紅桜とユキムラがぶつかり合う。それぞれ似ているようで異なる、禍々しい刀達は、何度斬り結んでも折れることはない。
「中々、やりますね!結構強いんじゃないですか!?」
「俺も驚いたよ。この紅桜にここまで対抗するなんて」
ハイセは焦りを隠せない。本気を出せば勝てると思っていたこともあり、ここまで相手にダメージが通らないことに焦っていた。
同じく、似蔵も動揺していた。戦艦を一刀で落とせる紅桜があってしても、致命傷を与えられない。むしろ、膠着状態になっているのが信じられなかった。
「ほんと、厄介な刀ですね!」
「俺の相棒は、特別だからねぇ!」
戦況が変わったのは、ほんの一瞬だった。一瞬の隙を、紅桜は逃さない。焦りで大雑把になっていた所を狙い、ハイセの腹を切り裂いた。
「がっ」
「おっと。これは勝負がついたねぇ。出血で死ぬか、ここで楽になるか?好きな方を選びなよ」
「さっき、ここからが本番みたいなことを言ってましたよね。僕もここからが本番です……よ?」
ハイセの眼が、血のように赫くなる。また、水流のような攻撃が荒々しい暴力のように変わって来ているのだ。
似蔵は、焦りを感じ始めていた。これは、ちょっとまずいんじゃないかねぇ。紅桜といえども……。ならば……。
似蔵が紅桜でハイセを弾き飛ばす。難なく着地したハイセではあるが、相手の今までにない攻撃に、警戒を強める。
「愉しい、いい時間だったよ。けれど、そろそろ終わりにしようかねぇ。赫いの」
「あなたの負けって意味ならいいですよ」
双方の間に静かな時間が流れる。先程までの戦闘が嘘かのように静まっていた。
砲弾が船に直撃した瞬間、双方が刀を斬り結び、そのまますれ違った。
似蔵が跪く。紅桜の右手側を抱えて、うめき声をあげた。紅桜がダメージを受けたのか、時々スパークが生じている。
反対にハイセは立ってはいるが、再度腹を大きく切断されている。このままだと本当に死んでしまう可能性があるため、一度、この場所から離れた。
「おい!!大丈夫か!?紅桜がここまでのダメージを!?一体誰が……!?」
「おそらく、とっておきの刀とやらかねぇ。紅とは違うが、禍々しさと儚さが共存しているような赫だったよ」
「とにかく!!少し紅桜を見よう!!侵食も進んでいるようだしな!!」
「よろしく頼むよ」
ーー別船内ーー
かなりの深手を負ってしまった。紅桜という刀、赫子なしだとここまでとは……。人間ではないと隠しておけるのも時間の問題かもしれないな。お腹の傷はそろそろ再生が終わりそうだし、少し休もう……。
ーー船頭ーー
刀を鞘に戻す高杉。珍妙な生物を斬り、子供2人を視認した。
「おいおい、ここはいつからコスプレ会場になったんだ?ガキが来ていい所でもねぇぞ」
「ガキではない。桂だ」
声とともに高杉が刀を構えたが、桂の攻撃が早く、高杉の腹に、一文字の傷が生じた。
生きてたんですね!