「俺たちを信じろってか?待ってくだせぇ、近藤さん。俺はヤツに借りを作るのだけは御免被る。それに、俺はあんた達とは違って、てめぇの事しか考えてねぇ。だから、信じるとかなんだとか、仕事でもどこか溝を感じてた……。いや、そもそも、俺なんか邪魔だってこと……」
近藤が、話し途中に沖田を殴る。沖田は銀時がいるソファーまで飛ばされてしまった。
「……ったく、俺には手厳しいや、近藤さん」
「いや、それはお前がガキだからだ。トシが同じことを言ったら、同じようにあいつをぶん殴ってたよ。俺たちはそういう
「……」
「近藤さん!!副長が!!」
「あ!そうだ!早くトシの所行かねぇと!他の奴には伝えたか!?」
「いいえ!まだ伝えられていません!ですが、病院の外にいたハイセさんにはお伝えしました!」
「え!?なんでハイセくん!?あの子真選組って訳じゃないからね!?屯所にも、依頼で来てくれてるだけだから!!……そんなことより、早く屯所に連絡!!可能な限りの戦力でトシのとこに行くぞ!!」
「はい!局長!!」
近藤と山崎が、病室から遠ざかる。沖田はソファーに項垂れながら、ぽつりと言葉をこぼした。
「惚れてたんです。冷たくつっぱねられても、本気で惚れてたからこんな齢まで独り身だった。ようやく吹っ切って婚約までしたのに、またあいつだ。姉上の邪魔を何度もしやがる、ひでぇ奴でぇ。……分かってまさぁ、姉上がひでぇ奴を好きになることなんてないことぐらい。本当は分かってた、いつ死ぬかわからない身の上で姉上と一緒にはならなかったことぐらい。分かってた、野郎が姉上の幸せを想って拒絶してたことぐらい。分かってた、奴が姉上の幸せを本気で想ってることぐらい。分かってたんですよ、俺ぁ。でも、気に入らねぇよ、奴は。気に入らねぇ野郎のままで、十分なんでぇ。……。旦那、長い話聞いてくれてありがとうございます。野郎には大事なもん色々と持っていかれたが、行かなきゃならねぇ。近藤さんには死ぬって言われたんで、これが最後かもしれないんでさぁ。地蔵にでも全て話しておきたかったのさ」
「その大事なもんに、あいつも入っちまってんだろ」
思いもよらぬ返事が聞こえ、沖田が振り返る。イビキをかいていたはずの銀時が目を開いてた。
「フワァ……あぁ、よく寝たぜ。目ぇ覚ましにちょっくら行くとするか〜」
「旦那、くま」
「て○しんに殴られた」
沖田が、ミツバの病室から離れていく。
(姉上。俺は、幸せモンでさぁ。長ぇ人生の中でも珍しい、そんな悪友が3人も出来ちまった)