(この刀は……。なんだ……?紅桜と同様……、それ以上の禍々しさ、血の、いや命のような……?)
「助かった!!貴殿は……その刀はいったい!?」
「この場が済んだらお話しますよ。とりあえず、今は……」
この化物をなんとかしないと。先程闘った時より一回り大きくなっている。それに、身体は管で囲まれ、両腕も管が束なり、胴体より太くなっている。機械仕掛けの赫者みたいに見えた。あちらもこちらも、大きくなってパワーアップは一緒のようだ。
「ええと、とにかくその女性を連れて少し離れて!ここは、僕が……」
化物のような似蔵と、やられかけていた男性に意識が取られていて、血を流し気絶している銀時に今気づいた。
「銀さん!!あんな怪我で……」
ただでさえ、重症だったはずなのに、その怪我で再度紅桜と闘うなんて……。喰種とは違い、再生能力もないのに、よくここまでやるな。怒りと感心が同時に起こる複雑な感情だ。
それに、周りを見渡すと、新八くんや、神楽ちゃんもいる。目に見えた怪我はしていないようだが、この状態の紅桜と相対していたら、いつかは大怪我、最悪の場合、命を落としかねない。
「神楽ちゃん!新八くん!銀さんを頼む!!」
銀時が捕らえられているケーブルを切断する。一撃では完全に切断できなかったため、一撃の威力を利用し、二連撃を行う。合計三連撃によるユキムラの攻撃だ。
紅桜から解放した銀さんを、新八くんと神楽ちゃんが安全な場所へ移動させる。また先程の男女も気になる。神楽ちゃんと新八くんのどちらかに任せよう。
「新八くん!神楽ちゃん!どちらか、あの二人を頼む!!」
「はい!神楽ちゃんは、銀さんを!!僕は、あの二人の方に!」
「一丁前に指示すんなヨ!眼鏡ェ!!銀ちゃんはわたしが守るネ!」
奇跡的に紅桜は、こちらだけを標的としているようだ。少し相手をして分かったことは、現在の紅桜はあまり強くない。パワーはあるが、スピードや知性のない攻撃は、避けてくださいと言わんばかりだ。
ハイセと紅桜の闘いは圧倒的なものであった。スピードと、似蔵の意識が無くなった紅桜では直線的な攻撃や、力任せの攻撃が多い。そういった攻撃をハイセはスレスレで躱し、的確に攻撃を与えている。
新八はその闘いを眺めていた。鉄矢と鉄子を背に庇いながら、ただ視線は目前の闘いに固定されていた。
(最近、争い事はあんまりなくて、ハイセくんの強さは知らなかったけど、これほどなのか……。キレイな水流のような攻撃と、たまに見える荒々しい力のような攻撃……。僕は震えながら戦っていたけど、彼は銀さん並みの強さなんじゃないか)
考え事をしていた新八は、周りの状況を把握できていなかった。そのため、紅桜が、なぜか新八を狙って攻撃したことに気づくはずもなかった。
「新八くん!!」
ハイセが新八の前に躍り出る。ユキムラで防御は出来たが、咄嗟のことだったこともあり、踏ん張りが効かず、吹き飛ばされてしまう。
新八は目の前の光景がゆっくりに見えていた。自分を庇ったハイセは吹き飛ばされ、目の前には紅桜が刀を振り下ろそうとしている。
(もっとお通ちゃんのイベント参加しとけばよかったなぁ)と考えていると、似蔵の顔面が斬り裂かれ、うめき声をあげながら跪いた。
新八の前には、靡く銀髪。白夜叉と呼ばれている男、坂田銀時が刀を持ち立っていたのだった。
紅桜も終わりに近づいています……。