「ん?おい、神楽。あのV字前髪なんか見覚えない?」
「V字前髪なんて腐るほどいるネ。それに、こんなオタクのV字前髪に心当たりはないヨ」
「だよね?俺もオタクには心当たりないんだよなぁ……。なんかこー、鬼の!!ってイメージなんだよなぁ」
生放送されているテレビ番組では、相変わらず新八とニジゲンオタクが乱闘を繰り広げていた。乱闘のさ中、ニジゲンオタクのサングラスが頭から外れる。
「あっ……。この顔は……鬼の……」
万事屋銀ちゃんと腐れ縁があり、この番組になんて出演しないはずである、変わり果てた鬼の副長の姿があった。
「んで、お前はなんでオタクなんてやってんだよ」
「ほぉ〜、改めて見ると和と未来の融合、アナログとデジタルが合わさっておりますなぁ。江戸と宇宙人、あ、ここでは天人でござったな、失礼。いやー、それにしても皆さん服装が似合いますな。特に、神楽氏。失礼だが写真を撮影してもよろしいか?その美貌とチャイナドレスは美少女アニメに出てくる美少女と言っても過言ではないよ。それに何といっても神楽氏の声だよ、かわいい系で、少しキャンキャンと高い響きがある……。例えるならそう、ツンデレ!!ツンデレが似合うでござる!!!少し、セリフを述べてくれると……」
「おいいいいいい!!!うるせぇよ!!!いつまで喋ってるんだ!!!それに神楽も乗り気になんな!!アホが調子づくだろーが……。ったく、なんでこーなってんだ?新八分かるか?」
「いえ、あまり良く分からないんです。ただ土方さん?だと思ったので……」
「銀さん、僕が万事屋まで来ないかって提案しました。最近、真選組がきな臭いですし、謹慎中である土方さんからでも話が聞ければと思ったのですが……」
「まー、こりゃ無理そうだよな。俺らもストーカーくノ一からちょっと話は聞いてるが、こりゃ一体全体なんなんだろうな?おい、話できるかおまえ?」
土方は震えた手でタバコを咥える。紫煙を吐くと、彼の目つきが変わった。
「万事屋、依頼だ。ハイセは薄々気づいてたかもしれんが、最近どーも俺を排除したい奴がチョロチョロしててな。それに加えてこの始末……。俺がオレである時間も少しずつ短くなってきている。今じゃタバコを吸ったときや一部しか意識が取り戻せねぇ。それもこれもヤツのせいか……。それとも……くそっ!刀も抜けやしねぇ」
「んで、依頼ってのはなんだ?鬼の副長さんよ」
「俺のかわりに、真選組を頼む……。くそダセェが今はこうしてお前らに頼むので精一杯だ。近藤さんや総悟……、山崎や隊士のみんな……真選組を、護ってくれ」
土方からの依頼は、鬼の副長不在の真選組を護ることだった。
仕事がキチィんじゃあ……