江戸にて夢を見続ける   作:すぱーくしーど

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あの人

 

 場所は港。コンテナの上で張り込みをしている土方が、煎餅を食べている。しかし、せんべいの辛さに思わず、噴き出してしまった。

 

「何じゃあぁ、これぇぇ、水ぅ……」

「差し入れです。沖田隊長の姉上様からの激辛せんべいです」

「テメェ、山崎ナメてんのか。てか、なんでアフロ?」

「怒らないでください。怒るならミツバ殿に」

 

 沖田バズーカにより、髪型がアフロになっている山崎が大量のせんべいを入れたボウルを持ちながらそう伝える。

 

「それより、副長。どうしてミツバ殿に会われなかったのですか?局長から聞きましたよ?副長は、局長や沖田隊長と真選組前から武州での友人だったと。不審船の調査なんて、俺に任せて会えばよかったのに」

 

 土方は、懐から煙草を取り出し、火を点ける。

 

「最近の攘夷浪士達がテロ行為に用いる武器が、以前とはモノが違ってきている。廃刀令が下り、剣を失った奴らが民間から銃器や最新武器を手に入れるのは簡単なことじゃねぇ。幕府側から横流しされていることは間違いねぇんだ」

「副長。ミツバ殿と何かありましたか。」

「あぁ、何かある。間違いねぇ」

「焼け木杭に火が付いて〜みたいな」

「そうだな、火が付いたらとんでもねぇことに……、っておい!違ぇからな!ころすぞ!というかお前何でアフロ!?ホントになんで!?ころすぞおい!」

 

 ミツバと闇取引で話の食い違いが起きていることに気付き、あからさまに動揺する土方。しかし、山崎は意に介さず話を続ける。

 

「ミツバ殿、結婚するらしいですよ」

「だっ、だから関係ねぇって言ってるだろ!アフロ!おいアフロ!!何でアフロなの?おいこら!ふざけんなよ、マジころすぞアフロ!?おい!」

「相手は貿易庁みたいで、玉の輿ですなぁ〜」

「知るかよ、なんだですなぁ〜って、みたいって。監察ぶりやがって、いちいち腹立つなこいつ。ふざけんなよ」

 

 土方は、動揺を隠すため、せんべいを貪るが、あまりの辛さに再度噴き出した。それと同時に山崎が何かを発見したのだった。

 

 

 

 場面は変わり、沖田達は、ミツバの婚約者の屋敷まで来ていた。

 

「今日は、楽しかったです!姉上!でも、きょうぐらい屯所に泊まっていけばいいのに、わざわざ婚約者の屋敷で泊まるなんて」

「ごめんね、そうちゃん。今日は色々とやらなきゃいけないことがあるから。坂田さんも、本日は色々とお付き合いくださってありがとうございました」

「あぁ、気にすんな」

「では、姉上ここで。先に入ってください」

「うん、またねそうちゃん」

 

 ミツバが扉を少し押すが、手を離す。また沖田達の方を振り向いた。

 

「あの、そうちゃん、あの人は……」

「あの野郎には会わせねぇぜ。あいつは、今朝方も挨拶もせず、さっさと仕事で出てっちまった。薄情な野郎でぇ」

 

 沖田は、途端に態度が変わり、屯所の方へ歩いていく。

 

「仕事。相変わらずみたいね」

「おいおい、勝手に巻き込んどいて勝手に帰っちまった」

「ごめんなさい、わがままな子で。私のせいなんです。早くに両親を亡くしたあの子を、寂しくさせないように、甘やかして育てたから。身勝手で頑固で負けず嫌いで。そんなだからいつも一人ぼっちでお友達もいなかった。近藤さんに会わなければ今頃どうなってたか。今でも少し心配なんです。あの子はしっかりやれてるのかなって。本当はあなたもお友達じゃないんでしょ?」

「あいつがしっかりしてるかって?してるわけないでしょ?Sに目覚めたり、仕事サボったり、不祥事起こしたり、Sに目覚めたり。ホントろくでもないですよ、あのクソガキ。どんな教育されたんだか。友達だって選ばなきゃいけねーよ?俺みたいな奴とつるんでるんだから。ろくなことにならないですよ?お宅の子」

 

 ミツバは少し呆気にとられていたが、すぐに微笑んだ。

 

「おかしなひと。でも、通りであの子が懐くはずだわ。なんとなく、あの人に似てるもの」

「あぁ?似てる?」

 

 近くでパトカーが停まり、ドアが開く。

 

「おい、お前ら。こんな時間に何してる?この屋敷は……」

 

 声を掛けたのは土方であった。しかし、誰に声を掛けたのかは、近づくまでわからなかった。顔が見える距離まで近づき、その人物がミツバであることに気づくと、驚いて声が止まってしまう。ミツバも同様で、会えないと思っていた人との遭遇で固まってしまった。

 

「十四郎さん……」

 

 ミツバが名前を呟いた後、すぐに発作が起きて、そのまま倒れてしまう。土方は手を伸ばすも、身体を支える、いや、触れることが出来なかった。

 

 銀時は倒れたミツバに近づき、肩を軽く叩いて声を掛ける。同様に山崎もミツバを心配し近寄った。

 

「ミツバ殿!?」

「おい!おい!大丈夫か!?」

 

 




主人公が出てきません。
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