「お前らしくねぇな、鬼の副長さんよ。俺らにお前らの真選組を護れってか。それはよ、お前がやるべきことなんじゃねぇか?」
「俺だってそうしてぇさ。だが、今はこの刀すら抜けねぇんだ……。オタクが俺の身体を乗っ取ってる間は、俺は何にもできねぇ……頼む。」
あまりにも真剣な面持ちでこちらを見る土方に、銀時はそれ以上言及出来なかった。
「そうかいそうかい。そのオタクになっちまう要因というか理由はわかってんのか?分かりゃそれ省きゃいいだろ?」
「あぁ、元凶はかt……。ゴホッゴホッ、ケムいでござる、それに臭い……」
どうやら土方からトッシーに戻ってしまったようだ。自分で吸っていた筈のタバコを灰皿にすて、咳き込んでいる。
「新八、神楽、ハイセ。元凶は『かt』らしいが、何かわかるか?」
「んー、平仮名一文字だと……。それに合計何文字かも分からないんですから」
「分かる訳ないネ、シンパチとハイセが分からないならもう無理アル」
「……。知ってそうな人達に聞き込みしてみませんか?源外さんや鉄子さん、お妙さんや西郷さんも何か知ってるかもしれないですよ」
銀時は頭を掻き、重い腰を上げた。
「ハイセの案しかねぇから、それで行ってみよう。俺はババァから話を聞く。後はそれぞれ好きに聞いてきてくれ」
「分かりました!それなら僕は鉄子さんの所に行きます!」
「しゃあねーナ、ならこのワタシが青髭化物の所に行ってくるアル。ハイセ、源外のジイサンの所行けヨ」
「うん、分かった」
「おし、お前ら行くぞ!」
「源外さん、おじゃまします、いきなりオタクになる状況に聞き覚えはありませんか?」
「おお、ハイの字。ん?いきなりオタクになる?俺はそんなのわからねぇな。おい鉄!!お前何か知ってるか!?」
「んー、一応もしかしたらというのはある!!!それは紅桜とはまた違う妖刀の話だ!!!その名は『むらましゃ』と言い、その刀で斬殺された引き篭もりの怨念が籠もっていると聞く!!!その刀を使い続けると魂を吸われてしまう!!!魂を吸われてしまった結果、所持者はオタクの様になってしまったと考えれば可能性はあるぞ!!!」
「お久しぶりですね、鉄矢さん」
「……。」
「お久しぶりです!!!鉄矢さん!!!」
「おお!!!久しいな!!!ハイセ殿!!!その節は本当に感謝している!!!」
「いえいえ!!!お互いに健康で良かったです!!!お話!!!ありがとう!!!ございました!!!」
「こちらこそ!!!またいつか、貴殿のくいんけ?を見せてほしい!!!あれは鉄子には難しいだろう!それにこの部類のモノはあまり触れさせたくないからな!!!」
耳は痛いし、少し耳鳴りがしているが代わりにいい情報を手に入れた。
それにしても、クインケは触れさせたくない……か。確かに、このユキムラ含め、クインケは喰種の赫包という器官を材料に作られたもので、簡単に言えば命を使った武器とも言える。そう考えるとクインケは、紅桜よりも禍々しくおぞましい武器であることに間違いはない。
その禍々しさに、一目で気付いた鉄矢さんは流石というべきだろうか……。