベス……」
名前を呼びかけ、駆けつけようとした時に、刀を投げつけられた。
[早くいけ]
「でも、エリザベスが……」
「大丈夫だよ、新八くん。ここは任せて、先に神楽ちゃんを」
「ハイセくん!」
エリザベスによる砲撃音を聞きつけてやってきた琲世が、新八に告げる。
「ありがとうございます!エリザベスさん!ハイセくん!待ってて、神楽ちゃん……」
新八くんが走っていった。よく見ると、空から船が何隻か来てるみたいだ。少し厄介だなと思っていると、
「エリザベス、僕も追いつくから、船を頼める?」
その声と同時に、桂一派の攘夷志士が集まってくる。
「エリザベスさん!別の攘夷志士一派です!桂さんの報復を名目に、高杉一派とドンパチやろうって魂胆かと!」
「俺は、捜索もせずに桂さんをすぐ諦めてしまった……。まだチャンスがあるっていうなら、俺はエリザベスさんと共に……」
[お前たち……琲世、この人数対処出来るか?]
「任せてください。なんなら、先に船乗っちゃってますよ」
桂一派が船をなんとかするため、自分達の船へ急ぐ。こちらの状況としては、30人以上対1だろうか。しかし、こちらはあんていく時、特等達と連戦し、白い死神とやり合ったんだ。こんな、数だけでは相手にならない。
「白黒のあんちゃん。今、降伏するなら痛い思いはしない。ちょっと捕まってもらうだけだ」
「んー、そうですね。逆かな。死にたくない、痛い思いしたくない人は、この場からにげてください……ね」
赫子は出さないが、喰種として全力で威圧してみる。何人か恐怖を覚えているが、殆どが一人の僕に人数差で勝てると思っているみたいだ。
「おいおいおいおいおい、死んだわコイツ」
「あんちゃん……。人数差を分かっているのか?ざっと30対1だ。それに、見たところ浪人でもないし、武器も持っていない……。最後の警告だ。ここで、降伏するんだ」
「優しいですね。大丈夫ですよ。少し鈍ってるかもしれないので、お手合わせお願いします」
バレない程度に赫子を出し、そこからユキムラを装備する。
「あんちゃん……。行くぞ、お前ら!」
「おおおおおおお!ベッ」
「うぉぉぉぉぉぉ!ボッ」
ユキムラを握り、まずは突撃してきた5人の内、少し前に出すぎていた2人を狙う。別に命を取るつもりもないので、銀さんの洞爺湖をイメージし赫子内で、切れ味を下げていたユキムラを振るう。2人を倒した流れで残りの三人も斬り伏せた。
うん。少しイメージと動きに差があるかな。こっちに来てからの闘いは初めてだし、ここで慣らしておかなくちゃ。
ーー数刻後ーー
戦況は、圧倒的だった。30人以上いた攘夷志士達は、残り10人をきっており、数人は逃亡、残りの何人かは腰を抜かしている。
「ヒィ……。ば、化け物……」
「言われ慣れてますよ。あ、ここからは追いかけて来ないでくださいね。少し加減が出来ないかもなので……」
空を見ると、バイクに乗った似蔵が船を落としているのが分かる。
あれを倒すなら、手加減は難しそうだ。全力は出せないが、本気を出そう。
僕は一度目を閉じ、再度開ける。再び開いた左目は、血のように赫く染まっていた。
やっと、戦闘シーン……。
今まで、戦闘シーン出す出す詐欺みたいだったので、ちゃんと出せてうれしいです。