銀時ら万事屋が近藤の下へ急いでいる頃、当の本人近藤は、列車内で伊東と話をしていた。
「懐かしいな。武州は旅立った以降、帰ってきてないんだよ。久しぶりに帰れるのか……。武州は俺やトシ、総悟の故郷なんだよ」
「そうか、君たちは故郷が一緒だからこそ、そこまで強い絆で結ばれていたんだね。それにしても、君には驚かされるよ。君のように清廉、純粋な人は初めてだ。だからこそ君の元には色々と集まってくるのだろう。君の真っ白な御旗に、他の隊士達の色が混ざっていく。だけど、私は真っ黒なんだ。どんな御旗もいずれ自分の黒に染め上げてしまう」
その言葉を聞いて、他の隊士達が一斉に立ち上がり、近藤へ刀を向ける。しかし、そんな状態でも全く焦らないどころか、大きく高笑いする近藤。
「ハッハッハッハッ!俺らの旗が真っ白だって?面白いことを言うなぁ先生。良いとこ縮れ毛塗れのふんどしってとこだ。それに、奴らに色なんて洒落たモノはない。んー、言うならば垢だな。御旗なんて大層な事を言っちゃあいるが、結局は汚ねぇ布ッキレよ。そこに、どんどん垢が溜まっちまう。気づくとその垢はどんなに洗っても取れなくなっちまうんだ。俺たちの、真選組の御旗はそんなんだよ。それに、あいつらは理屈じゃなく感情で動くこともある。先生にゃあ手に負えねぇよ」
話が終わると同時に、列車の扉が開き、沖田がやってきた。しかし、沖田の様子は尋常ではない。
「何してんだ、てめぇ」
「沖田君、君の持ち場はそこじゃないはずだよ。持ち場に戻りたまえ」
「何してんだって聞いてんだクソ野郎」
伊東が声を掛けても、沖田は聞く耳を持たない。伊東の部下が沖田に直接注意をするため、肩に触れる。
「沖田隊長!先生に対して口が悪いですよ!」
「手を離せ」
「は?」
刹那、伊東の部下が宙に舞った。気づくと沖田は抜刀している。部下が斬られていないため、峰打ちで弾き飛ばしたのだろう。
「その人から手を離せって言ってんだ!!」
「そうか、やはり君は土方派だったか。我々の元に近づきその動向を探るため、土方を謹慎まで追い込む芝居まで行うとは」
「芝居じゃねぇよ、俺が欲しかったのは副長の座だけだ。だから邪魔者を消した」
「では、良いではないか。私が局長になったあと、君は副長に任命しよう」
「ふざけるな、ヤツの次はお前だ、伊東。俺の大将はヤツでもお前でもない。俺の大将はたった一人だけだ。いいからそこをどけ!その人の隣は俺の席だ!!」
伊東を利用し土方を謹慎に追い込み、次は伊東を消そうとする沖田に対し、伊東は笑う。
「ハッハッハ!とんだ性悪だな。土方を消すために僕を利用し、次は僕の番ってことか。良いじゃないか、僕も同意見だ」
伊東は、沖田の後ろに忍ばせておいた伏兵を使おうとするが、その前に沖田がスイッチを押す。すると、列車内で爆発が起こり、列車内を停電と大きな揺れが襲った。
そーいそーい