「桂だ」
「本当に桂か?こんな髪だっけか?」
「ひっこんでな。桂は俺の獲物だぜ」
桂は声の方向に振り向き、いつでも刀を抜けるように構える。
「天人?」
「ヅラ、聞いたぜ。お前さん、銀時と一緒にあの春雨相手にやらかしたみたいじゃねぇか。俺はねぇ、連中と手を組んで、後ろ盾を得られねぇか苦心してたんだが、お前達の首を手土産に上手く事が運びそうだ」
「高杉ィ!」
「言ったはずだ。俺はただ壊すだけだ、この腐った世界を」
ーーー甲板ーーー
春雨の艦から橋が延び、そこから天人達がぞろぞろと船に乗り込んでくる。
「なぜ春雨がここに!?」
[しるか]
「すごい数だ、こちらの倍はいるぞ!」
「けが人と警備以外はこちらの援護を!!」
「時代錯誤のサムライごときが」
「お前ら、サムライという先の時代の敗北者だからと言って油断するなよ」
戦闘中の天人による一言に、桂一派の1人、
「ハァ……ハァ……取り消せよ、今の言葉!」
「お?なんだ?一丁前に反抗しやがって。お前らサムライが以前、大敗したのは事実じゃねえか。敗北者どもが!」
「よせ!のるな!えーすけ!」
[えーすけ]
「やめろ!えーすけ!落ち着いて闘わなくては、勝てるものも勝てない!!」
「俺たちは国のために、未来のために、守るために闘った!それを敗北者等とバカにされて、我慢なんか出来るものか!」
「うるせぇ!敗北ザムライ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!」
衛輔は、勇敢に天人に立ち向う。しかし、体格差が大きい天人にあっけなく吹き飛ばされてしまった。
「えーすけぇ!!」
ーーー春雨艦ーーー
男が2人、さらに激しい戦場となった甲板を眺めている。片方は天人、もう一人は高杉一派の河上万斉であった。
「我らは、桂と件の侍の首がもらえると聞いて……。万斉殿、聞いてる?ねぇ、聞いてんの?」
「あぁ、もちろん。聞いているでござるよ。これね、江戸でイチオシの寺門」
「そっちの話じゃねぇよ!なんで、この人が交渉人なんだ!?」
「心配いりません。大方、桂が連れてきた雑魚でござろう。直ぐに方がつきますよ」
ーーー甲板ーーー
船内へと侵入していた天人が、吹き飛ばされた。また、天人が飛んできた方から、銀時一派が現れる。
新八が銀時に肩を貸し、琲世は村田兄妹の護衛、そして先頭には神楽がいた。
「どけどけ!」
「万事屋銀ちゃんがお通りだ!」
「銀さん、大丈夫ですか?」
「おう、大丈夫だ。イテテテ、しっかし、元気良いなぁ、お前たちは」
天人達が、銀時の姿を確認する。その天人たちの中には、銀時を既に知っている者もいた。
「あれは!?あんときの侍!」
「白髪頭だ!間違いねぇ!」
それと同時に、桂が天人を斬り伏せて、甲板に姿を現す。
「どけ!俺は今虫の居所が悪いんだ」
「桂さん!!」
圧倒的数の差で、桂や銀時たちは天人に囲まれる。自然とそれぞれの背中を守るように、円陣のような体制で、天人と向き合う。
「おいおい、どうしたヅラ。その髪は、失恋でもしたか?」
「黙れ、イメチェンだ。貴様こそ、そのなりはどうした?爆撃でもくらったか?」
「うるせぇな、黙れよ。イメチェンだ」
「どんなイメチェンだ」
「桂さん!ご指示を!」
「退くぞ。今、後方に船が来ている。それに乗れ。」
「しかし、けが人たちが……」
「そこは僕にまかせてください。怪我人の方達が移動できるようにそちらを重点的に援護します」
「ありがとう、ハイセくん。流石は攘夷志士だ。その間の時間稼ぎは俺たちに任せろ」
「そうだぞ、ハイセ。お前ん所に一人も天人が来ないかも知れねぇな。」
「よし!分かったな、お前達。撤退だ!!」